はじめに
NBAの試合で、ボールを持っていない選手が動き回り、突然フリーになってオープンショットを決めるシーンを見たことがあるでしょうか?この現象の裏には、**オフボールスクリーン(Off-Ball Screen)**という戦術が隠れています。
オフボールスクリーンは、ボールを持っていない選手が味方のためにスクリーン(壁)を作り、ディフェンダーを振り切る戦術です。特に、シューターを活かすチームでは不可欠な要素となります。
今回は、オフボールスクリーンの基本から、NBAの試合でよく見るパターン、成功の秘訣、そして観戦時のポイントまで徹底解説します!この戦術を理解すれば、試合の裏側に隠された「影の動き」の面白さに気づくことができるでしょう。
オフボールスクリーンとは?
オフボールスクリーンとは、ボールを持っていない選手が味方のためにディフェンダーの進路を妨害し、オープンな状態を作るプレイのことです。これにより、シューターがフリーで3ポイントを打てたり、カッターがゴールへ向かうスペースを確保したりすることができます。
オフボールスクリーンの目的
- シューターをフリーにする
- ディフェンスを引き離し、高確率のシュートチャンスを作る。
- ディフェンスの混乱を誘う
- ディフェンダー同士のコミュニケーションを乱し、スイッチやローテーションのミスを誘発。
- カッティングのためのスペースを作る
- スクリーンを活用してリングに向かう道を開く。
オフボールスクリーンの種類
オフボールスクリーンにはいくつかの主要な種類があり、それぞれ異なる目的で使用されます。
1. ダウンスクリーン(Down Screen)
- 概要: 大きな選手がペイントエリアから外側へ向かう選手のためにスクリーンをセット。
- 活用例:
- クレイ・トンプソンがスクリーンを利用して3ポイントを放つ。
2. フレアスクリーン(Flare Screen)
- 概要: シューターが外側へ逃げるように動き、スクリーンを使ってフリーになる。
- 活用例:
- ステフィン・カリーがディフェンスを振り切り、ロングレンジシュートを打つ。
3. ピン・ダウンスクリーン(Pin Down Screen)
- 概要: コーナーにいるシューターがスクリーンを利用して3ポイントラインに向かう。
- 活用例:
- レイ・アレンがキャッチ&シュートを決めるシチュエーション。
4. バックスクリーン(Back Screen)
- 概要: ペイントエリア内に向かう選手のために後方からスクリーンをセット。
- 活用例:
- レブロン・ジェームズがスクリーンを受けてゴール下でアリウープを決める。
5. スタッガードスクリーン(Staggered Screen)
- 概要: 2人の選手が連続してスクリーンをセットし、ディフェンダーの追跡を困難にする。
- 活用例:
- JJ・レディックが2つのスクリーンを利用して、オープンな3ポイントを打つ。
NBAでのオフボールスクリーンの実例
1. ゴールデンステート・ウォリアーズ(カリー&トンプソンのスクリーン活用)
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背景:
ウォリアーズは、カリーとトンプソンのシューター能力を最大限に活かすため、オフボールスクリーンを多用する。 -
具体例:
- カリーがウィングエリアから動き出す。
- ビッグマンがスクリーンをセットし、カリーがフリーに。
- キャッチ&シュートで3ポイント成功。
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成果:
カリーとトンプソンは、この戦術によりリーグ屈指のシューターとして得点を量産。
2. サンアントニオ・スパーズ(2014年のファイナルでの活用)
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背景:
スパーズは、オフボールスクリーンを活用してダニー・グリーンやマヌ・ジノビリをオープンにし、3ポイント攻撃を展開。 -
具体例:
- ボールが動くたびに、スクリーンを連続してセット。
- ディフェンスが混乱し、グリーンがフリーで3ポイントを決める。
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成果:
2014年ファイナルでマイアミ・ヒートを圧倒し、優勝を果たす。
オフボールスクリーンの守備対策
オフボールスクリーンは強力な戦術ですが、ディフェンス側も対策を講じています。
1. スイッチディフェンス
- ディフェンダー同士が素早くマークを交換し、スクリーンを無効化。
2. ファイト・スルー
- ディフェンダーがスクリーンを回り込んでマークを継続。
3. トップロック
- シューターがスクリーンを利用する前に、ディフェンダーがその進路を封じる。
今日の宿題
タスク1: オフボールスクリーンを観察
- シューターがどのようにスクリーンを使ってディフェンスを振り切っているかをチェック。
- スクリーンをセットする選手の動きにも注目。
タスク2: おすすめ試合を視聴
- 2015年ウォリアーズ vs キャブス(ファイナル第5戦)
- 2014年スパーズ vs ヒート(ファイナル第3戦)
次回予告
次回は「プルアップジャンパーの極意!ディフェンスを翻弄するシュートスキル」を解説します。お楽しみに!
おわりに
オフボールスクリーンは、NBAの試合で頻繁に見られる影の戦術です。ボールを持っていない選手の動きを意識することで、試合の見え方が大きく変わるはずです。次の試合では、シューターがどのようにスクリーンを活用しているかをぜひ観察してみてください!