- 日本代表、サウジアラビアに106-78で快勝しました。FIBAワールドカップ2027アジア地区予選Window4の初戦、しかもアウェー。ここは普通に勝ってほしい試合ではありましたが、最終的に28点差。第3Q終了時点では90-52まで開いていたので、内容としてもかなり余裕のある勝利でした。
で、やっぱり最初に言いたいのは八村塁です。
29得点、FG11/13。
いや、アジアではちょっと反則じゃない?笑
前半なんてFG6/6、3P2/2、FT4/4で18得点。シュートを一本も外さず、スティールからダンク、外からスリー、ミドル、ブロックまでやっていました。最終的にも29得点、4リバウンド、2アシスト、2スティール、1ブロックでターンオーバー0、ファウル0。NBA選手だから活躍して当然と言えばそうなんですが、それにしても効率がおかしいです。
ただ個人的に今日一番良かったと思ったのは、八村が29点取ったことそのものより、八村が29点取っているのに日本代表が八村頼みのバスケに見えなかったことでした。
八村がいるだけでこんなに楽になるのか
今回のスターターは河村勇輝、西田優大、馬場雄大、八村塁、ジョシュ・ホーキンソン。サイズ、ディフェンス、シュート、ゲームメイクを考えるとかなりバランスがいい5人です。
八村が最初から点を取ってくれると、相手は当然そこを警戒します。でも八村だけにボールを集め続けるわけではなく、ホーキンソンのポストから始めたり、トランジションに持ち込んだり、外へ展開したりと普通に日本のオフェンスが続いていました。八村本人も代表合流前に、自分が入ることでこれまで作ってきたケミストリーを崩さず、自分の力をプラスしたいという趣旨の話をしていましたが、初戦を見る限りかなりその通りになっていたと思います。
これって結構大事なんですよね。
NBAスターが代表に入ると、良くも悪くも全部その選手中心になることがあります。でも今日の日本は、困ったら八村が1on1で点を取ってくれる一方で、通常運転ではちゃんと全員でボールを動かせていた。八村という強烈な個を足したのに、今までのチームの良さまで消えていない。
むしろ相手からしたら最悪です。
普通に守っていてもボールが動く。
少し崩れたら河村が判断する。
中にはホーキンソンがいる。
外には富永や西田がいる。
そしてどうにもならなくなったら八村。
いや、どう守るんこれ笑
河村4得点でも全然気にならなかった
河村は4得点でした。
数字だけ見たら、あれ?と思う人もいるかもしれません。でも9アシスト。試合後も本人は、簡単な試合ではなかった中でディフェンスで耐えて100点ゲームにできたことを評価していました。
今日の河村を見ていて思ったのは、代表では別に20点取らなくてもいいんですよね。
八村がいる。ホーキンソンもいる。富永もいる。西田も打てる。だったら河村が毎回フィニッシュまで行く必要はありません。相手のディフェンスを動かして、一番楽なところへボールを届ければいい。
もちろん河村自身がスリーを高確率で決められればさらに怖いです。でも今日みたいに得点が少なくても試合をコントロールできるなら、それはそれでかなり良い。NBAでもそうですが、ポイントガードって自分が点を取らなくても試合を支配できますからね。
個人的には八村29点と同じくらい、この河村の4点9アシストは結構好きでした。
ホーキンソン21点、これが普通にデカい
そしてホーキンソン。
21得点。
八村が29点取って、さらにホーキンソンが21点。ここがかなり強いです。富永も14点取っているので、八村以外にも普通に得点源がいる。
ホーキンソンって日本代表ではずっと重要な選手ですが、八村と一緒に出ることで少し役割も楽になる気がします。今まではリバウンドを取って、身体を張って、外も打って、中でも点を取ってと本当に何でもやっていました。そこに八村が入れば、相手の一番強いフォワードやビッグマンへの対応も分担できますし、オフェンスでも全部を背負う必要がない。
しかも今日の日本は2P成功率72.2%、3P36.6%、フリースロー100%。FG全体でも53%でした。もちろん相手との力関係はありますが、かなり効率よく点を取れています。
八村だけが無双して100点を超えたわけではない。
ここはかなり良かったです。
一番好きだったのはトランジション
今日の日本、走るとめちゃくちゃ強かったですね。
サウジのミスから河村が一気に運ぶ。八村が走る。馬場も走る。ホーキンソンまで走る。そこに富永が外でついてくる。
Basket Countによると、日本は速攻から29得点。八村の個を生かしながらトランジションオフェンスが機能していたとされています。
これ、今の日本代表の強みとしてかなり分かりやすいと思います。
ハーフコートでサイズのある相手と毎回5対5をやるより、河村が早く運んで八村や馬場を走らせた方が絶対に怖い。八村なんて203cmのNBAフォワードが全速力でリングへ走ってくるわけですから、アジアのチームからしたらたまったもんじゃない笑
しかも速攻を警戒して戻れば、今度は外に富永や西田がいる。
日本が世界と戦うなら、このスピードは絶対に捨てない方がいいと思います。
桶谷ジャパン、思ったより早く形になってない?
そして今回から本格的に見ていきたいのが桶谷大HCの日本代表です。
トム・ホーバス体制が終わって、当然スタイルも少しずつ変わっていくと思います。八村自身も桶谷HCについて、世界のレベルで教えてくれるという評価をしていて、練習も1時間ほどながら強度はかなり高いようです。
今日の試合だけで何かを断定するのは早いです。
相手はFIBAランキング65位のサウジアラビア。日本は22位ですし、八村と河村までいる。勝って当然と言われても仕方ない相手ではあります。
でも、だからこそ変に苦戦しなかったのは良かった。
こういう試合で八村が40分近く出て、最後まで1on1を続けてようやく勝つ、みたいな内容だったら結構心配になります。でも実際は第3Q終了時点で38点差。主力を必要以上に酷使せず、富樫や他のメンバーまで使いながら終われました。
桶谷HCも試合後、八村の個人での得点とチームとしてボールが回った得点の両方が見られたことを評価しています。
これが今後も続くならかなり面白いです。
ただ、第4Qはちょっとだけ気になる
第3Q終了時点で90-52。
そこから最終Qは16-26でした。
まあ38点差なので、ここを本気で問題視する必要はないと思います笑。主力を下げてローテーションも変わっていますし、ゲームとしてほぼ終わっていました。
ただ、ワールドカップ本戦で同じことが起きると話は別です。
世界の強豪相手なら10点差なんて数分でなくなります。今日の試合でもサウジに外を決められたり、序盤にセカンドチャンスを与えたりする時間はありました。
八村と河村がいると攻撃力は間違いなく上がります。でも日本が世界で勝つためには、結局ディフェンスとリバウンドを40分続けられるか。八村自身も大会前にルーズボールとリバウンドの重要性を話していました。
ここはカタール戦以降も見たいですね。
それにしても八村はやっぱり別格だった
まあいろいろ書きましたが、結局今日一番印象に残ったのはこれです。
八村、強すぎ笑。
29点取ったからというより、29点の取り方が簡単そうに見えたのがヤバい。
ミドルを打つ。
入る。
スリーを打つ。
入る。
走る。
ダンク。
カットする。
レイアップ。
守備ではブロック。
これが全部普通に出てくる。
FIBA公式も今回を八村の代表復帰戦として取り上げ、ほぼ完璧な復帰だったと評価しています。11/13という数字だけ見てもその通りです。
そして何より、日本代表に八村が入るのはパリ五輪以来約2年ぶりの公式戦でした。久しぶりに代表で見て改めて思いましたが、やっぱりこの選手がいるかいないかで日本の天井は全然違います。
河村がゲームを作って、八村が圧倒的な個で点を取る。
そこにホーキンソン、富永、西田、馬場。
普通にワクワクするメンバーになってきました。
次のカタール戦は何を見る?
次戦は8月31日、TOYOTA ARENA TOKYOでカタール代表とのホームゲームです。
サウジ戦は勝つことが最優先でしたが、次はもう少し細かいところを見たいです。八村と河村の2メンゲームをどれくらい使うのか。八村とホーキンソンを並べた時のスペーシングはどうするのか。富永をどうやってフリーにするのか。そして八村がベンチにいる時間に誰がオフェンスを作るのか。
今日の106点はかなり気持ち良かった。
でもこのチームの面白いところは、まだ完成している感じが全然しないことなんですよね。
八村は代表に戻ったばかり。
河村とのコンビもこれから。
桶谷HCのバスケも始まったばかり。
それでアウェーのサウジに106-78。
だったらもうちょっと期待してもいいんじゃないでしょうか。
まずはWindow4を2連勝で終えること。
そしてその先で、今の日本代表がアジアではなく世界相手にどこまでやれるのか。


