アメン・トンプソンが、とんでもない契約を手にしました。
ヒューストン・ロケッツと5年総額2億800万ドルの契約延長で合意。さらに10%のトレードキッカーも付いていて、新しい契約は現在のルーキー契約が終了する2027年夏からスタートします。
5年2億800万ドル。
日本円にすると300億円前後です。
いやー、NBAの契約金額はもうよく分からん。笑
ただ、今回のニュースを見て僕が最初に思ったのは、
「アメンって、もう2億ドルもらうレベルの選手なの?」
ということでした。
昨季は18.3得点。素晴らしい選手なのは間違いありませんが、まだオールスターに選ばれたことはありません。
そして何より、昨季の3P成功率は……
21.6%。
現代NBAでガードをやる選手としては、なかなか強烈な数字です。
それなのに5年2億800万ドル。
高すぎるようにも見えます。
でも、アメンという選手を改めて見ていくと、これが単純な「払いすぎ」とも言えないんですよね。
むしろ数年後、
「ロケッツ、安いうちに契約したな」
と言われている可能性すらあると思います。
まず5年2億800万ドルって、どれくらい高いの?
今回の契約は5年2億800万ドルなので、単純計算すると年平均は約4160万ドル。
十分とんでもない金額です。
ただし、ここで一つ重要なのが、
これ、MAX契約ではありません。
アメンは5年約2億5200万ドルのMAX契約を結べる状況だったと報じられており、今回の契約はそこから約4400万ドルも低い金額です。
2億800万ドルと聞いた瞬間は、
「たっか!」
となるんですが、
2億5200万ドルと比べると、
「あれ?意外と安い?」
となる。
NBAの金銭感覚、完全に壊れてますね。笑
もちろん4400万ドル安いと言っても、とんでもない契約であることには変わりありません。
それでもロケッツからすると、今後さらに価値が上がる可能性のある23歳の選手をMAXよりかなり低い金額で長期確保できた、と考えることもできます。
でも、3P成功率21.6%なんですが。笑
とはいえ、どうしても気になる数字があります。
昨季のアメンは79試合すべてに先発し、
18.3得点
7.8リバウンド
5.3アシスト
1.5スティール
を記録。
FG成功率も53.4%とかなり優秀です。
ここだけ見ると、23歳としてはめちゃくちゃ良い。
問題は、
3P成功率21.6%。
しかも1試合の3P試投数は1.5本なので、そもそも積極的に打っているわけでもありません。
現代NBAでは、ガードやウイングがアウトサイドを打てないとかなり苦しくなります。
相手は外まで守らなくていい。
ペイントを固められる。
味方のドライブスペースも狭くなる。
プレーオフになれば、そこを徹底的に狙われます。
だから普通なら、
「3PがないからMAX級にはなれない」
となりそうなんですが、アメンの場合はちょっと違います。
アメンは「シュートがない選手」じゃなくて「シュート“だけ”がない選手」
ここが今回の記事で一番言いたいところです。
アメン・トンプソンにはアウトサイドシュートがありません。
でも逆に言うと、
それ以外がめちゃくちゃ揃っています。
身長は6フィート7インチ、約201cm。
そのサイズでガードをこなしながら、とんでもない身体能力でリングへアタックできる。
リバウンドも取れる。
パスもできる。
トランジションではめちゃくちゃ速い。
そして何より、守備が凄い。
アメンは2年目の2024-25シーズンにオールディフェンシブ1stチームに選ばれています。
201cmのサイズと身体能力があるので、相手のガードについていけるだけでなく、より大きなウイングにも対応できます。
だから、
「シュートがないから使えない」
ではなく、
「シュートがないのに、これだけ使える」
という方が正しいんですよね。
そして昨季、普通にポイントガードになりました
個人的にアメンの評価を一段上げるべきだと思うのが、ここです。
昨季は79試合すべてに先発し、平均5.3アシストまで数字を伸ばしました。
さらにロケッツではフレッド・ヴァンブリートの負傷もあり、アメンがポイントガードとして担う役割が増加。地元紙も、PGとしてプレーメイク面で大きく成長した点を評価しています。
201cm。
超人的な身体能力。
オールディフェンシブ1stチーム級の守備。
7.8リバウンド。
5.3アシスト。
そしてボールまで運べる。
こうやって並べると、
「そりゃ高いわ」
となってきます。
僕も最初は「2億ドル!?」と思っていましたが、ここまで調べるとだいぶ印象が変わりました。笑
しかもまだ23歳
そして一番怖いのがこれです。
アメン・トンプソンはまだ23歳。
2023年のドラフト4位でNBA入りして、まだ3シーズンしかプレーしていません。
1年目は9.5得点。
2年目は14.1得点。
3年目は18.3得点。
アシストも2.6→3.8→5.3と増えています。
ちゃんと毎年成長しているんですよね。
一方で3Pはまだ21.6%。
普通なら完全な弱点です。
ただ、見方を変えると、
一番分かりやすい伸びしろがまだ残っている。
とも言えます。
もしアメンにスリーが付いたらどうなる?
ここからは完全に妄想です。
でも、めちゃくちゃ面白い妄想です。
もしアメンが今後3P成功率を35%くらいまで伸ばしたらどうなるでしょうか。
201cmの大型PG。
エリートディフェンダー。
リングまで行ける身体能力。
リバウンドも取れる。
プレーメイクもできる。
そこに、
「放置できない程度の3P」
まで付いてくる。
……普通にヤバくないですか?
別にステフィン・カリーになる必要はありません。
40%で決める必要もない。
相手が、
「まあアメンは外に置いておけばいいか」
と守れなくなるだけで、ドライブへの対応も変わります。
そして、もしそこまで成長したときに5年2億800万ドルという契約を見たら、
「ロケッツ、めちゃくちゃ安く契約したな」
となっている可能性があります。
ロケッツが上手いのは「MAXを払わない」ところ
今回の契約でもう一つ面白いのが、ロケッツのチーム作りです。
アメンだけではなく、ロケッツはアルペレン・シェングン、ジャバリ・スミスJr.、タリ・イーソンといった若手コアをすでに複数年契約で確保しています。
その中でアメンにもMAXをそのまま渡すのではなく、5年2億800万ドルでまとめた。
CBS Sportsによれば、MAXとの差は約4400万ドル。シェングンの延長時と同じように、若手スターを確保しながらチームの柔軟性も残す形になっています。
これ結構大事ですよね。
若手が伸びてくると、
「全員残したい!」
となる。
でも全員にMAXを払っていたら、今のNBAではすぐに身動きが取れなくなります。
だから、
選手には大型契約を渡す。でもMAXまでは出さない。
このラインで若手と合意できているのは、ロケッツにとってかなり大きいと思います。
5年2億800万ドル、高い?安い?
最初にこのニュースを見たとき、
「3P成功率21.6%の選手に2億ドル!?」
と思いました。
たぶん数字だけ見れば、同じ感想を持つ人もいると思います。
でも改めてアメン・トンプソンという選手を見ると、少し印象が変わりました。
昨季18.3得点、7.8リバウンド、5.3アシスト。
201cmのサイズでポイントガードができて、すでにオールディフェンシブ1stチームにも選ばれている。
そして、まだ23歳。
もちろんシュートは大きな課題です。
むしろ3P21.6%は「課題」という言葉では優しすぎるくらいかもしれません。笑
それでも、
「シュートがない選手」ではなく、「シュート“だけ”がない選手」。
僕は今のアメンをそう見る方がしっくりきます。
そしてそのシュートが少しでも改善したら、5年2億800万ドルという契約は一気に安く見えるかもしれません。
ロケッツとしては、
「その時にMAX払うくらいなら、今サインしてくれ!」
という契約だったのかもしれませんね。


