エイメン・トンプソン、ロケッツと5年2億800万ドルで契約延長 マックスを蹴った23歳の決断

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ロケッツがまた一つ、将来の骨格を固めてきましたね。2026年9月3日、エイメン・トンプソンがヒューストン・ロケッツと5年・総額2億800万ドルのルーキースケール契約延長に合意したと報じられました。ESPNのシャムズ・シャラニア記者が速報し、NBA.comも球団側のコメントとともにこれを伝えています。年数を割った平均年俸は約4,160万ドルということになりますが、これは各媒体が単純に総額を5で割っただけの数字で、年度ごとにどう配分されるか(いわゆるバックロード)までは今のところどこにも出ていません。この辺りは今後、実際の支払いスケジュールが明らかになってから改めて見てみたいところです。

契約の中身をおさらい

契約条件については複数の有力メディアの報道が揃っているので、ここは安心して書けます。5年契約で総額2億800万ドル、10%のトレードキッカー付き、契約は2032年まで。ドラフト時点から数えると、まさにロケッツの中心選手としてこの先も見ていくことになるわけです。トレードキッカーが付いているというのは、球団側がそれだけ本気で引き止めたい選手だと見ている証拠でもありますし、逆に言えば「将来トレードで動かすとしても簡単には動かせない」条件を選手側が握っているということでもあります。

個人的に一番注目したいのは、トンプソンが25%マックス契約(5年で約2億5,200万ドル)の資格を持っていたにもかかわらず、それより低い金額でサインしたという点です。CBS Sports、Bleacher Report、Yahoo Sportsなど複数の媒体がこの点を報じていて、これはロケッツにとってかなり大きな意味を持ちます。マックスより低い金額で若手コアを抑えられれば、その分だけ将来の補強やラグジュアリータックス回避に回せる余地が生まれるからです。実はこれ、今季ケビン・デュラントがロケッツと2年9,000万ドルの延長にサインした際にも似たような構図がありました。デュラントもマックス契約(2年1億2,000万ドル)の資格がありながら、それより約3,000万ドル低い金額で合意しています。ロケッツの主力がこうして揃って「マックスより少し低い額」でサインしてくるのは、単なる偶然ではなく、チームとしての編成方針がある程度見えてくる気がします。

OTE出身、双子で上位指名という異色の経歴

トンプソンは2023年のNBAドラフトで全体4位、ロケッツに指名された選手です。ドラフト前は大学やヨーロッパのリーグを経由せず、Overtime Elite(OTE)でプレーしていたという、当時としてはかなり珍しいルートを通ってきています。さらに面白いのが、双子の弟アウサー・トンプソンが同じドラフトの全体5位でデトロイト・ピストンズに指名されたことです。同一ドラフトの上位10位以内で双子の兄弟が同時に指名されたのは史上初めてとされていて、この時点でかなり話題になったのを覚えている方も多いと思います。

正直、ドラフト当時はOTE出身ということもあって「将来性はあるけど、どこまで通用するか未知数」という見方も少なくなかったと思います。ただ蓋を開けてみれば、23歳にしてこの契約を勝ち取るところまで来たわけで、あのときの評価を覆しつつあるというのは素直にすごいことだと思います。

2025-26シーズンはキャリアハイ尽くし

契約延長の背景には、当然2025-26シーズンの活躍があります。NBA.comの記事によれば、トンプソンは平均18.3得点、7.8リバウンド、5.3アシスト、1.51スティールを記録していて、得点・アシスト・スティールはいずれもキャリアハイです。出場時間は平均37.4分でNBA全体トップ、79試合すべてに先発出場しています。ESPNの記事ではスティール数がリーグ8位、ルーズボール奪取数がリーグ4位だったとも触れられていて、ディフェンス面での貢献度の高さがよく分かる数字です。2024-25シーズンにはNBAオール・ディフェンシブファーストチームにも選出されていますから、攻守両面で数字を積み上げてきたシーズンだったと言えます。

出場時間リーグ最多というのはなかなか地味に見えて実はすごい記録で、それだけ監督から信頼されていて、かつ怪我なく試合に出続けられたということでもあります。得点・アシスト・スティールが軒並みキャリアハイというのも、単に出場時間が伸びただけでなく、プレーの質そのものが上がっている証拠だと思います。

ロケッツのロスター事情とサラリーキャップの話

ロケッツは今回のトンプソン延長以外にも、若手コアの契約を着々と固めてきています。アルペレン・シェングンは5年1億8,500万ドル、ジャバリ・スミス・ジュニアは5年1億2,200万ドル、タリ・イーソンは5年8,150万ドルで、それぞれ既に延長契約を結んでいます(ジャレン・グリーンは既にロケッツを離れ、サンズで3年1億500万ドルの契約を結んでいます)。CBS Sportsの分析では、シェングンとトンプソンの2人だけで今後チームのサラリーキャップの約43%を占めることになるとされていて、3ポイントを主武器としない2人にここまでの割合を割くのは「現代NBAの編成トレンドとしては一般的ではない」との指摘もありました。個人的にはこの評価、わりと的を射ていると思っていて、スモールボール・3ポイント全盛の今のリーグで、ドライブとディフェンスが持ち味の2人にここまで賭けるのは、ロケッツなりの逆張り戦略だと見ています。

ちなみに今回の延長契約は、現行のルーキースケール契約が終わる2027年夏から発効するとされていますが、これはHoops Rumors等の報道に基づくもので、ESPNやNBA.comの本記事そのものでは明記が確認できていません。2026-27シーズン、つまり新契約が始まる前の1年についてはトンプソンはまだ現行契約下でのプレーになりますが、この年俸については媒体によって1,230万ドル、1,220万ドルと若干の差があり、1,200万ドル台というくらいの理解にとどめておくのが正確だと思います。サラリーキャップやエイプロンへの具体的な影響額についても一部報道で試算が出ていますが、一次ソースの記事本文では直接確認できていない数字なので、ここでは深入りせず「今後のオフシーズンの動き次第で見えてくる部分」としておきます。

なお、ロケッツは今オフ、フレッド・ヴァンヴリートが右膝の前十字靱帯を負傷し2025-26シーズンを全休するという大きな誤算もありました。ヴァンヴリートは2026-27シーズンのプレイヤーオプション(約2,500万ドル)を行使する決断をしていて、復帰を目指している状況です。ガード陣の主力が丸々1年離脱していたことを考えると、そのぶんトンプソンがボールを持つ時間も自然と増えていたはずで、今回の飛躍にはそうした巡り合わせも少なからず影響していたのではないかと思います。

まとめ

今回の延長は、金額のインパクトもさることながら、トンプソンがマックスより低い金額でサインしたという点にロケッツというチームの編成の方向性が透けて見える契約だと思います。デュラント、シェングン、スミスJr.、イーソン、そして今回のトンプソンと、若手からベテランまで軒並み「割安」でまとめてきているあたり、フロントオフィスはかなり計算高く動いていると感じます。OTE出身、双子での上位指名という異色のバックグラウンドを持つ選手が、23歳でこれだけの契約を勝ち取ったというのは素直に称えたいですし、2032年までロケッツでプレーする姿を見られるというのは、いちファンとしても楽しみです。来シーズン以降、この若いコアがどこまでチームを押し上げていくのか、引き続き注目していきたいと思います。

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