100日後に戦術マスターになるNBAファンへの道 – 4日目- NBAのペース&スペースとは?現代バスケットボールの核心を理解する

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はじめに

NBAの試合で耳にする「ペース&スペース」という言葉。現代のバスケットボールでは、この戦術哲学がチームの成功に欠かせない要素となっています。
でも、こんな疑問を持ったことはありませんか?

  • 「ペース&スペースって具体的に何を指しているの?」
  • 「なぜこれが現代NBAの主流になったの?」
  • 「どんなチームがこの戦術を使っているの?」

今回は「ペース&スペース」の基本を解説するとともに、NBAでの具体的な実例をたっぷり紹介します。これを理解すれば、現代NBAの戦術トレンドが鮮明に見えるようになります!

 

 

ペース&スペースとは?

「ペース&スペース」とは、「速い試合展開(ペース)」と「コート全体を活用する配置(スペース)」を組み合わせた戦術哲学です。
この考え方は、特に3ポイントシュートが重要視されるようになった近年のNBAで広まりました。

 

「ペース」とは?

  • チームがどれだけ速いテンポで試合を進めるかを指します。
  • トランジション(速攻)を重視し、速い段階で得点を狙うスタイルが特徴です。

 

「スペース」とは?

  • コート全体を広く使うことで、オフェンスの選択肢を増やします。
  • 特に3ポイントライン外にシューターを配置し、ディフェンスを分散させることが基本です。

 

 

NBAでのペース&スペースの進化

ペース&スペースは、NBAの歴史の中で徐々に進化してきました。

1. 昔ながらのスタイル(1980年代まで)

  • オフェンスはペイントエリア(リング付近)を中心に展開され、ビッグマンが主役でした。
  • コート全体を広く使う発想はあまりなく、試合のペースも比較的遅め。

2. スリーポイントの台頭(2000年代)

  • スティーブ・ナッシュが率いたフェニックス・サンズの「7秒オフェンス」は、ペース&スペースの原型です。
  • シューターを3ポイントライン外に配置し、リング付近と外周を同時に攻める戦術が注目されました。

3. 現代NBA(2010年代以降)

  • ゴールデンステート・ウォリアーズの「スモールボール」は、ペース&スペースの完成形といえます。
  • ステフィン・カリーやクレイ・トンプソンのようなシューターを活用し、速い展開と広いスペースを組み合わせた攻撃スタイルが主流に。

 

ペース&スペースのメリット

  • 1. ディフェンスの負担を増やす
    素早い攻撃展開により、相手のディフェンスを整える時間を与えません。
  • 2. シュート効率を高める
    コート全体を広く使うことで、オープンショット(ディフェンダーがいない状態)を作りやすくなります。
  • 3. スペーシングがドライブを助ける
    広いスペースがあれば、ドライブ(リングへの突進)が成功しやすくなります。

 

 

NBAでのペース&スペースの実例

1. フェニックス・サンズ(2004〜2008年)

  • 戦術の特徴:
    スティーブ・ナッシュが指揮する「7秒オフェンス」は、ペース&スペースの先駆け。ポゼッションの最初の7秒以内にシュートを狙うというテンポ重視のスタイルでした。
  • 具体例:
    アマレ・スタウダマイアーがピック&ロールでスペースを作り、ナッシュが素早くパスを通す。その間にショーン・マリオンがコーナーで3ポイントを狙うなど、全員が役割を理解していました。

 

2. ゴールデンステート・ウォリアーズ(2015年以降)

  • 戦術の特徴:
    ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンのスプラッシュブラザーズを中心に、3ポイントラインをフル活用。速いテンポでパスを回し、ディフェンスの対応を遅らせます。
  • 具体例:
    「カリー・グラビティ」と呼ばれるカリーへのディフェンス集中を逆手に取り、ドレイモンド・グリーンがフリーマン(ディフェンダーがつかない状態)としてプレイメーカーになる場面がよく見られました。

 

3. ヒューストン・ロケッツ(2017〜2020年)

  • 戦術の特徴:
    ジェームズ・ハーデンを中心とした「アイソレーション(個人技)×スペーシング」戦術。ペースよりも、スペーシングを極限まで追求したスタイルです。
  • 具体例:
    ハーデンがボールを保持し、他の選手が3ポイントライン外で待機。ハーデンがディフェンスを引きつけ、オープンな選手にパスを回す場面が多く見られました。

 

4. ミルウォーキー・バックス(2021年優勝)

  • 戦術の特徴:
    ヤニス・アデトクンボのドライブを活かすため、3ポイントシューターをリング外に配置。ヤニスがスペースを使ってリングへアタック。
  • 具体例:
    2021年のプレイオフでは、ヤニスのドライブを止めるためにディフェンスが収縮した瞬間に、コーナーにいたPJ・タッカーが正確な3ポイントを決めるシーンが多発。

 

 

ペース&スペースの弱点

ペース&スペースには、以下のような課題もあります:

  1. アウトサイドシュートの成功率に依存
    シューターが不調だと、スペーシングの効果が薄れます。
  2. トランジションディフェンスのリスク
    速い展開を求めるあまり、攻撃失敗後の守備が手薄になることがあります。
  3. フィジカルプレイに弱い
    プレイオフのように守備がタイトになる場面では、ペース&スペースが十分に機能しないことも。

 

 

今日の宿題

タスク1: 試合観戦でペース&スペースを観察する

  • チームが速攻を仕掛けた場面と、コート全体を広く使った場面を記録してみましょう。
  • シューターがどの位置に配置されているかもメモを取ってみてください。

タスク2: おすすめ試合を観る

  • 2017年のウォリアーズ vs キャブス(NBAファイナル)
  • 2006年のサンズ vs マーベリックス(カンファレンスファイナル) これらの試合を視聴し、ペース&スペースの効果を体感してみてください!

 

次回予告

次回は「トランジションオフェンスを攻略!速攻を成功させる鍵はここだ」と題し、速い試合展開を制するための戦術に迫ります。

お楽しみに!

 

 

おわりに

ペース&スペースは、現代バスケットボールを理解する上で欠かせない戦術哲学です。これを意識して試合を観ることで、選手たちがどのようにスペースを使い、どれだけ速く攻めているかが見えてきます。

ぜひ次の試合から新たな視点で観戦してみてください!

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