【1人でNBAを制した男たち】得点王・MVP・ファイナルMVPの三冠を手にした伝説

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NBAにおける個人賞は、選手の卓越したパフォーマンスを称える証だ。中でも「得点王」「レギュラーシーズンMVP」「ファイナルMVP」は、それぞれが選手としての“頂点”を示す称号であり、それらを同一シーズンにすべて獲得するというのは、まさに歴史に残る偉業である。

この奇跡的な「三冠」を達成した選手は、NBAの長い歴史の中でもほんの一握り。この記事では、そんな伝説的プレイヤーたちの軌跡を辿り、彼らの成し遂げた偉業の意味と、現代NBAにおける挑戦者たちの姿を深掘りしていく。

 

 

「得点王」「MVP」「ファイナルMVP」——この三冠は、単にスタッツを稼いだだけでは到達できない。チームを勝利に導くリーダーシップ、勝負所での冷静さ、そして全シリーズを通して輝き続ける“真の支配力”が求められる。

マイケル・ジョーダンやシャキール・オニールのような伝説級の選手たちが成し遂げたこの偉業に、今後誰が名を連ねるのか。シャイ・ギルジアス=アレクサンダーのような新世代のスターたちが新たな歴史を築く瞬間を、私たちはリアルタイムで見届けることになるかもしれない。

NBAの歴史は、常に“偉業”によって更新されていく——次なるレジェンドは、すでにその第一歩を踏み出している。

「三冠」とは何か

ここで言う三冠は、同じシーズンに「得点王」「シーズンMVP」「ファイナルMVP」を全部取ることです。

ひとつずつでも十分すごいのですが、同時に取るとなると話が変わります。得点王はリーグで一番点を取る選手、MVPはリーグで一番価値のある選手、ファイナルMVPは最後の舞台で一番活躍した選手。個人の数字・シーズン通しての評価・優勝、この3つを1人で成立させるということです。

NBAの長い歴史で、これを達成したのはたった4人しかいません。

達成した4人

選手 シーズン チーム 得点
カリーム・アブドゥル=ジャバー 1970-71 バックス 31.7
マイケル・ジョーダン 1990-91 ブルズ 31.5
マイケル・ジョーダン 1991-92 ブルズ 30.1
マイケル・ジョーダン 1995-96 ブルズ 30.4
マイケル・ジョーダン 1997-98 ブルズ 28.7
シャキール・オニール 1999-00 レイカーズ 29.7
シェイ・ギルジャス=アレクサンダー 2024-25 サンダー 32.7

4人で計7回。そのうち4回がジョーダンです。この時点でもう普通ではないですね。

カリーム・アブドゥル=ジャバー(1970-71)

最初の達成者です。当時の名前はルー・アルシンダー。平均31.7得点で得点王を獲り、バックスを66勝16敗へ導いてMVP。ファイナルではブレッツを4勝0敗で一蹴し、ファイナルMVPも手にしました。NBA3年目での達成です。

マイケル・ジョーダン(1991・1992・1996・1998)

ジョーダンは得点王を通算10回獲っていますが、そのうち4回でMVPとファイナルMVPも同時に取りました。

面白いのは、取れなかった年もあることです。1993年は得点王(32.6)とファイナルMVPを獲りましたが、シーズンMVPはチャールズ・バークリー。1997年も得点王とファイナルMVPを獲りながら、MVPはカール・マローンでした。6回優勝してファイナルMVPも6回獲っているのに、三冠は4回。それくらい3つ揃えるのは難しいということです。

シャキール・オニール(1999-00)

平均29.7得点で得点王、レイカーズを67勝15敗に導いてMVP、そしてファイナルMVP。カリーム以来29年ぶり、センターとしては2人目の達成でした。この年のシャックは、そもそも止められる選手がいませんでした。

シェイ・ギルジャス=アレクサンダー(2024-25)

そして2025年、SGAが史上4人目として加わりました。平均32.7得点で自身初の得点王、MVP、そしてサンダーを優勝へ導いてファイナルMVP。シャック以来25年ぶりです。

個人的には、この達成がリアルタイムで見られたのは結構な事件だったと思っています。なにせ前回が2000年ですから。

なぜここまで難しいのか

理由ははっきりしていて、3つの賞が求めるものが微妙に違うからです。

  • 得点王は純粋な個人の数字。チームが弱くても取れます
  • MVPはチーム成績が強く影響します。点を取るだけでは足りません
  • ファイナルMVPは、そもそも優勝しないと対象になりません

「点を取りまくる選手がいるチームは勝てない」と言われがちなのも、ここに関係します。1人がボールを持つ時間が長いほど、チーム全体の効率は落ちやすい。それでも勝ち切って、最後の舞台でも中心であり続ける。だから7回しか起きていないわけです。

ちなみに得点王とMVPの2つだけなら、もう少し例があります。ボブ・マカドゥー(1975)のように、取ったけれど優勝には届かなかったケースですね。最後のピースが優勝だというのが、この記録のいちばんの壁です。

現代はさらに難しくなっている

SGAの達成が25年ぶりだったのには、理由があります。

ひとつは戦力の分散です。1人のスターが40分出ずっぱりで点を取りまくる時代ではなくなり、出場時間の管理が当たり前になりました。得点王の平均得点自体は上がっていますが、そのぶん負担も偏ります。

もうひとつが個人賞の出場試合条件です。2023-24シーズンから、MVPをはじめとする主要な個人賞は、原則として65試合以上の出場が受賞の条件になりました。休ませながらシーズンを戦う設計と、賞を獲るための出場数が、正面からぶつかります。

得点王を狙うなら点を取り続けなければならない。MVPを狙うなら65試合出て、しかもチームを勝たせなければならない。そのうえでプレーオフを勝ち抜いて、ファイナルでも中心でいる。改めて並べると、なかなか無茶な要求だと思います。

まとめ

  • 同一シーズンの得点王・MVP・ファイナルMVPは、史上4人・計7回だけ
  • カリーム(1971)、ジョーダン(1991・1992・1996・1998)、シャック(2000)、SGA(2025)
  • ジョーダンですら6回の優勝のうち4回しか揃えられていない
  • 3つの賞が求めるものが違うため、同時達成が極端に難しい

それぞれの賞を単体で見たい方は、NBA歴代得点王ランキングとNBA歴代MVP最多受賞ランキングもどうぞ。どちらも上位の顔ぶれがここと重なります。

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