カリーの真似で3Pばかり打つ子へ。それ全然カリーじゃないと思う

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最近バスケをしていて、ちょっと気になることがあります。ボールをもらった瞬間にとりあえず3P。まだディフェンスが目の前にいるのに3P。味方がせっかくスペースを作ってドライブコースを空けているのに3P。外れたら戻らず、守備ではマークマンを見失う。でもまたボールが来たら3P。

いや、何のためにそのシュート打ってるん?笑

もちろん3Pを打つこと自体は全く悪いと思っていません。自分もNBAをずっと見ていますし、ステフィン・カリーがロゴ付近から決めたら普通にテンション上がります。あんなの見たら子どもが真似したくなるのも当然です。自分だってバスケしてたら一回くらいあそこから打ちたくなります笑。

でも最近ちょっと思うんですよね。

カリーの真似をしているつもりで、カリーの一番表面的な部分だけ真似していないか。

カリーって、遠くから3Pを打つ選手じゃないんですよ。

そこだけ見たら、カリーの凄さの半分も見えていないと思います。

カリーの3PがNBAを変えたのは間違いない

カリーの影響でNBAのバスケが変わったというのは、もう否定できないでしょう。NBA通算3P成功数で歴代1位になり、2025年には史上初めて4,000本へ到達しました。NBA公式の記事でも、スティーブ・カーがカリーの記録達成時に、リーグ全体の3P増加そのものがカリーの影響を表しているという趣旨の話をしています。

昔なら速攻でリングまで行く場面でも、今は外へキックアウトして3P。ピック&ロールでビッグマンが下がれば、その場でプルアップ3P。さらにカリーやリラードみたいな選手は普通の3Pラインより何歩も後ろから打ってくる。

そりゃ子どもも真似します。

遠くから決めた方がかっこいいですからね。

普通のレイアップよりロゴ3Pの方がTikTokやInstagramにも載せたくなるでしょうし、友達とバスケしていても盛り上がる。ここまではめちゃくちゃ分かります。

ただカリー本人は、あの距離からシュートを投げているだけの選手ではありません。むしろ試合を見れば見るほど、3P以外の部分の方が異常なんじゃないかと思うくらいです。

カリーを真似するならパスした後を見てほしい

カリーを見ていて一番真似してほしいのは、個人的にはここです。

ボールを離した後。

パスする。

普通ならその場に立つ。

でもカリーは走る。

スクリーンを使う。逆サイドへ移動する。一度ゴール方向へカットして、また外へ出てくる。味方にスクリーンをかけることすらある。そしてディフェンスが少しでも目を離した瞬間、またボールを受けてシュート。

NBA公式がカリーのオフザボールムーブを取り上げた映像では、なんと一つのポゼッションだけで192.7フィート動いたプレーまで紹介されています。約59メートルです。1回の攻撃でですよ笑。

これがカリーです。

3Pラインの3メートル後ろでボールを要求して、ボールが来たら打つ人じゃない。

ずっと動いてる。

しかも適当に走り回っているわけではありません。ディフェンスがどう守っているか、味方のスクリーンがどこにあるか、ドレイモンドがどこでボールを持っているかを見ながら動いている。

カリーが動けばディフェンダーもついていく。場合によっては2人ついていく。

するとリング下が空く。

その瞬間、カリー本人がシュートを打っていなくてもウォリアーズのオフェンスは成功しています。

NBA公式も過去のファイナル分析で、カリーに集まるディフェンスの注意そのものが味方のレイアップやダンクを生み出していることを取り上げています。

こういうところまで含めてカリーなんですよね。

ボールを持った瞬間に打つだけなら、むしろ真逆じゃない?

だから最近よく見る、ボールが来た瞬間にとりあえず3Pというプレーを見ると少し気になります。

もちろんオープンなら打てばいい。

そこは全然問題ないです。

問題は、そのシュートが本当にチームにとって良いシュートなのかを考えているか。

例えば味方がピックを使ってディフェンスを2人引きつけた。自分のところへボールが来た。でも相手はすでにクローズアウトしている。その横にはガラ空きのドライブレーンがある。

そこで一歩横へ動いたり、ドライブしたり、もう一度エクストラパスを出した方が簡単なシュートになるかもしれない。

でも何も考えずにそのまま3P。

それはカリーだから打っているんじゃなくて、ただ3Pを打ちたいだけじゃない?と思うんですよね。

シュートセレクションもバスケIQです。

遠くから打てることと、遠くから打つべきことは全然違う。

ここを一緒にしてほしくないです。

せっかくスペース空けてるのに、そこ入ってくるんかい笑

自分が実際にバスケをしていて結構感じるのがスペーシングです。

例えばボールマンが右からドライブしようとしている。だったら周りはコーナーやウイングへ広がって、できるだけペイントを空けたい。

なのに何も考えずドライブコースに立っている。

あるいはこっちがディフェンスを引っ張ってスペースを空けたのに、なぜかそこへカットしてくる。

いや今そこ来たら俺のディフェンダーとお前のディフェンダー2人いるやん笑。

これ地味なんですけど、めちゃくちゃ大事だと思うんですよね。

バスケIQが高いというと、ノールックパスを出すとか、難しいプレーをすることだと思われがちです。でも自分はもっと単純だと思っています。

今、自分がどこにいたら味方が一番プレーしやすいか。

これを分かっている選手ってめちゃくちゃ助かります。

ボールを持っていなくてもコーナーに立っているだけでスペースを作れる。逆にディフェンダーがヘルプへ行った瞬間だけカットする。味方がドライブしたら少し位置を変えてパスコースを作る。

派手ではない。

スタッツにもほとんど残らない。

でもこういう選手がいるチームってめちゃくちゃバスケしやすいです。

そしてカリーはこの部分が異常に上手い。

だからカリーを真似したいなら、30フィートの3Pより先にこっちを見てほしいです。

3Pだけ打ってDFしないのも違う

あとこれ。

守備。

シュートが入るとめちゃくちゃ喜ぶ。

でも外れた瞬間、天井見ながら戻ってくる。

その間に相手は速攻。

これも結構あります笑。

別に全員がロックダウンディフェンダーになる必要はありません。カリー自身だってキャリアを通して相手から狙われることはありました。

でもNBAのコートに立っている以上、チームディフェンスは当然やっています。

戻る。

マークマンを見る。

ローテーションする。

リバウンドへ参加する。

スクリーンに対してチームの約束事通りに守る。

ここを全部やった上であのオフェンスがあります。

シュートだけ真似して、DFは知らんではカリーの真似にはならないと思います。

というか普通に一緒にバスケしてる側がしんどい笑。

5人でやるスポーツなので、自分のシュートが入れば仕事終了ではありません。

カリーって実はリング周りもめちゃくちゃ上手い

もう一つ忘れられがちなのが、カリーは3Pを止められたら終わる選手ではないということです。

NBA公式も以前、カリーがガードとして非常に高い確率でリング周辺のシュートを決めていることを取り上げています。ディフェンスが3Pラインまで出てくればドリブルで抜けるし、その後リング周辺でフィニッシュできる。だから相手は守りようがない。

ハンドリングも上手い。

フローターもある。

レイアップも左右で決める。

パスもできる。

そして何よりオフザボールで動ける。

その全部があるから、あのロング3Pが生きるんですよね。

なのに一番最後の3Pだけ取り出して真似する。

料理で言ったら完成したステーキの上のパセリだけ真似してるようなもんです笑。

そこじゃない。

身体ができてないのに無理やり遠くから打つ必要ある?

育成年代なら、もう一つ気になることがあります。

まだシュートを普通のフォームで3Pラインまで届かせる筋力がないのに、無理やり投げること。

腰を大きく落とす。

ボールを胸の前から押し出す。

身体を前に投げる。

それで3Pが届く。

確かに入れば3点です。

でもそのフォーム、本当に今後も使えるんでしょうか。

面白いことに、Jr. NBA自身もシュート指導で、最初はリングに近い距離から正しいフォームを身につけることを推奨していて、遠くから無理にシュートすることは悪いシュート習慣につながると説明しています。また練習メニューでも、3Pが無理なく打てない選手には位置を近づけてミドルレンジから打たせるよう案内しています。

NBAがやってる育成プログラムですらそう言ってるんですよね。

もちろん子どもの頃から3Pを練習するなという話ではありません。

全然練習すればいい。

でもフォームを壊してまでNBAと同じ距離を打つ必要はないと思います。

近くから綺麗に打つ。

入るようになったら少し下がる。

また入るようになったら下がる。

それでいい。

カリーだってある日起きたら突然ロゴから投げられるようになったわけではないですからね笑。

3Pを打つなと言いたいわけではない

ここまで書くと、3P嫌いのおじさんみたいになってきましたが、全然違います笑。

自分は3P好きです。

今のNBAも好きです。

カリーがバスケットボールを変えたことも素晴らしいと思っています。

だから3Pを減らすためにルールを変えろとも思いません。

選手たちが効率を考えて、3Pが有効だと分かって、そこを磨いた。

それもバスケットボールの進化です。

子どもたちだって3Pをどんどん練習すればいいと思います。

ただ、

何のためにその3Pを打っているのか。

ここだけは考えてほしい。

チームとして一番良いシュートだから打つのか。

相手が下がっているから打つのか。

味方がディフェンスを引きつけて完全にオープンになったから打つのか。

それとも単純に遠くから打った方がかっこいいから打つのか。

同じ3Pでも全然違います。

カリーのハイライトじゃなく、その10秒前を見てほしい

カリーの動画を見ると、どうしても最後のシュートに目が行きます。

スクリーンから出てくる。

ロゴ付近でボールを受ける。

ディフェンダーが必死に飛んでくる。

それでも決める。

そりゃかっこいいです。

でも次にウォリアーズの試合を見る時、一度だけボールを見ないでカリーだけを追ってみてほしいんですよね。

シュートを打つ10秒前から。

多分ずっと動いてます笑。

パスして、走って、スクリーンを使って、方向を変えて、ディフェンスを引っ張って、また走って、最後にボールが戻ってくる。

カリーが凄いのは、遠くからシュートを決めるからだけじゃない。

あのシュートを打てる状況を自分で作り続けているから凄い。

そこまで見て初めてカリーのバスケなんだと思います。

だからカリーを真似するのは大賛成です。

3Pもいっぱい打てばいい。

でもせっかく世界最高クラスの選手を真似するなら、3Pだけじゃもったいない。

パスした後に動く。

味方のためにスペースを作る。

ディフェンスする。

良いシュートと悪いシュートを判断する。

そしてチームが一番点を取りやすいプレーを選ぶ。

そこまで真似できたら、めちゃくちゃ良い選手になると思います。

ボールもらって即ロゴ3P。

外してDF戻らない。

それはカリーじゃないです。

ただの3P大好きマンです笑。

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