NBAの3ポイントシュート革命|1979-1980シーズンからの試投数推移とその影響
NBAのゲームスタイルは、長い歴史の中で劇的に変化してきました。その中でも、3ポイントシュート(3PT)は最も影響力のある変化の一つです。
1979-1980シーズンに導入されたこのルールは、当初は一部の戦略に過ぎませんでしたが、現代ではゲームの中心となっています。
この記事では、1979-1980シーズンから現在までのシーズンごとの3ポイントシュート試投数の推移と、それがNBAに与えた影響について解説します。
まずはグラフにて推移を可視化しましたので、増加傾向にあることが一目でわかると思います!!!!!
3ポイントシュートの誕生:1979-1980シーズン
1979-1980シーズン、NBAはABA(アメリカン・バスケットボール・アソシエーション)からの影響を受けて、3ポイントシュートを正式に導入しました。この新しいルールは、外からのシュートに3点を与えることで、ゲームのダイナミクスを変える試みでした。しかし、当初は3PTの試投数は少なく、「ごく一部のシューターが狙う特別なオプション」という位置付けでした。
初年度のデータ
- 平均試投数:2.8本/試合
- チーム戦術への影響:わずか
3ポイントシュートの進化:1980年代から1990年代
1980年代を通して、3PTは少しずつ普及しましたが、その増加ペースは緩やかでした。多くのチームは依然としてインサイドプレーを重視し、センターが支配する時代が続きます。しかし、1990年代に入ると、ヒューストン・ロケッツやシカゴ・ブルズなどが戦略的に3ポイントを取り入れ、試投数が増加し始めました。
重要なデータポイント
- 1989-1990シーズン:7.1本/試合
- 1994-1995シーズン:14.2本/試合(ラインが短縮されたシーズン)
1994-1995シーズンには、3ポイントラインが短縮され、一時的に試投数が急増しました。この変更は、NBAが試合をより観客に楽しんでもらうための試みでしたが、1997年にラインが元の距離に戻されます。
ステフィン・カリーと3ポイント革命:2010年代
2010年代に入り、NBAの3PTスタイルは爆発的な進化を遂げます。その中心には、ゴールデンステート・ウォリアーズとステフィン・カリーの存在がありました。カリーの革新的なプレースタイルは、3PTをチーム全体の主要なスコアリング手段とする戦略を普及させました。
2015-2016シーズン
- 平均試投数:24.1本/試合
- チーム戦術:3PTを中心としたオフェンス
カリーの成功は他のチームにも影響を与え、3ポイント重視の時代が幕を開けました。チーム全体が3PTにフォーカスし、スモールボールラインアップが主流となります。
現代のNBA:3ポイントシュートが支配する時代
現在のNBAでは、3PTがオフェンスの主力武器として完全に定着しています。2021-2022シーズンには、35.4本/試合という驚異的な数字を記録。
これは、3PT導入時の約12倍に相当します。
近年のデータ
- 2019-2020シーズン:34.1本/試合
- 2021-2022シーズン:35.4本/試合
現代のチーム戦術では、インサイドよりもアウトサイドを優先し、特にトランジション3ポイントやコーナースリーが試合の流れを大きく左右します。
3ポイントシュートがNBAに与えた影響
- ゲームのスピードアップ
3PTの増加により、試合全体のスピードが速くなり、より観客を引き付ける展開が増えました。 - ポジションの概念の変化
現代では、センターですら3ポイントを打つことが求められます。例として、ニコラ・ヨキッチやカール=アンソニー・タウンズのような選手が挙げられます。 - 記録の更新
ステフィン・カリーは、2021年にレイ・アレンを超えて歴代最多3ポイント成功数を記録。これにより、NBAにおける3PTの重要性がさらに高まりました。
まとめ:未来の3ポイントシュートは?
1979-1980シーズンに導入された3ポイントシュートは、今やNBAの象徴とも言える戦術になりました。過去数十年で試投数は劇的に増加し、バスケットボールのスタイルそのものを変革しました。今後も3PTは進化し続け、新たな記録や戦術が生まれることでしょう。
バスケットボールの未来は、さらにシュートレンジが広がり、選手たちが限界を超えるプレーを見せてくれるに違いありません!