2026-27の最年少10人は全員2007年生まれのルーキー。NIL時代にワン・アンド・ダンは減っているのか

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2026-27シーズンのNBAで一番若い選手は、グリズリーズのキャメロン・ブーザーです。2007年7月18日生まれで、開幕時点の年齢は19歳です。Hoops Rumorsの集計によると、最年少の10人はすべて2026年ドラフトの1巡目指名選手です。しかも全員が2007年生まれで、リーグにいる2007年生まれはこの10人だけだそうです。開幕を18歳で迎える選手は、今季は1人もいません。

Hoops Rumorsはその背景として、NILの恩恵で大学1年生のアーリーエントリーが減っている点を挙げています。NILは、大学の選手が自分の名前や肖像を使って収入を得られる仕組みのことです。実際、NBAへのアーリーエントリーの届出は、この5年で大きく減りました。ただ、上位指名に限れば1年生はむしろ過去最多タイです。この記事では、最年少10人の顔ぶれとあわせて、ワン・アンド・ダンが本当に減っているのかを数字で見ていきます。

最年少10人の顔ぶれ

まずはHoops Rumorsが挙げた10人です。生年月日はNBA.comの選手ページなどと照合しています。全員が開幕時点で19歳です。

順 選手 チーム 生年月日 2026年ドラフト 前所属
1 キャメロン・ブーザー グリズリーズ 2007年7月18日 1巡目3位 デューク大(1年)
2 ジェイデン・クウェインタンス スパーズ 2007年7月11日 1巡目20位 アリゾナ州立大→ケンタッキー大
3 カリム・ロペス グリズリーズ 2007年4月12日 1巡目21位 NZブレイカーズ(NBL)
4 エブカ・オコリー ピストンズ 2007年4月10日 1巡目17位 スタンフォード大(1年)
5 キートン・ワグラー クリッパーズ 2007年2月3日 1巡目5位 イリノイ大(1年)
6 クリス・セナックJr. セルティックス 2007年2月1日 1巡目27位 ヒューストン大(1年)
7 AJ・ダイバンツァ ウィザーズ 2007年1月29日 1巡目1位 BYU(1年)
8 コア・ピート サンズ 2007年1月20日 1巡目30位 アリゾナ大(1年)
9 ダリン・ピーターソン ジャズ 2007年1月17日 1巡目2位 カンザス大(1年)
10 キングストン・フレミングス ホークス 2007年1月3日 1巡目8位 ヒューストン大(1年)

ドラフト上位3人のダイバンツァ、ピーターソン、ブーザーも全員入っています。2人を出しているのはグリズリーズだけで、ブーザーとロペスです。11番目に若いのは、マーベリックスのクーパー・フラッグ(2006年12月21日生まれ)です。Hoops Rumorsによると、フラッグは昨季のリーグ最年少でした。去年の今ごろは「最年少」として話題だった選手が、もう若い方から11番目なんですね。

昨季は開幕を18歳で迎えた選手が何人かいた、とHoops Rumorsは書いています。今季はそれがゼロです。ちなみに反対側の最年長は、1984年12月30日生まれのレブロン・ジェームズです。ブーザーとは22歳半ほど離れています。

グリズリーズの2人と、ドラフト当日のトレード

グリズリーズの2人は、ドラフトでの動きも少し面白いです。ブーザーは3位での自前の指名でした。一方のロペスは、2回のトレードダウンを経て獲得した選手です。

グリズリーズはまず、16位の権利をサンダーへ渡しました。代わりに17位と将来の2巡目指名権2本を受け取っています。16位で指名されたのはベネット・スターツです。次に17位の権利をピストンズへ渡し、21位と将来の2巡目指名権3本を得ました。17位ではオコリーがピストンズへ入り、21位でグリズリーズがロペスを指名しています。差し引きで、ロペスと2巡目指名権5本を手にした形です。

ロペスはメキシコ出身で、報道によるとメキシコの選手として初めての1巡目指名です。スペインのジョベントゥットを経て、NBLのNZブレイカーズでプレーしていました。10人の中で、アメリカの大学を経由していないのはロペスだけです。

30位のピートも、ドラフト当日のトレードでサンズに加わりました。ただ、この経緯は報道によって食い違っています。マーベリックスが指名し、その権利をサンズへトレードしたという報道があります。一方で、ニックス、マーベリックス、レイカーズ、サンズの4チームが絡んだトレードだったという報道もあります。確かなのは、最終的にサンズの選手になったという点です。

2番目に若いクウェインタンスはワン・アンド・ダンではない

ここで「ワン・アンド・ダン」という言葉を確認しておきます。大学に1年だけ在籍し、すぐNBAへ進む選手のことです。最年少10人の多くが大学1年でドラフトされていますが、例外もいます。

2番目に若いクウェインタンスは、大学に2シーズン在籍しました。高校の卒業学年を1年早めて、2024-25シーズンにアリゾナ州立大へ進学しています。翌2025-26シーズンはケンタッキー大でプレーしました。どちらのシーズンも膝のケガがあり、ケンタッキー大では4試合の出場にとどまっています。

NBA.comによると、クウェインタンスは2026年7月に右膝の手術を受けました。現時点ではまだバスケットボール活動の許可が出ておらず、復帰時期は未定です。10人の中で2番目に若いのに大学は2年というのは、ちょっと珍しい経歴ですね。

ドラフトの年齢ルールをおさらい

なぜ高校から直接NBAへ行けないのか、ルールも見ておきます。NBAのドラフトに出るには、次の2つを満たす必要があります。

  • ドラフトが行われる年の終わりまでに19歳になること
  • 国際選手以外は、高校卒業から1 NBAシーズンが経過していること

この年齢要件は2005年の労使協定(CBA)で導入され、2006年のドラフトから適用されています。2つ目の条件があるので、アメリカの高校生は卒業してすぐのドラフトには出られません。大学で1シーズンだけプレーしてNBAへ、というワン・アンド・ダンの選手が出てくるのも、このルールがあるからなんですね。

ちなみに、クウェインタンスは2007年7月生まれです。2025年のドラフト時点では、その年のうちに19歳になる条件を満たしていませんでした。高校を早く卒業しても、年齢の条件は別にかかってくるわけです。

年齢制限を18歳に下げる案は、2019年に検討されたことがあります。ただ、現在もルールは変わっていません。

アーリーエントリーの人数は5年で大きく減った

次に「アーリーエントリー」です。大学でのプレー資格を残したまま、または国際選手が自動的にドラフト対象になる前に、ドラフトへ届け出ることを指します。届け出たあとに撤回して、大学へ戻ることもできます。NBA公式が発表した届出人数は、次のとおりです。

ドラフト年 当初の届出 撤回後に残った人数
2021年 353人 ―
2022年 283人 ―
2023年 242人 ―
2024年 195人 77人
2025年 106人 46人
2026年 71人 31人

2026年の71人は、大学から60人、国際選手が11人です。撤回後に残ったのは、大学などから26人、国際選手5人の計31人でした。2024年の195人から、2年で半分以下になっています。

ただし、2021年の353人は少し特殊な数字です。この年はコロナ禍で、NCAAがプレーできる年数を1年追加で認めていました。そのため上級生も、アーリーエントリーとして届け出る必要があったと報じられています。353人は当時の過去最多で、それまでの記録は2018年の236人です。「353人から71人へ」をそのままNILの効果と見るのは無理があります。

NILが理由なのか

NCAAでNILが解禁されたのは、一般的には2021年7月と報じられています。ちょうど届出が353人だった年で、そこから人数が減り続けているので、結びつけて考えたくなる気持ちは分かります。Hoops Rumorsも、NILの恩恵で1年生のアーリーエントリーが減ったと見ています。ただ、記事の中でその根拠となる数字は示されていません。

Front Office Sportsは2025年6月、代理人の声を報じています。Raymond Representationのマイケル・レイモンド氏は、1巡目指名が確実、つまりトップ20〜30に入る見込みでなければ大学に残るよう勧めているそうです。Octagonのアレックス・サラツィス氏は「大学に戻れば数百万ドルを稼げるのに、なぜエントリーを勧めるのか」という趣旨で話しています。同じ記事は、パワーカンファレンスの大学が1校あたり年300万〜400万ドル規模を使っていると伝えています。一方でNBAの2ウェイ契約は最大で約60万ドル、Gリーグ契約は4万500ドルからです。

数字だけ見ると、代理人が「残れ」と言いたくなるのも分かります。ただ、これらは代理人の証言や記者の見方です。NILと届出の減少の因果関係を、統計で示したデータではありません。また、1年生に限ったアーリーエントリーの人数は、NBAの公式統計にはありません。

ただしトップの1年生は相変わらずNBAへ

逆方向の事実もあります。NBA.comによると、2026年ドラフトは上位10人のうち9人が大学1年生でした。これは2017年、2025年と並ぶ最多タイです。上位20人が全員大学出身だったのも、1994年以来だそうです。

データ会社The Analystによると、1位から8位までが2年続けて全員1年生でした。1巡目全体の1年生は15人で、歴代4位タイの多さです。最年少10人のうち、大学1年からの指名が8人というのも、この流れの中にあります。

つまり、上位で指名されるような1年生は、今もそのままNBAへ来ています。個人的には、減っているのは「1巡目指名が確実ではない層」の方なのかなと見ています。代理人の「トップ20〜30でなければ残れ」という話とも合います。ただ、それを裏付ける公式データはないので、あくまで筆者の推測です。

ワン・アンド・ダンの今後

数字を並べてみると、ワン・アンド・ダンが消えつつある、とまでは言いにくいです。上位指名の1年生は過去最多タイの水準ですし、減っているのはアーリーエントリー全体の人数の方です。

今後もしばらくは、トップ層はワン・アンド・ダン、それ以外は大学に残る、という分かれ方が続くのかもしれません。大学でNILの収入を得ながら評価を上げて、1巡目指名が確実になってからエントリーする選手は、これから増えていきそうです。

まとめ

2026-27シーズンの最年少は、19歳のキャメロン・ブーザー(グリズリーズ)です。Hoops Rumorsの集計では、最年少の10人は全員2026年ドラフト組の2007年生まれで、開幕時に18歳の選手はいません。2番目に若いクウェインタンスは大学に2年在籍していて、ワン・アンド・ダンではありません。

アーリーエントリーの届出は、2024年の195人から2026年は71人まで減りました。NILがその理由だという見方はありますが、因果関係が数字で証明されたわけではありません。一方で、ドラフト上位10人中9人が大学1年生という逆方向の事実もあります。19歳のルーキーたちがNBAでどんなデビューを見せるのか、まずは開幕を楽しみに待ちたいと思います。

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