NBAのプレシーズン日程はどう組まれる?試合数の上限とマカオ・ハワイ・英国クラブ戦の背景を調べてみた

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2026-27シーズンのプレシーズンが10月3日に始まって、レギュラーシーズン開幕の10月20日まであと少しになりました。毎年この時期は「新加入の選手どうかな」「ルーキーは使われてるかな」くらいの気持ちで結果を眺めているんですが、今年はふと別のことが気になりました。マカオで試合をするチームもあれば、ハワイでキャンプを張るチームもあるし、なんならイギリスのクラブがNBAチームと試合をするらしい。あれ、そもそもプレシーズンってどうやって組まれてるんだろ?と。

レギュラーシーズンの日程がどう決まるかは、以前「NBAの日程はどう決まる?82試合の対戦回数の内訳」という記事で調べたことがあります。でもプレシーズンについては、正直なところ何も知らないまま見ていました。というわけで今回は、調べながら分かったこと、そして分からなかったことを順番に話していきます。

まずレギュラーシーズンは「NBAが作る」と決まっている

比較のために、レギュラーシーズンのほうから確認しておきます。NBAとNBPA(選手会)の労使協定(CBA)には、レギュラーシーズン、インシーズン・トーナメント(NBAカップ)、プレイイン、プレーオフの日程はNBAがその裁量で作る、と書かれています。選手会は公表前に日程案を受け取ってコメントできる、という決まりもあります。2026-27のレギュラーシーズン日程も、8月13日にNBAが発表していました。

で、面白いのはここからです。この条文で「NBAが作る」と並べられているものの中に、エキシビション(プレシーズン)は入っていないんですよね。じゃあプレシーズンは誰が作っているのか。ここが今回の一番の疑問になりました。

2015年の報道では「各チームが組む」とされていた

調べていて、この点をはっきり書いていたのが2015年のAP通信の記事です。そこでは「プレシーズンの日程は各チームが自分たちで組み、何試合やるか、どのくらいの頻度でやるかも決める。最低試合数は無い」と説明されていました。当時のリーグ上限は8試合だったそうです。

同じ記事では、当時キャブスのHCだったデビッド・ブラットが「4試合、多くても5試合にすべき」と話している一方、当時マブスのオーナーだったマーク・キューバンは「今の試合数が好きだ。若手にチャンスを与えられる」と言っています。コーチは練習時間が欲しいし、オーナー側には若手を試す場や興行としての見方もある。立場によって見え方が全然違うのが分かって、ちょっと面白かったです。

ただ、これはあくまで2015年時点の話です。しかも2020-21シーズン(コロナ禍の短縮シーズン)には、NBAがプレシーズン全体の日程を一括で発表した例もあります。なので「プレシーズンは各チームが組むもの」と今も言い切れるかというと、そこは慎重になったほうがよさそうです。

今はどうなの?を調べてみたら

2026年の様子を見てみると、チームごとに日程の発表時期がバラバラでした。サンダーは3月30日の時点でタルサでのペリカンズ戦(10月6日)だけを先に発表して、「完全なプレシーズン日程は年内に後日発表する」としていました。マブスは7月22日に4試合の日程を発表し、ウォリアーズはサマーリーグ優勝のあとにホームの3試合を発表しています。

リーグが一斉に「これが全日程です」と出すのではなく、各チームが自分のタイミングで出している。この様子を見る限り、今もチーム主導の部分はかなり大きいんだろうなと思います。ただ、リーグがどこまで承認や調整に関わっているのか、そのプロセスを説明した公表資料は今回見つかりませんでした。ここは推測で埋めたくないので、「分からなかった」と正直に書いておきます。

試合数や「やってはいけない日」はCBAで決まっている

誰が組むかははっきりしない一方で、ルールの枠のほうはCBAで定められています。開幕前のエキシビションは6試合まで(入場料を取る紅白戦も含む)で、さらにチームのレギュラーシーズン初戦(米国・カナダでの試合)の前3日間、レギュラーシーズンの試合の前日、オールスターゲームの前日と翌日はエキシビションをやってはいけない、という決まりです。2015年の上限8試合から、今は6試合になっているわけですね。

今季は開幕が10月20日なので、その前の3日間にあたる10月17日〜19日にはプレシーズンの試合がありません。実際、プレシーズンの最終日は10月16日です。最初に日程を見たときは「なんで開幕前に3日も空けるんだろう」と思っていたんですが、ルールで決まっていたと分かってスッキリしました。

ちなみにプレシーズンが短くなったのは最近の話でもなくて、NBA.comの2017年の記事によると、2017-18シーズンからそれまで8試合ほどだったプレシーズンを4試合ほどに減らし、トレーニングキャンプも約3週間に詰めて、開幕を1週間前倒ししています。狙いはレギュラーシーズンのバック・トゥ・バックや「5日で4試合」を減らすことでした。当時バックスHCだったジェイソン・キッドが「キャンプを3週間に詰め込もうとしている」、ピストンズHCだったスタン・ヴァン・ガンディが「急かされている」とこぼしていたのは、コーチ目線だとそうなるよなと思います。社会人でプレーしている身としても、チームの約束事を詰める時間が短いのはしんどいのが想像できます。

実際の試合数は、今回確認できた範囲だとマブスが4試合、キャブスが3試合、ウォリアーズは少なくとも5試合でした。上限の6試合まで使うチームもあれば、3試合で済ませるチームもある。このバラつきを見ても、試合数は各チームの判断が入っている感じがしますね。

海外の試合はリーグとスポンサーのイベント

一方で、海外で行われる「Global Games」は少し性格が違います。今年はNBA China Games 2026として、マブス対ロケッツの2試合が10月9日と11日にマカオのベネチアン・アリーナで行われました。これは1月5日にNBAとSands China(サンズ・チャイナ)が発表したもので、リーグとスポンサーが主導するイベントです。China Gamesは2004年に始まって今回が16回目で、NBA.comによると、これまでに30試合のプレシーズンゲームを開催してきたそうです。

第1戦はロケッツが135-117で勝っていて、マブスのクーパー・フラッグが19得点を挙げています。マブスにとっては2018年以来の中国での試合でした。このマカオ組の2チームは、9月22日にトレーニングキャンプを始めています。リーグ全体のキャンプ開始は9月29日(残りのベテラン選手の集合は9月28日)なので、1週間ほど早く始動していたことになります。アジアまで行って試合をして戻ってくる移動を考えると、早めに動き出すのも納得です。

カナダでもNBA Canada Games 2026として2試合が組まれました。10月3日のラプターズ対ヒートはケベックシティのビデオトロン・センターで行われ、これがプレシーズン全体の開幕戦でもありました。ケベックシティでのNBAプレシーズンは史上初だそうです。10月10日にはバンクーバーのロジャーズ・アリーナでラプターズ対クリッパーズがあり、バンクーバーでのCanada Gamesは8回目でした。

逆に今年は無いのが中東です。アブダビでは過去4シーズン連続でプレシーズンが開催されていて、昨年はニックスが76ersに2連勝していました。ESPNによると、イランでの戦争が続いているため、NBAは今年は中東でプレシーズンを行わないとのことです。同じくESPNの報道では、ネッツ、キャブス、ヒート、ウィザーズの4チームと開催を協議していたとされ、2027年のFIBAワールドカップが開かれるカタールのドーハでの初開催も検討されていたそうです。ただ、これはあくまで報道ベースで、NBAの公式な説明は見つかりませんでした。

アメリカ国内でも「いつもと違う場所」で試合をしている

海外だけでなく、アメリカ国内でもホームアリーナ以外の場所で試合が組まれています。個人的に一番うらやましかったのがハワイです。クリッパーズはハワイ大学マノア校で、ウォリアーズはオアフ島ライエのBYUハワイでキャンプを行い、10月4日にハワイ大学のスタン・シェリフ・センターで対戦しました。両チームのハワイ訪問は2024年以来です。

スティーブ・カーHCは「チームの結束という意味でも、家族という意味でも大きい。多くの選手がパートナーや子ども、両親を連れてきている。僕らにとって素晴らしい旅だし、こんなに美しい場所でシーズンを始められるのは最高だ」と話していました。キャンプって練習漬けで殺伐としているイメージがあったんですが、家族ごと来てチームの絆を深める場にもなっているんですね。これは意外でした。

他にも、10月4日にはコロラド大学のあるボルダーでジャズがナゲッツに109-97で勝っています(ナゲッツのボルダー開催は10年以上ぶり)。10月6日にはタルサのBOKセンターでサンダー対ペリカンズがあり、サンダーのタルサ開催は今回で16回目でした。2025年は日程の都合で見送っていて、それ以前に見送ったのは2011年のロックアウトと2020年のコロナのときだけだそうです。ここまで続けているとなると、もうサンダーにとっては恒例行事ですね。

10月7日にはアイオワ州立大学のあるエイムズで、ペイサーズがウルブズに123-112で勝っています。アイオワ州立大出身のハリバートンにとっては凱旋試合で、本人が学生席を買い取ったという話も出ていました。そして10月13日にはラスベガスのT-Mobileアリーナでレイカーズ対ウォリアーズが予定されています。地元とのつながりや大学との縁で場所を選んでいるように見えるのも、各チームが自分で組んでいる部分なのかなと感じました。

NBA以外のチームとも試合ができる

今回調べていて素直に驚いたのがこれです。現地10月12日、トレイルブレイザーズがホームのモダ・センターでイギリスのロンドン・ライオンズと対戦します。ライオンズの発表によると、NBAチームと対戦する英国のクラブはこれが史上初です。日本時間だと10月13日の朝5時開始なので、この記事を書いている時点ではまだ結果は出ていません。

しかもライオンズのHCはタウトヴィダス・サボニスで、父親は1995年から2003年までブレイザーズで7シーズンプレーしたアルヴィダス・サボニスです。父が長くプレーしたチームのアリーナに、息子がHCとして乗り込むわけで、これは組んだ人のセンスを感じます。笑 ライオンズは英国スーパーリーグの王者で、今季はEuroCupにも参戦しているチームです。ただ、この試合をどちらから持ちかけたのか、NBAがどこまで関わっているのかは分かりませんでした。

ちなみに前年の2025年10月には、ペリカンズがオーストラリアのロッド・レーバー・アリーナでNBLのメルボルン・ユナイテッド、サウスイースト・メルボルン・フェニックスと試合をしています。オーストラリアで行われた初めてのNBAの試合だったそうです。プレシーズンは「NBAのチーム同士でやるもの」と思い込んでいたので、こういう例があるのは知りませんでした。

成績はどう扱われるの?

ここまで調べて、ついでに気になったのが成績の扱いです。プレシーズンの勝敗はレギュラーシーズンの順位には関係しません。ESPNのサイトでも、プレシーズンの順位表はレギュラーシーズンとは別に掲載されています。なのでプレシーズンで全敗しても、そこは気にしすぎなくて大丈夫です。

とはいえ、プレシーズンをどうでもいい試合だと思っているわけではなくて、ロスター争いをしている選手にとってはここが勝負の場ですし、新しいチームでの組み合わせを試す時間でもあります。ESPN/ESPN2でも5試合が中継されていて、10月10日のスパーズ対サンズもその1つでした。サンズ推しとしてはブッカー周りの新しい形が見たいので、こういう試合が中継されるのはありがたいです。日本でもNBA docomoの配信対象にプレシーズンの一部が含まれています。

日本開催は今年は無し

日本のファンとして最後に確認しておきたかったのが、日本での開催です。結論から言うと、2026-27のプレシーズンに日本開催はありません。NBA.comが掲載している今季の海外プレシーズンはカナダとマカオだけで、日本は入っていませんでした。

直近の日本開催は2022年のNBA Japan Gamesで、ウォリアーズ対ウィザーズの2試合が9月30日と10月2日にさいたまスーパーアリーナで行われています。日本でのNBAの試合としては15試合目と16試合目で、両チームとも初来日でした。その前の2019年には、ラプターズ対ロケッツの2試合が10月8日と10日に同じくさいたまスーパーアリーナで開催されています。さらにさかのぼると、1990年11月2日に東京で行われたサンズ対ジャズは、米国のプロリーグとして北米外で初めて行われたレギュラーシーズンの試合でした。

Japan Gamesはどちらも、NBAと楽天のパートナーシップによる開催です。つまり日本での試合もマカオやカナダと同じく、リーグとパートナー企業が主導する「Global Games」の枠組みということになります。2027年以降の日本開催については、今のところ予定は発表されていません。2022年からもう4年空いているので、そろそろまた日本で見たいというのが本音です。

まとめ

「プレシーズンってどうやって組まれてるんだろ?」という疑問から調べ始めましたが、分かったのは、レギュラーシーズンのようにCBAで「NBAが作る」と明記されているわけではない、ということでした。2015年のAP報道では「各チームが自分たちで組む」とされていて、今年も各チームがバラバラのタイミングで日程を発表していることから、チーム主導の部分は今も大きいとみられます。一方で、2020-21にはNBAが全体日程を一括で発表した例もあり、海外のGlobal Gamesはリーグとスポンサーが主導しています。ただ、現在の仕組みでリーグとチームがどう役割分担しているのかは、公表された資料が見つかりませんでした。一番知りたかったところが分からないままなのは正直ちょっと悔しいですが、ここは無理に埋めずに置いておきます。

はっきりしているのは、開幕前のエキシビションは6試合まで、開幕前3日間などは試合をしてはいけない、というCBAの枠があることです。その枠の中で、マカオやケベックシティ、ハワイ、タルサ、そしてロンドン・ライオンズ戦のように、チームやリーグがそれぞれの事情や縁で試合を組んでいる。そう思って見ると、ただの調整試合に見えていたプレシーズンもちょっと面白く見えてきました。いつかまた日本開催の発表が出ることを期待しつつ、10月20日の開幕を待ちたいと思います。

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