ヤニスのヒート初戦はケベックシティで。トレードの中身と新しい顔ぶれ、初戦で見たいポイント

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ヒートのプレシーズン開幕戦が、いよいよ今日行われます。相手はラプターズで、会場はカナダのケベックシティです。ヤニス・アデトクンボにとっては、ヒートのユニフォームで迎える最初の試合になるかもしれません。ただし、本人が出場するかどうかは発表されていません。この記事では、試合前にトレードの中身とヒートの顔ぶれ、メディアデーでの発言を整理します。

試合の基本情報

試合は10月3日(土)19:00(米東部時間)開始です。日本時間では10月4日(日)の朝8:00になります。会場はケベックシティのVideotron Centre(ビデオトロン・センター)です。アメリカではNBA TVが中継します。

この試合は、2026-27シーズンのプレシーズン全体の開幕戦でもあります。NBA.comによると、ケベックシティでNBAの試合が行われるのは今回が初めてです。NBAの試合を開催するカナダの都市としては7番目になります。2015年に開業したVideotron Centreにとっても、初めてのNBAの試合です。

気になるのは、やはりヤニスが出るかどうかです。NBA.comは、ヤニスとカワイ・レナードが新チームで「デビューする可能性がある」という書き方にとどめています。USA TODAYも、スター選手の出場は未定と伝えています。今のところ、出場も出場時間も公式には何も発表されていません。

トレードの中身をおさらい

トレードの第一報は、2026年6月22日のESPN(シャムズ・シャラニア記者)でした。正式に成立したのは、新しいリーグイヤーが始まった7月6日です。ESPNによると、バックスはセルティックスの案よりもヒートの案を選びました。理由として、若手と指名権、長期的な柔軟性が挙げられています。

見落とされがちですが、ヒートに来たのはヤニスだけではありません。ボビー・ポーティスも一緒に移籍しています。中身を整理すると、次のとおりです。

ヒートが獲得

  • ヤニス・アデトクンボ
  • ボビー・ポーティス

バックスが獲得

  • タイラー・ヒーロー
  • ハイメ・ハケスJr.
  • ケルエル・ウェア
  • カスパラス・ヤクチョニス
  • 2026年1巡目指名権(全体13位、ネイト・アメントを指名)
  • 2031年1巡目指名権(プロテクトなし)
  • 2033年1巡目指名権(プロテクトなし)
  • 2030年1巡目のスワップ権
  • 2033年2巡目指名権

プロテクトとは、指名順位が一定の範囲に入ったら譲渡しなくてよいという条件で、2031年と2033年の1巡目にはこれが付いていません。スワップ権は、その年の指名権をより有利な方と入れ替えられる権利のことで、今回はバックス側がこの権利を持ちます。選手4人に加えてプロテクトなしの1巡目が2本なので、ヤニスのためにそれだけのものを差し出したトレードです。

データサイトのSalary Swishによると、バックスにはこのトレードで約2546万ドルのトレード例外が生まれました。トレード例外は、受け取る年俸が出す年俸より少ないときに生まれる「枠」のことです。その金額までなら、後で別の選手の年俸を受け入れることができます。

なお、ヒートは7月16日にKaseya Centerでヤニスとポーティスの入団会見を開いています。パット・ライリー球団社長は、2人の加入を「dream come true(夢がかなった)」と表現しました。

ヤニスの契約と延長の話

ヤニスの今季の年俸は5845万6566ドルです。2027-28は約6279万ドルのプレイヤーオプションになっています。プレイヤーオプションは、その年も契約を続けるかどうかを選手側が決められる権利です。つまり、最短なら2027年の夏にFAになります。

Miami Heraldによると、ヤニスは10月1日から延長契約を結べるようになりました。この時点で可能なのは、3年1億9300万ドルか2年1億3500万ドルの延長です。2027年1月6日以降は、4年2億7500万ドル(オプトアウトする場合)か3年2億1400万ドル(オプトインする場合)まで広がります。

ただ、メディアデーで延長について聞かれたヤニスは、こう答えています。「シーズンに集中したい。その話にはまだ触れたくもない」。今は延長より、まずヒートでの1年目に集中したいということでしょう。

ヒートのオフシーズン、ほかの動き

ヒートの補強はヤニスとポーティスだけではありません。主な動きは次のとおりです。

クレイ・トンプソンは、マーベリックスとのバイアウトを経てヒートに加わりました。AP通信によると、ヒートは8月23日(現地時間)に契約を発表しています。契約は2年約1150万ドルで、2年目はプレイヤーオプションです。36歳で14シーズン目、通算3P成功数は歴代4位という大ベテランです。

ティム・ハーダウェイJr.とは1年契約を結びました。年俸はNBA.comが650万ドルと報じる一方、サラリーデータサイトでは606万5000ドルと表記されています。昨季はナゲッツで平均13.5得点、3P成功率40.7%でした。ベンチ出場の選手ではリーグ最多の3P成功205本を決め、シックスマン賞の投票でも3位に入っています。

アンドリュー・ウィギンズは、今季の3017万ドルのプレイヤーオプションを行使しました。さらに2年約3400万ドルの延長を結んでいて、合わせると3年総額約6400万ドルです。ウィギンズはカナダのオンタリオ州出身です。ケベックシティでの試合について、ヒートのユニフォームでその歴史に関われるのは大きな意味がある、とコメントしていました。

このほか、センターのニック・リチャーズとは8月27日に1年契約を結んでいます。開幕までは完全保証ではない契約です。

一方で、ケガ人も出ています。ガードのドリュー・スミスが、キャンプ中に右ふくらはぎの肉離れで少なくとも数週間離脱する見込みです。スポールストラHCは「軽いもので、彼は大丈夫」と話しています。またSun-Sentinelによると、ニコラ・ヨビッチは背中の問題から回復中です。

昨季のヒートとヤニス

あらためて昨季を振り返ると、ヒートは43勝39敗でイースト10位でした。これで4年連続のプレーインです。プレーインは、各カンファレンス7〜10位のチームがプレーオフの第7・第8シードを争うトーナメントです。ヒートは4月14日の初戦でホーネッツに126-127(延長)で敗れ、プレーオフ連続出場は6シーズンで途切れました。2018-19以来、7シーズンぶりのプレーオフ不出場です。

ヤニスの昨季も、本人にとっては苦しいものでした。ふくらはぎの肉離れを何度も起こし、3月には左ひざも痛めています。出場はキャリア最少の36試合でした。それでも平均27.6得点・9.8リバウンド・5.4アシスト、FG成功率62.4%という数字を残しています。

ヤニスはバックスで13シーズンを過ごしました。MVP2回、2019-20の最優秀守備選手賞、2021年の優勝とファイナルMVPを手にしています。オールスターには10回、オールNBAには9回選ばれました。そんな選手が、プレーオフを逃したヒートに来たわけです。

メディアデーでの発言

9月28日のメディアデーで、ヤニスは新しい環境について率直に語りました。「まだ不思議な感じがする。新しい顔、新しいチームメイト、新しいロッカー、新しいファン、新しい街。でも、とてもいい状態にある」。ヒートについては「自分の性格に合うカルチャーだと感じる」とも話しています。

一番印象に残ったのは、この言葉です。「ベストであることには興味がない。勝者であることに興味がある」。自分が世界最高の選手の1人だとは思う、とも言ったうえでの発言でした。WPTVによると、トロフィーケースを見せて「本当に全部勝ったんだ」と言えることが大事だ、という趣旨のことも話しています。

一方で、「守備もオフェンスも覚えている最中」とも話していました。13年間ひとつのチームにいた選手なので、新しいシステムに慣れるにはある程度の時間がかかりそうです。ちなみに、イグアナが出続けるなら引っ越してアパートでも借りるかも、というフロリダらしい話もしていました。

スポールストラHCは、ヤニスについて「理由があって彼をここに連れてきた」と話しました。リーグ最高の選手の議論に入る存在になってほしい、という期待も口にしています。さらに、ヤニスとバム・アデバヨについて「2人がチームのハブ(中心)にならなければならない」とも語りました。「自分が引き出したいのは多様性(versatility)だ」という言葉も続いています。

初戦で見たいポイント

ここからは、もしヤニスが出場した場合に見たいポイントです。プレシーズン初戦なので、出たとしても時間は限られるかもしれません。それでも見ておきたいところを挙げます。

1つ目は、ヤニスとバムの組み合わせです。スポールストラHCが「ハブ」と呼んだ2人が同時にコートに立ったとき、どちらがボールを持ち、どちらが動くのか。ハンドオフやピック&ロールでの役割分担に注目したいです。

2つ目は、ヤニスの周りのシューターです。トンプソンとハーダウェイJr.は、どちらも3Pが持ち味の選手です。ヤニスがペイントに突っ込んだとき、外に誰が立っているのか。キックアウトからの3Pがどれだけ生まれるかは、今季のヒートを占う材料になりそうです。

3つ目は、ポーティスの使われ方です。ヤニスと一緒にバックスから来た選手なので、2人の連携がそのまま生きるのかは見ておきたいところです。新しいチームの中で、ポーティスがどこに入るのかは地味に気になります。

個人的には、ヤニスがヒートの赤と黒を着ているだけで、まだ少し不思議な感じがします。本人も「まだ不思議な感じ」と言っていましたが、見ている側も同じです。プレシーズンなので勝敗より、まずは新しいヒートの形を少しでも見られたらうれしいです。

相手ラプターズにはカワイ

対戦相手のラプターズには、カワイ・レナードが戻ってきました。NBAによるクリッパーズへの調査の影響で、トレードの正式成立は合意から遅れて9月14日になりました。NBA.comによると、2,670日ぶりのラプターズ復帰です。カナダでの試合で、カワイが再びトロントのユニフォームを着る可能性があります。ただ、カワイについても出場は発表されていません。

この後の日程

ヒートのプレシーズンは、このあと10月8日にペリカンズ、10月10日にティンバーウルブズとホームで戦います。10月14日はホームでネッツ戦、10月16日はアウェイでマジック戦です。レギュラーシーズンの開幕は10月21日(水)、ホームでのティンバーウルブズ戦になります。

そして、2027年1月28日にはアウェイでのバックス戦があります。ヤニスがヒートの選手としてミルウォーキーに戻る試合です。この日は今から気になります。

まとめ

ヒートはヤニスとポーティスを獲得するため、ヒーロー、ハケスJr.、ウェア、ヤクチョニスと、1巡目指名権3本などを差し出しました。さらにトンプソンとハーダウェイJr.を加え、ウィギンズとも延長契約を結んでいます。昨季はプレーインで敗れ、7シーズンぶりにプレーオフを逃したチームです。顔ぶれは、1年前とは大きく変わりました。

今日のケベックシティでの試合は、あくまでプレシーズンの初戦です。ヤニスが出るかどうかも、まだ分かりません。それでも「ベストより勝者でありたい」と語ったヤニスが、新しいチームでどんなスタートを切るのか。もし出場するなら、バムとの組み合わせや周りのシューターとの絡みをしっかり見たいと思います。

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