NBAオールスターゲームのMVPと聞いて、すぐに名前が挙がる選手はいますか。得点王やシーズンMVPに比べると地味に見えるかもしれませんが、実は1951年から続く歴史のある賞で、歴代の受賞者にはその時代を代表するスターがずらりと並びます。2026年はティンバーウルブズのアンソニー エドワーズが受賞し、話題になりました。今回は歴代の受賞者と、近年の大きな変化を整理してみます。
自分としても、普段のシーズンMVPや得点王のランキングばかり追いかけていると、このオールスターゲームMVPの存在をつい忘れてしまいます。それでも調べてみると、歴代の受賞者リストはそのままNBA史に残るスターの名前が並ぶ豪華なものでした。
そもそもオールスターゲームMVPとは
オールスターゲームMVPは、その年のオールスターゲームで最も活躍した選手に贈られる賞です。1950から51シーズンのエド マコーレーを初代受賞者として、1999年を除き毎年選ばれ続けています。1999年は選手会のストライキの影響でオールスターゲーム自体が開催されなかったため、唯一の空白年になっています。レギュラーシーズンのMVPやファイナルMVPとは違い、1試合限りのパフォーマンスで決まる賞という点が特徴です。
そもそもオールスター自体にどう選ばれるかは別の仕組みで決まります。ファン投票などで出場メンバーが決まったあと、実際の試合内容でMVPが選ばれる流れです。
オールスターゲームは本来エキシビションマッチなので、守備が緩くなり点数が伸びやすい傾向があります。その分、得点を量産した選手がMVPに選ばれやすいという特徴もあります。ジェイソン テイタムが2023年にオールスター史上最多の55得点を挙げてMVPに選ばれたのも、その傾向を象徴する出来事でした。
ちなみにNBAとは別に、1976年にNBAと合併したABAというリーグも独自のオールスターゲームMVPを表彰していました。1968年から1976年にかけて、メル ダニエルズやアーティス ギルモア、デビッド トンプソンといった選手たちが受賞しています。合併後はNBAの賞に一本化され、ABA時代のMVPは歴史の中に残る存在になりました。
最多受賞はコービー ブライアントとボブ ペティットの4回
歴代最多はコービー ブライアントとボブ ペティットで、ともに4回受賞しています。コービーは2002年と2007年、2011年に加え2009年にシャキール オニールと同時受賞しました。ペティットは1950年代から1960年代にかけて1956年と1958年、1959年、1962年に受賞しています。
3回受賞者もレブロン ジェームズやマイケル ジョーダン、シャキール オニール、オスカー ロバートソンの4人がいます。シーズンMVPの歴代受賞者とも重なる名前が多く、やはり歴史に残る選手ほど1試合のビッグゲームでも結果を出していることが分かります。
| 4回 | コービー ブライアント(2002/2007/2009共同/2011) |
| 4回 | ボブ ペティット(1956/1958/1959/1962) |
| 3回 | レブロン ジェームズ(2006、2008、2018) |
| 3回 | マイケル ジョーダン(1988、1996、1998) |
| 3回 | シャキール オニール(2000共同、2004、2009共同) |
| 3回 | オスカー ロバートソン(1961、1964、1969) |
| 2回 | ボブ クージー / ステフィン カリー / ケビン デュラント / ジュリアス アービング / アレン アイバーソン / マジック ジョンソン / カール マローン / アイザイア トーマス / ラッセル ウェストブルック |
オールスターゲームMVPは、歴代で4回だけ同点受賞が起きています。1958から59年のボブ ペティットとエルジン ベイラーが最初の同点でした。続いて1992から93年にジョン ストックトンとカール マローン、1999から2000年にシャキール オニールとティム ダンカンが同点に並びます。そして2008から2009年にシャキール オニールとコービー ブライアントが同点受賞となりました。
1試合の中で複数の選手が目立つ活躍を見せた年ほど、同点受賞が起きやすいということだと思います。採点方式がはっきりした数字で決まるわけではなく、記者の印象で決める部分が大きいからこそ、こうした同点が生まれやすいのだと考えられます。オールスター選出回数ランキングの上位に入る選手たちが、MVPでも名前を連ねているのも納得できる話です。
2回受賞した9人の受賞年も見てみます。スティーブン カリーは2022年と2025年に受賞しました。ケビン デュラントは2012年と2019年です。アレン アイバーソンは2001年と2005年、ラッセル ウェストブルックは2015年と2016年という連続受賞でした。ジュリアス アービングは1977年と1983年、マジック ジョンソンは1990年と1992年に受賞しています。アイザイア トーマスは1984年と1986年、カール マローンは1989年と1993年の受賞です。最も古いのはボブ クージーで、1954年と1957年という黎明期の受賞でした。
2020年にコービー ブライアント トロフィーへ改名
オールスターゲームMVPのトロフィーは、2020年2月に名称が変わりました。コービー ブライアントが事故で亡くなった数週間後、MVP賞はコービー ブライアント トロフィーと改められています。生前にこの賞を4回も受賞した選手の名を冠するというのは、とても自然な決定だったと思います。レイカーズ一筋でプレーした選手の名前が、リーグ全体の賞に残り続けるというのも感慨深い話です。
近年は大会フォーマットそのものが変化中
ここ数年のオールスターゲームは、東西対抗という昔からの形にこだわらなくなってきています。2025年はシャキール オニールらレジェンドがキャプテンとなってチームを選ぶ形式になり、本拠地のチェイス センターで開催されました。この年はステフィン カリーが2度目の受賞でMVPに選ばれています。カリーにとっては2022年に続く2度目の受賞で、地元開催という追い風もあったのだと思います。
2026年はさらに大きく変わり、アメリカ代表と国際選抜による3チーム制の総当たり方式になりました。NBAの各賞の投票と同じく、MVPも記者やメディア関係者の投票で決まる仕組みが続いています。
2024年はダミアン リラードがMVPに選ばれました。この年はまだ東西対抗に近い形が残っていた時期で、リラード自身もバックスに移籍してすぐのシーズンでの受賞でした。こうして見ると、フォーマットが変わるたびにMVPを受賞する選手の顔ぶれも少しずつ変わってきているのが分かります。
2026年はエドワーズが新フォーマットで受賞
2026年2月15日のオールスターゲームでは、ティンバーウルブズのアンソニー エドワーズがUSA Starsの一員としてMVPに選ばれました。チャンピオンシップゲームではStripesチームを47対21で下しています。エドワーズ自身は8得点4リバウンド2アシストという内容で、大会3試合の合計では32得点を挙げました。
MVP投票は14票中10票を獲得しての受賞で、もう一人の候補はクリッパーズのカワイ レナードでした。ティンバーウルブズの選手としては、2003年のケビン ガーネットに続く歴代2人目のオールスターゲームMVPになります。
エドワーズにとっては、自己最高クラスのシーズン序盤を過ごしていた中での受賞でもありました。今季はキャリアハイの活躍を続けていたタイミングでの受賞だったので、本人のモチベーションにもつながる1つの結果になったはずです。
自分としては、エドワーズの受賞がただの1試合のMVPというだけでなく、フォーマット自体が変わり続けるオールスターゲームの新しい形を象徴しているように感じます。これまでの東西対抗という前提が崩れた今、MVPの取り方自体も少しずつ変わっていくのかもしれません。
まとめ
- オールスターゲームMVPは1950から51シーズンから続く賞
- 最多受賞はコービー ブライアントとボブ ペティットの4回
- 同点受賞は歴代4回だけ
- 2020年にコービー ブライアント トロフィーへ改名
- 2026年はエドワーズが新フォーマットで受賞、ウルブズ歴代2人目
東西対抗からチーム制、そして国際色のある3チーム制へと、オールスターゲーム自体がここ数年で大きく変わってきました。フォーマットが変わってもMVPという賞自体は続いているので、来年以降どんな形で誰が選ばれるのか、楽しみに追いかけていきたいと思います。歴代のリストを見返すだけでも、NBAの時代ごとのスターの移り変わりがよく分かる賞だと感じます。
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