ドノバン・ミッチェル、ついに10作目のシグネチャーへ。「バッシュが10作続く」って実はどれだけ凄い?

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ドノバン・ミッチェルとadidasの関係が、まだまだ続きます。

ミッチェルがadidasと新たな複数年契約を結び、現在の「D.O.N. Issue #8」に続いてD.O.N. Issue #9、そしてD.O.N. Issue #10まで発売されることが決まりました。金額など契約の詳細は公表されていませんが、10作目まで同じブランドからシグネチャーシューズを出す現役NBA選手として、ミッチェルは7人目になると報じられています。ESPN

10作。

普通に聞くと「長く続いてるな」くらいに感じるかもしれません。

でもNBAのシグネチャーシューズで10作って、思っているよりかなり異常です。

NBAには毎年450人以上の選手がいます。その中で自分の名前を冠したバッシュを作ってもらえる選手自体がごく一部。そして一度シグネチャーモデルを持てたとしても、それが毎年売れ続けなければシリーズは終わります。

つまり10作目まで行くということは、単にNBAで10年近く活躍しただけではありません。

「この選手の名前でバッシュを売れる」と、ブランド側から10年近く判断され続けたということです。

そう考えると、結構すごくないですか。

ミッチェルとadidasの関係はNBA入り前から始まった

ミッチェルとadidasの関係はかなり長いです。

ルイビル大学時代からadidasを着用し、2017年のNBAドラフトで全体13位指名を受けると、ルーキーシーズン前に正式契約。当初は一般的なシューズ契約でしたが、NBA入りするといきなり平均20.5得点を記録し、ルーキー・オブ・ザ・イヤー投票で2位。ダンクコンテストでも優勝し、プレーオフではサンダーを破って2回戦まで進みました。

するとadidasは動きます。

まだ残っていた既存契約を見直し、ミッチェルにシグネチャーラインを与える新契約を結びました。ミッチェル本人も今回の契約延長を振り返る中で、ルーキーイヤーの活躍後にadidasが従来の契約を破棄して「君にシューズを作る」と新たな契約を提示した経緯を話しています。Complex

そして2019年、「D.O.N. Issue #1」が登場しました。

ちなみにD.O.N.は、

Determination Over Negativity.

ネガティブなものを決意で乗り越える、というミッチェル自身のモットーから取られています。Total Apex Sports

ここからD.O.N.シリーズが始まりました。

Issue #1から、もうIssue #8

2019年に初代モデルが登場してからシリーズは毎年継続。

そして現在はD.O.N. Issue #8まで来ています。今回の契約延長によって、少なくとも#9と#10まで続くことが確定しました。Sole Retriever

こうして数字だけ並べると、

1、2、3、4、5、6、7、8、9、10。

普通に見えます。

でもバッシュの世界では、この「毎年次の数字が出る」が全然普通じゃありません。

シグネチャーシューズはブランドにとって慈善事業ではありません。当然ですが、売れなければ続かない。

選手自身の人気が落ちることもあります。

怪我で試合に出られなくなることもある。

ブランド側の戦略が変わることもある。

若いスターが登場すれば、そちらへマーケティング予算を移すこともある。

そもそも選手がブランドを移籍することもあります。

その全部を乗り越えて、同じブランドで10作続ける。

実はかなり難しいことです。

10作続いている選手を見るとヤバさが分かる

シグネチャーラインが10作以上続いた選手を考えると、その難しさがよく分かります。

マイケル・ジョーダン。

コービー・ブライアント。

レブロン・ジェームズ。

ケビン・デュラント。

ジェームズ・ハーデン。

デイミアン・リラード。

長期シリーズを持っているのは、基本的にNBAを代表するスターばかりです。ミッチェルも今回の契約によって、現役選手として同一ブランドで10作目まで到達する非常に限られたグループに入ることになります。ESPN

こういう名前の中に、

Donovan Mitchell — D.O.N. Issue #10

が入る。

なんとなく意外じゃないですか。

もちろんミッチェルはスーパースターです。

でもレブロンやKDのように長年NBAの「顔」だったタイプではありません。MVPもまだありませんし、Finalsにも到達していません。

それでもシグネチャーは10作まで続く。

ここが面白いところです。

「NBAで一番有名」じゃなくてもバッシュは続けられる

シグネチャーシューズというと、どうしても選手の格と連動して考えがちです。

MVPだからシグネチャーがある。

NBA王者だから売れる。

リーグの顔だから何作も続く。

もちろんそれも重要です。

でもミッチェルを見ると、それだけではないことが分かります。

2017年にNBA入りして以降、彼はずっとスターであり続けました。ユタではエースとして毎年プレーオフへ進み、クリーブランドへ移籍してからも得点力を維持。昨季も平均27.9得点を記録し、7年連続のAll-Star、All-NBA Second Teamに選出されています。Total Apex Sports

爆発的に一時代を支配したわけではない。

でも毎年25点前後を取り、All-Starに選ばれ、プレーオフに出て、ハイライトを作り続ける。

そして大きなスキャンダルもなく、ブランドとの関係を継続する。

「ずっとスターでいる」こと自体が、とんでもなく難しい。

D.O.N.が10作まで続いた最大の理由は、そこなのかもしれません。

バッシュは選手の「もう一つのキャリア」

個人的にNBAのシグネチャーシューズが面白いと思うのは、選手としてのキャリアとは別にもう一本の年表ができるところです。

ミッチェルなら、

ユタ時代にIssue #1が始まる。

シリーズを重ねる。

クリーブランドへ移籍する。

それでもD.O.N.は終わらない。

さらに#8まで進み、今度は#10まで契約が続く。

チームは変わっても、シューズは続いています。

これってNBAカードとかユニフォームを集める感覚にも少し近いんですよね。

「このモデルの頃はまだジャズだったな」

「このカラー履いて50点取ってたな」

みたいに、バッシュを見るだけでその時代を思い出せる。

シグネチャーが10作あれば、それだけで一人の選手のNBAキャリアをかなり追えます。

しかも今回の契約、バッシュだけじゃない

今回のadidasとの延長で面白いのは、単に「Issue #10まで作ります」で終わっていないことです。

契約にはミッチェルが行っているSpida Elite Campへの継続支援も含まれています。さらにadidasは、ミッチェルが通っていたコネチカット州のGreenwich Country Day Schoolへの支援も拡大。十分な機会を得にくい学生への教育資源提供などをサポートします。Sports Illustrated

実はミッチェルとこの学校の関係はかなり深いです。

2020年にはミッチェルと家族が同校へ1200万ドルを寄付し、奨学金や教員支援、新しい体育施設などに使われました。Eurohoops

シグネチャー契約が、

「選手がシューズを履く」

「ブランドが広告に使う」

だけではなく、本人が続けてきた活動にまで広がっている。

ここまで来るとadidasにとってミッチェルは、単にD.O.N.を履いてくれるNBA選手ではなく、一つの長期的なブランドになっているのでしょう。

adidas側から見ても、ミッチェルを手放す理由がない

現在のadidas Basketballには、ジェームズ・ハーデンやアンソニー・エドワーズなど強力なシグネチャーアスリートがいます。

その中でもミッチェルは少し違うポジションにいます。

ハーデンほどキャリア終盤ではない。

エドワーズほど若いわけでもない。

でも2017年からずっとadidas。

NBAキャリアを通して一度もブランドを変えていません。Sneaker Bar Detroit

これはブランド側からすると結構大きいと思います。

シューズを売る時に「D.O.N.とは何なのか」を毎回ゼロから説明する必要がない。

すでに8作分の歴史があります。

ミッチェル=D.O.N.。

そのイメージができている。

だから#9、#10へそのまま続けられる。

シグネチャーラインって、選手の人気だけではなく、こういう積み重ねそのものがブランド価値になるんでしょうね。

ところで「Issue #10」って普通にカッコよくない?

そして個人的にはこれです。

D.O.N. Issue #10。

数字の10って、なんか急にレジェンド感出ません?笑

Issue #3とか#4の頃は「ミッチェルのバッシュ」という感じだったのに、10まで行くと「シリーズ」になります。

僕自身バスケをやっているので、バッシュって単なるNBAグッズではなく実用品でもあります。

履いてみて、

グリップがいい。

軽い。

フィットする。

じゃあ次も買おう。

こういうユーザーが積み重ならないと、10作までは続きません。

NBA選手本人がどれだけ人気でも、バッシュとして支持されなければシリーズを維持するのは難しい。

だから「10作目が決まった」というニュースは、ミッチェル個人の実績であると同時に、D.O.N.というバッシュブランドが10作続くところまで育ったという話でもあります。

ミッチェルは派手じゃない。でも気づけば全部長い

今回調べていて思ったんですが、ミッチェルのキャリアって不思議です。

ものすごく派手な瞬間はたくさんあります。

ダンクコンテスト優勝。

プレーオフでの50点ゲーム。

71得点。

All-Star。

All-NBA。

でもNBAの歴史そのものを変えるような「リーグの顔」という扱いとは少し違う。

だからなのか、気付いたら、

「え、もうそんなに?」

となることが多いです。

NBAキャリアはもう10年目。

All-Starは7年連続。

そしてシグネチャーシューズも10作目へ。

派手な一発というより、ずっと高いところにいる。

これ、簡単そうに見えて一番難しいやつです。

10作目までたどり着く頃、ミッチェルはどんな選手になっているのか

現在発売されているのはD.O.N. Issue #8。

今回の契約によって#9、#10まで続くことは決まりましたが、現時点で#9や#10の発売日、価格、カラー、具体的な性能などは発表されていません。Kicks & Grips

だからまだ少し先の話です。

でも、その頃ミッチェルがどんな選手になっているのかも楽しみです。

NBA入りした時は爆発的な身体能力を持った若いスコアラー。

そこからエースになり、All-Starになり、ユタからクリーブランドへ移り、今ではNBAを代表するベテランスターの一人になりました。

そして足元ではずっとD.O.N.。

シグネチャーシューズを持つだけでも難しいNBAで、それを同じブランドから10作出す。

ミッチェル、気付いたらバッシュ界でもかなり凄いところまで来ています。

Issue #10が実際に発売された時には、初代D.O.N. Issue #1と並べてみたいですね。

10足全部並んでいたら、普通にめちゃくちゃカッコいいだろうな。笑

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