八村塁が、クリッパーズでの初実戦でいきなり結果を出しました。現地10月4日のウォリアーズ戦で、前半だけで21得点です。FGは11本中8本、3Pは5本中4本を沈めました。チームも104-101で勝っています。メディアデーでタイロン・ルーHCから「違う形の得点」を求められた直後ですが、初戦は得意の3Pで答えた形になりました。
ホノルルでのプレシーズン初戦
まず前提を少しだけ整理しておきます。プレシーズンは、レギュラーシーズン前に行う調整試合です。勝敗は公式記録に残らず、主力の出場時間も短めになります。今回の試合は、クリッパーズにとってその初戦でした。
試合は現地2026年10月4日(日)、日本時間では5日(月)に行われました。会場はハワイ大学マノア校のキャンパスにある、Bankoh Arena at Stan Sheriff Centerです。クリッパーズのハワイでのキャンプは、2017年以降で6回目でした。観衆は10,112人と報じられています。
スコアはクリッパーズ104-101ウォリアーズです。前半を55-43とリードしましたが、後半に逆転を許します。終盤は6点ビハインドから、22-13のランでひっくり返しました。最後は2026年ドラフト全体5位のルーキー、キートン・ワグラーが決めています。残り十数秒でのステップバックジャンパーで、1点リードを奪いました。その後、ウォリアーズが同点を狙ったロングスリーは外れて試合終了です。
八村は前半だけで21得点
八村は先発出場し、出場時間は15分12秒でした。成績は21得点5リバウンドで、チーム最多得点です。FGは8/11(72.7%)、3Pは4/5、フリースローは1/2でした。ほかに1ブロックも記録しています。
21得点はすべて前半に挙げたものです。日本メディアによると、ルーHCは試合前から「前半だけ出場させる」と話していたそうです。ただ、ダリアス・ガーランドなども同じくらいの出場時間でした。八村だけの制限なのか、主力全体の方針なのかはわかりません。
内訳も見ておきます。3Pの4本だけで12点になる計算です。残りは2Pが6本中4本成功で8点、フリースローで1点でした。
試合後は「別に新しいことじゃない」
試合後の八村は、かなり落ち着いていました。スポニチが伝えた日本語訳は次のとおりです。
「これが自分のスタイルだ。別に新しいことじゃない。みんなもずっと見てきたはずだ」
さらに、ルーHCやコーチ陣と話し合ってきたことも明かしています。「彼らがどれほど僕にアグレッシブにプレーしてほしいか」を共有してきたそうです。そのうえで「適切な指示を出してくれている。だからこそ、僕は楽にシュートを打てたんだ」と語りました。
英語の原文では「This is my eighth year.(8年目だから)」とも話しています。試合後のコメントでは、プレーオフの経験やルーHCから学びたいという話も出ていました。
ルーHCは「プレーオフ史上最高の3Pシューター」と評価
ここで、9月28日のメディアデーを振り返っておきます。ルーHCは八村について、こう話していました(Yahoo Sports)。
「ルイは、プレーオフ史上最高の3Pシューターだと思う」
かなりの持ち上げ方ですが、これはあくまでルーHCの評価です。プレーオフの通算3P成功率で歴代1位かどうかは、試投数の基準で変わります。最新の数字までは確認できていません。
一方で、ルーHCは注文もつけています。「彼のプレーの幅を少し広げないといけない」と話しました。「もっとポストアップさせて、ミスマッチを作りたい」とも言っています。つまり、3P以外の形でも点を取ってほしいということです。
初戦の答えは「まず3P」。これをどう見るか
そう考えると、初戦は少し面白い結果でした。ルーHCが「違う形で」と言った直後に、5本中4本の3Pで見せたわけです。八村本人の「別に新しいことじゃない」という言葉とも重なります。
もちろん、注文を無視したという話ではないと思います。2Pも6本中4本決めていますし、5リバウンドもあります。ただ、その2Pがポストアップやミスマッチからだったのかは、今回の材料ではわかりません。ここは次の試合以降で見ていきたいポイントです。
個人的には、この順番で良かったと思っています。新しいチームの初戦で、まず一番の武器が使えると見せられました。3Pが入る選手だと相手が意識すれば、そのあとのポストアップも効いてきます。
レイカーズからFAで移籍、2年2800万ドル
八村がクリッパーズに来た経緯も、簡単に振り返っておきます。八村はウィザーズを経て、レイカーズでプレーしてきました。この夏にFAとなり、クリッパーズと契約しています。正式発表は現地2026年7月6日で、2年総額2800万ドルでした(NBA.com)。
AP報道によれば、2年目の2027-28はチームオプションです。チームが契約を続けるかどうかを選べる形になります。
レイカーズでの2025-26シーズンは、平均11.5得点、3P成功率44%でした(AP)。2026年のプレーオフでは、平均17.5得点、3P成功率56.9%と報じられています。
契約時には、バスケットボール運営部門社長のローレンス・フランクが八村を「エリートな3Pシューター」と評しました。さらに「効率の良いミドルレンジのスコアラーで、サイズを生かしてミスマッチを突ける」とも話しています(NBA.com)。フロントもルーHCも、八村を3Pだけの選手とは見ていないわけです。
ストゥルース負傷、イングラム離脱で出番は増えそう
この試合では、気になるニュースもありました。マックス・ストゥルースが第1Q、ノンコンタクトで右足を痛めて退場しています。ESPNによると、右足の足底筋膜の部分断裂でした。少なくとも4週間後に、再検査を受ける予定です。
ブランドン・イングラムも離脱中です。5月に右かかとの手術を受け、アキレス腱の部分断裂も処置しました。ESPNによると、最近ようやく軽いコートワークを始めた段階です。開幕には間に合わない見込みと報じられています。
さらに、ブラッドリー・ビールも右ひざの炎症で離脱しています。こちらは現時点で「離脱中」という報道で、開幕に間に合うかはわかりません。
ウイングやフォワードの選手が抜けると、八村の出番は自然と増えそうです。役割が増えれば、ルーHCが求めるポストアップなども試しやすくなります。
河村勇輝も第3Qから出場
日本人選手ではもう1人、河村勇輝も出場しました。第3Q途中からコートに入り、出場時間は約3分半です。フリースローで1得点を挙げました。現地紙によると、出場時には会場から名前のコールが起きたそうです。
八村は前半だけの出場だったので、2人が一緒にコートに立った場面はなかったとみられます。河村の開幕ロスター争いについては、別記事で詳しく書いています。
数字はあくまでプレシーズン
最後に、少し冷静な話もしておきます。今回はあくまでプレシーズンの1試合です。出場は15分ほどで、相手も主力の出場時間は短めでした。ステフィン・カリーも約13分で10得点です。この21得点だけで、今季の八村を判断するのは早いと思います。
それでも、新しいチームで最初からシュートタッチが良かったのは明るい材料です。リーグの開幕は10月20日です。クリッパーズの開幕戦は、10月21日のキングス戦になります。
まとめ
八村塁は、クリッパーズでの初実戦で前半だけで21得点を挙げました。FGは8/11、3Pは4/5です。ルーHCは「プレーオフ史上最高の3Pシューター」と評価しつつ、ポストアップなど違う形での得点も求めていました。初戦はまず、得意の3Pで答えた形です。
ストゥルースの負傷、イングラムの離脱もあり、八村の役割は大きくなりそうです。3Pで相手に警戒させつつ、ポストアップやミスマッチでどう点を取るのか。プレシーズンの数字は割り引いて見つつ、開幕までの変化を楽しみに見ていきたいと思います。

