ラッセル、ロンゾ、ワイズマン…ドラフト全体2位は呪われている?2013〜2026年の2位指名14人の「今」を並べてみた

記事内に広告が含まれています。
スポンサーリンク

9月25日、ディアンジェロ・ラッセルがグリズリーズからウェイブされました。2015年ドラフト全体2位、22歳でオールスター。そのラッセルが30歳で次のチームを探す立場になり、最終的には中国のCBAへ渡りました。

Xでこの話を投稿したら、5万回以上見てもらえました。反応を見ていて気づいたのが、「そういえば2位って…」というリプライの多さです。ロンゾ・ボールも2017年の全体2位。ジェームズ・ワイズマンも2020年の全体2位。引退報道を否定したロンゾ、キャンプで最後の1枠を争うワイズマン、そしてラッセル。この秋の「つらいニュース」に、なぜか全体2位がよく出てくるんです。

全体2位は呪われているのか。気になったので、2013年から2026年までの全体2位指名選手の「今」を並べてみました。

全体2位指名選手の今(2013〜2026年)

年 選手 指名したチーム 2026年10月の状況
2013 ビクター・オラディポ マジック オールスター2回。2023年4月を最後にNBAの試合に出場なし。9月に全30チームへ復帰を訴える公開書簡
2014 ジャバリ・パーカー バックス 前十字靭帯を2度断裂。NBAでは2021-22シーズンが最後
2015 ディアンジェロ・ラッセル レイカーズ オールスター1回。9月にグリズリーズからウェイブされ、中国CBAの上海シャークスへ
2016 ブランドン・イングラム レイカーズ オールスター1回、MIP。カワイのトレードでクリッパーズへ移籍直後、アキレス腱の部分断裂が判明
2017 ロンゾ・ボール レイカーズ 膝の故障で2シーズン以上を失う。現在FA。引退報道を本人が否定
2018 マービン・バグリー3世 キングス キングス、ピストンズなどを経て、現在はナゲッツ
2019 ジャ・モラント グリズリーズ 新人王、オールスター2回。現在はブレイザーズ
2020 ジェームズ・ワイズマン ウォリアーズ 怪我が続き、ニックスのキャンプで最後のロスター枠を争う
2021 ジェイレン・グリーン ロケッツ デュラントのトレードでサンズへ。主力スコアラー
2022 チェット・ホルムグレン サンダー 2025年に優勝。2030-31シーズンまでの大型延長
2023 ブランドン・ミラー ホーネッツ 昨季平均20.2得点。ラメロ放出後のホーネッツの柱
2024 アレックス・サー ウィザーズ 再建中のウィザーズで若手の軸
2025 ディラン・ハーパー スパーズ 1年目からスパーズのファイナル進出を経験
2026 ダリン・ピーターソン ジャズ 今季デビュー

こうして並べると、2013年から2020年の8人のうち、半分以上が大きな怪我や放出でキャリアの流れが変わっています。一方で、2021年以降の選手はまだこれからです。ホルムグレンのようにすでに優勝した選手もいます。

2013〜2020年の8人に起きたこと

怪我に止められた:オラディポ、パーカー、ロンゾ

オラディポは2018年に最優秀成長選手賞を取り、ペイサーズでオールスターに2回選ばれました。当時はイースト屈指のツーウェイガードでしたが、2019年に右大腿四頭筋の腱を断裂。復帰後も膝蓋腱の大怪我が重なり、2023年を最後にNBAの試合に出ていません。

パーカーはデビュー直後から得点力を期待されていましたが、前十字靭帯を2度切りました。ロンゾはブルズで「完成形」が見え始めた2022年1月に膝を痛め、そこから1,000日以上コートを離れることになります。3人とも、全盛期に向かう一番大事な時期に怪我が重なっています。

「期待される役割」と合わなくなった:ラッセル

ラッセルは怪我で失速したタイプではありません。キャリア平均17.0得点、ウォリアーズ時代には平均23.6得点を記録したこともあります。それでも、守備で狙われやすいこと、ボールを持って活きるタイプであることが、優勝を狙うチームの起用法と合わなくなっていきました。30歳での放出は、今のNBAでポイントガードに求められる役割が変わったことも表しているように思います。

今も主役:モラント、そしてイングラム

モラントは新人王、オールスター2回、最優秀成長選手賞と、この8人の中では最も華やかな実績を持っています。出場停止や怪我で欠場が多かった時期もありましたが、新天地のブレイザーズでリラードと組む今季は、改めて注目が集まります。イングラムもオールスターとMIPを取った実力者ですが、移籍直後にまた怪我。2位指名組の中でも、「才能はあるのに、とにかく怪我に恵まれない」選手の代表になってしまっています。

全体2位は本当に呪われているのか

結論から言うと、「呪い」というより、全体2位という順位が持つ期待の大きさが、キャリアの浮き沈みを目立たせているのだと思います。

そもそも全体2位には、NBAの歴史に残る選手もいます。2007年の全体2位はケビン・デュラントです。得点王4回、ファイナルMVP2回。1位のグレッグ・オデンが膝の怪我に苦しんだことを考えると、「2位のほうが大当たりだった」年の代表例です。

逆に、2003年の全体2位ダルコ・ミリチッチは、1位がレブロン・ジェームズ、3位がカーメロ・アンソニーという年に、ピストンズに指名されました。1984年の全体2位サム・ボウイは、3位のマイケル・ジョーダンより先に指名された選手として、いまだに語られ続けています。

つまり全体2位は、「1位と比べられ」「3位以下のスターとも比べられる」順位です。ドラフト時の期待値が高いぶん、普通に良い選手として10年プレーしても、どこか物足りなく見られてしまう。ラッセルの「22歳でオールスター、キャリア平均17得点」は、本来ならかなりの成功です。

数字で見ると、2位指名のキャリアはむしろ「普通にすごい」

NBAのロスター枠は30チームで450前後しかありません。毎年60人が指名されても、5年後もリーグに残っているのはその一部です。その中で、オールスターに選ばれるのはさらに一握りです。

2013年から2020年の全体2位8人を見ると、オールスター経験者はオラディポ、ラッセル、イングラム、モラントの4人。8人中4人がオールスターというのは、ドラフト全体で見ればかなり高い確率です。「呪われている」のではなく、「期待どおりの高さまで行ったのに、そこから怪我や役割の変化で落ちるのが早かった」選手が多い、というのが正確なところかもしれません。

ドラフトで1位や2位を引くことの価値については、ドラフトの成功例と失敗例やロッタリーの仕組みの記事でも詳しく書いています。

3年連続で2位を引いたレイカーズの、その後

この表を作っていて面白かったのが、2015年から2017年までの3年連続で、全体2位がレイカーズだったことです。ラッセル、イングラム、ロンゾ。コービー引退前後の低迷期に、レイカーズは毎年ロッタリーで上位を引き、将来の中心選手を集めていました。

ところが、3人ともレイカーズで長くプレーすることはありませんでした。ラッセルは2017年にネッツへトレード。イングラムとロンゾは2019年、アンソニー・デイビスを獲得するトレードでペリカンズへ送られました。そしてレイカーズは、その翌シーズンの2020年にレブロンとデイビスで優勝しています。

2位指名の選手そのものより、「2位指名の選手は、トレードの価値として大きい」ことが、優勝につながった例です。若くて将来性のある選手は、スターを獲るための一番の交換材料にもなります。2位指名の選手がキャリアの早い段階で移籍を経験しやすいのは、こうした事情もあると思います。

ちなみにこの3人は、その後もそれぞれの道で、怪我や移籍を繰り返しながらプレーを続けてきました。そして2026年の秋、ラッセルはウェイブ、ロンゾは引退報道の否定、イングラムは移籍直後の怪我と、3人の名前がまた同じ時期のニュースに並びました。偶然ではありますが、なんとも言えない気持ちになります。

2021年以降の2位指名組に期待したいこと

ここから先の全体2位は、まだ「呪い」とは無縁です。ホルムグレンはすでに優勝を経験し、ミラーはチームの柱、ハーパーは1年目からファイナルの舞台を踏みました。サーとピーターソンは、再建中のチームでこれから評価が決まっていく段階です。

ただ、2013年からの流れを見て思うのは、2位指名の選手が10年後にどうなっているかは、才能よりも「怪我をしないこと」と「チームの求める役割に合わせられるか」で決まる部分が大きいということです。オラディポもロンゾも、怪我さえなければという選手でした。ラッセルは、役割さえ合えばという選手でした。

みなさんは、全体2位の中で一番好きな選手は誰ですか?【ここに自分の「推しの2位指名」とその理由を一言】

よくある質問

全体1位と全体2位では、何が違う?

指名される順番だけでなく、1年目の年俸も違います。1巡目の選手の年俸は、指名順位ごとに決まった「ルーキースケール」で決まり、順位が上がるほど金額が高くなります。ただ、契約の年数や仕組みは同じで、4年目までの扱いに大きな差はありません。

全体2位から殿堂入りした選手はいる?

います。アイザイア・トーマス(1981年)、アロンゾ・モーニング(1992年)、ジェイソン・キッド(1994年)、ゲイリー・ペイトン(1990年)は、いずれも全体2位で指名され、のちに殿堂入りしました。現役では、2007年の全体2位ケビン・デュラントが、引退後の殿堂入りが確実と言われる実績を残しています。順位だけでキャリアが決まるわけではないことが、よく分かります。

関連記事

※2026年10月6日時点の情報です。

タイトルとURLをコピーしました