Bプレミアの開幕前、優勝候補の一角として名前が挙がっていたのはアルバルク東京でした。実際に開幕から8勝2敗と好調をキープしていたのですが、10月22日のTOYOTA ARENA TOKYOでその足を止めたのは、開幕7連敗で出発した茨城ロボッツでした。
スコアは69対66で茨城が勝利。これだけなら接戦の一つで終わる話ですが、実はこの試合、両チームにとって特別な意味を持っていました。リーグ戦での対戦はこれが17度目で、茨城にとってはアルバルク東京から挙げた初めての勝利だったのです。しかも開幕7連敗のあとに迎えた3連勝目でもあります。この記事では試合の流れと、なぜ茨城が勝てたのかを数字で振り返っていきます。
Bプレミアは今季から始まった新しい1部リーグで、これまでのB1を再編する形でスタートしています。再編初年度ということもあり、開幕前の評価がそのまま順位に反映されるとは限らない、荒れやすいシーズンになっています。今回の茨城の勝利も、そうした序盤戦らしい一戦でした。
試合結果、クォーターごとのスコア
まずは基本情報から。会場はTOYOTA ARENA TOKYO、アルバルク東京のホームゲームでした。
| チーム | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| アルバルク東京 | 19 | 22 | 14 | 11 | 66 |
| 茨城ロボッツ | 19 | 21 | 15 | 14 | 69 |
第1クォーターは19対19のタイ、第2クォーターもほぼ互角でした。ただ中盤、アルバルク東京が一時12点のリードを奪う場面があったそうです。そこから茨城が追い上げて、前半を40対41、わずか1点のビハインドで終えています。流れを渡さなかったことが、後半の逆転につながりました。
第3クォーターも15対14で茨城がわずかに上回り、勝負は第4クォーターに持ち込まれます。ここで主役になったのがヴィック ローでした。残り4分30秒からの連続得点で茨城が逆転に成功します。アルバルク東京も終盤に4点差まで詰める粘りを見せましたが、フィン ディレイニーがフリースローを確実に決めて試合を締めました。
個人的に面白いなと思ったのは、最後まで両チームの点差が開かなかったことです。2点や4点という僅差のまま終盤まで進んだので、見ていた人はかなり緊張感のある時間を過ごしたんじゃないでしょうか。アルバルク東京としては、追いかける展開を最後まで止められなかったのが悔しいところだったはずです。
29得点12リバウンドのヴィック ロー
この試合で最も目立ったのは、やはりヴィック ローの成績です。29得点12リバウンド7アシスト2ブロック1スティールという、ほぼ全部のスタッツ欄に名前が出てくるような活躍でした。第2クォーターには4点プレーも決めています。
| 選手 | 得点 | リバウンド | その他 |
|---|---|---|---|
| ヴィック ロー | 29 | 12 | 7アシスト、2ブロック |
| ティム ソアレス | 17 | 8 | |
| フィン ディレイニー | 13 | 14 | |
| 吉井裕鷹 | 10 | 3P成功 |
得点を記録したのはこの4人だけだったそうです。少ない人数で69点を取りきったという見方もできますし、逆にベンチの得点力はまだ発展途上という見方もできそうです。
勝因はリバウンドと速攻の抑制
チーム全体のリバウンドは茨城が49本、アルバルク東京を12本上回りました。そのうちオフェンスリバウンドは16本です。相手にセカンドチャンスを与えず、逆に自分たちは拾い続けたことが、69対66という僅差を決め手の一つになったと言えそうです。
ポール ヘナレHCは試合後、最後まで戦い抜いた選手たちを誇りに思うと述べ、第2クォーター終盤の追い上げを評価しました。アルバルク東京の速攻を止めたことと、リバウンド争いに勝ったことが勝因だと振り返っています。一方で、チームはまだ発展途上だとも話していたそうです。開幕7連敗からの3連勝で結果は出ていますが、本人たちの手応えはまだ控えめなんですね。
アルバルク東京にとっては今季2敗目です。それでも8勝2敗という成績自体は依然としてリーグ上位にあたります。千葉J戦では60分にも及ぶ史上2度目のクアドラプルオーバータイムを戦い抜いたばかりのチームですから、1試合のつまずきで評価が大きく変わるわけではないでしょう。ただ今季のBプレミアは上位勢でも波のある展開が続いています。開幕戦でまさかの黒星を喫した群馬や、富永啓生の得点力で開幕4連勝を飾った北海道など、例を挙げればいくつも出てきます。茨城の勝利も、そうした混戦の一部として記憶されそうです。
茨城ロボッツは水戸市を中心にホームゲームを行うクラブです。Bプレミアという新しい1部リーグの中では、アルバルク東京や群馬のような常連の強豪とは少し立ち位置が違い、どちらかといえば挑戦者の側に近いチームだと言えます。開幕7連敗という厳しい入りも、その立ち位置を物語っていました。
そこから見えてきたのが、ヴィック ローを中心にした外国籍選手の存在感です。29得点12リバウンドという成績は一試合だけの爆発ではなく、チームの得点源として機能している証拠でもあります。ティム ソアレスやフィン ディレイニーもリバウンドでしっかり仕事をしていて、インサイドの強さがこのチームの土台になっていることがうかがえます。吉井裕鷹のような日本人選手が外からの3ポイントで得点に絡んでいる点も、バランスの良さを感じさせます。
アルバルク東京にとっては今季2敗目ですが、それでも8勝2敗という数字自体はリーグの中でも上位です。今回の黒星で優勝争いから脱落するような話では全くありません。ただ、開幕から勝ち続けてきたチームが開幕7連敗のチームに不覚を取ったのは事実です。Bプレミアがまだ始まったばかりで、どのチームにも隙があることを示しているように見えます。
特に今季のBプレミアは再編直後ということもあり、各クラブの戦力バランスが読みにくいシーズンです。開幕前の評価がそのまま順位に直結するとは限らない、という前提で見ていくのが良さそうです。茨城のような挑戦者の立場のチームが、こうして一つずつ結果を積み重ねていく姿は、見ていて単純に面白いなと思います。
茨城は中1日でアルティーリ千葉と対戦し、10月26日には敵地で富山グラウジーズ、31日には本拠地でレバンガ北海道と戦う日程が組まれています。開幕7連敗から巻き返した今のチームが、この連戦でどこまで勢いを保てるかは注目したいところです。
まとめ
- 茨城ロボッツがアルバルク東京に69対66で勝利、17度目の対戦で初白星
- 開幕7連敗のあとの3連勝、第2クォーターの1点ビハインドから逆転
- ヴィック ローが29得点12リバウンド、リバウンド全体で12本上回る
- アルバルク東京は今季2敗目も上位の成績は維持
開幕直後は7連敗と苦しんでいたチームが、優勝候補の一つを相手に初白星を挙げる。こういう下剋上的な展開があるから、Bプレミアの序盤戦は目が離せません。茨城がこの勢いを次の連戦でも続けられるか、個人的にはちょっと楽しみにしています。
なぜ16連敗だったのか
今回の勝利が注目された一番の理由は、対戦成績です。茨城とアルバルク東京はこれまで16度対戦して茨城が16連敗していました。Bプレミアになってからはまだ数試合ですが、前身のB1時代からアルバルク東京は毎年のように上位争いをしてきたチームで、茨城にとっては長年勝てない相手だったわけです。それを3連勝のタイミングで破ったという点に、今回のニュースとしての価値があります。
茨城はシーズン序盤、開幕から7連敗というつらい入りをしています。そこからアルティーリ千葉戦を含めて3連勝を重ね、今回の相手がよりによって16連敗中のアルバルク東京だったという巡り合わせです。選手やスタッフにとっては、苦しいスタートから巻き返す過程で、一番わかりやすい結果が出た試合になったはずです。
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