サンズというチームは、ここ数年オフェンス力の高さでリーグを引っ張ってきた印象があります。その看板が10月21日のトレイルブレイザーズ戦では完全に機能しませんでした。最終スコアは83対124、41点差の大敗です。83得点は2026-27シーズンのNBA全体でここまでの最少得点にあたります。
一方のトレイルブレイザーズは、デイミアン リラードとジャ モラントという2人のポイントガードを同時に抱える新体制です。その2人がそれぞれ結果を出した試合でもありました。試合の流れと両チームの数字を振り返ります。
サンズはここ数年、デュラントやブッカー、ビールを並べたオールスター級の編成でファイナルまで進んだこともあるチームです。そこからメンバーが入れ替わり、今は違う形のチーム作りを進めている最中です。その途中経過として、今回のような大敗が出てくるのは、ある意味で自然な流れなのかもしれません。
この夜はほかの試合でも大差がついていました。ラプターズがブルズに43点差で勝利するなど、開幕から2週間ほどのこの時期は、チームごとの完成度の差がまだはっきり出やすい時期だと言えそうです。サンズの83点も、そうした荒れた一夜の中で生まれた記録でした。
試合結果、クォーターごとのスコア
| チーム | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| サンズ | 12 | 27 | 27 | 17 | 83 |
| トレイルブレイザーズ | 43 | 29 | 35 | 17 | 124 |
サンズは第1クォーターでわずか12得点と出だしから崩れました。対するトレイルブレイザーズはこの時点で43得点を取っていて、1クォーターの時点で既に31点差がついています。第2、第3クォーターはサンズも27点ずつ取り返しましたが、開いた差を縮めるには至りませんでした。
ブッカー23得点も、チームとしては機能せず
サンズ側の最多得点はデビン ブッカーの23得点でした。試合を通じて何度もアイソレーションで仕掛け、ほぼ一人で得点を背負っていた印象です。それ以外はディロン ブルックスとジェイレン グリーンが10得点、マイルズ ブリッジズが8得点と、2桁に届く選手がほとんどいません。コリン ギレスピーは得点こそ0でしたが、スティール2本とアシスト2本でチームに絡んでいました。
| 選手 | 得点 | リバウンド | アシスト |
|---|---|---|---|
| デビン ブッカー | 23 | 4 | 2 |
| ディロン ブルックス | 10 | 4 | 0 |
| ジェイレン グリーン | 10 | 2 | 3 |
| マイルズ ブリッジズ | 8 | 4 | 0 |
| オソ イゴダロ | 8 | 3 | 3 |
リラードとモラント、2人のポイントガードが機能
トレイルブレイザーズ側は、デイミアン リラードが25得点6アシストでした。デニ アヴディヤは18得点10リバウンド4アシスト2スティールのダブルダブル、トゥマニ カマラも18得点を記録しています。そしてジャ モラントは14得点5リバウンド8アシストと、スコアラーというより司令塔としての仕事ぶりが目立っています。
| 選手 | 得点 | リバウンド | アシスト |
|---|---|---|---|
| デイミアン リラード | 25 | 3 | 6 |
| デニ アヴディヤ | 18 | 10 | 4 |
| トゥマニ カマラ | 18 | 2 | 3 |
| ジャ モラント | 14 | 5 | 8 |
| スクート ヘンダーソン | 15 | 2 | 1 |
チーム全体のアシストも32本と、サンズの14本を大きく上回りました。リバウンドも56本対39本。得点以外のほぼすべての項目で差をつけた、文字どおりの完勝だったと言えます。
リラードとモラントを同時に先発させるべきかどうかは、シーズン前からノーリHCが悩んでいたテーマでした。今回の試合を見る限り、2人が同時にコートに立ってもスペーシングやボール運びで渋滞する様子はなく、むしろお互いが得点以外の仕事を分け合えているように見えました。
アキレス腱断裂から復帰したリラードにとって、こうした形でチームに新しい役割を見つけられているのは良い兆候だと思います。モラント自身もメンフィス時代からの再出発だと話していましたが、今のところその再出発はうまくいっているように見えます。
ベンチも含めて見ると、サンズの苦しさがより伝わってきます。この夏にミニマム契約で加入したデュオップ リースが5得点でした。ルーキーのコア ピートが4得点、ジョーダン グッドウィンが3得点と、控え選手の得点力もまだ心強いとは言えない状態です。先発5人に故障者が出た場合の層の薄さは、シーズンを通して気になるポイントになりそうです。
サンズは戦力の組み直しが続く途中
サンズはケビン デュラントがチームを離れたあと、オーナーのマット イシュビア氏自身がその数年間のチーム作りを振り返って反省の言葉を口にしたばかりのチームです。スター選手を集める強化から、少し違う形のチーム作りへ移ろうとしている、その途中にあるのが今のサンズだと言えそうです。
さらにセンターのマーク ウィリアムズが肩の手術でシーズン序盤を離脱し、デュオップ リースをミニマム契約で補強したばかりでもありました。主力の一人が開幕直後から欠けている状態で、今回のような大敗が出るのは、ある程度は仕方のない面もあるのかもしれません。
それでもブッカーが一人で23得点を取っている以上、点を取る力自体はチームに残っています。問題は、ブッカー以外の得点源がはっきりしないことです。2桁得点がブッカーしかいない試合は、相手に研究されると今回のように大差がつきやすくなります。個人的には、この編成がどこまでの順位を狙えるチームなのか、まだ判断がつかないというのが正直な感想です。
ベンチに回ったベテランのジュルー ホリデイも8得点4リバウンド、ドノバン クリンガンは11得点7リバウンド、ロバート ウィリアムズ三世は10リバウンドを記録しています。得点だけでなく、リバウンドやディフェンスの部分でも複数の選手が仕事をしていて、層の厚さが光る内容でした。
ブレイザーズにとっては理想的な立ち上がり
一方のトレイルブレイザーズにとっては、申し分のない内容の勝利でした。得点、リバウンド、アシストのすべてで相手を上回りました。しかもそれが一人のスタッツに偏らない形で実現しています。主力のシェイドン シャープが半月板断裂で離脱している中でこれだけの内容を出せたのは、チームとしての底の深さを感じさせます。
スクート ヘンダーソンも15得点とベンチから貢献していました。リラードとモラント、ヘンダーソンという3人のガードをどう使い分けていくかが今季のブレイザーズを見ていく上での見どころです。怪我人が戻ってきたときに、このバランスがどう変わるのかも気になるところです。
サンズのファンにとっては受け入れがたい結果だと思いますが、個人的にはこういう負け方をしたチームがシーズンの中でどう立て直してくるかを見るのも、NBAの楽しみ方の一つだと感じています。ブッカーという得点源が健在なうちに、2人目3人目の得点源が出てくるかどうかが、この先のサンズを見ていく上でのポイントになりそうです。
まとめ
- サンズが83対124でトレイルブレイザーズに敗れ、今季最少得点を記録
- デビン ブッカーが23得点も、2桁得点の選手がほかにおらず攻撃が機能せず
- リラードが25得点6アシスト、モラントは14得点5リバウンド8アシストと司令塔役
- アヴディヤのダブルダブルなど、ブレイザーズは得点以外の項目でも相手を圧倒
開幕してまだ間もない時期の1試合なので、どちらのチームもこれで評価を固めるのは早いと思います。ただサンズにとっては得点源の少なさ、ブレイザーズにとってはガード陣の共存という、それぞれのテーマがはっきり見える試合だったのは確かです。この先どちらのチームも、ここで見えた課題と強みがどう変わっていくのか、追いかけていきたいところです。
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