「トリプルダブルを一番多く記録した選手は?」——この質問、答えは長いあいだラッセル・ウェストブルックで固定されていました。ただ2026年8月、その数字の意味が少し変わりました。ウェストブルックが引退し、209という記録が「もう増えない数字」になったからです。
そして2位には、あと11本まで迫った現役選手がいます。NBA歴代トリプルダブル最多ランキングを、最新の数字で整理してみます。
NBA歴代トリプルダブル数ランキング TOP20
レギュラーシーズン通算のトリプルダブル数、上位20人です。太字が現役選手です。
| 順位 | 選手 | 回数 |
|---|---|---|
| 1 | ラッセル・ウェストブルック | 209 |
| 2 | ニコラ・ヨキッチ | 198 |
| 3 | オスカー・ロバートソン | 181 |
| 4 | マジック・ジョンソン | 138 |
| 5 | レブロン・ジェームズ | 125 |
| 6 | ジェイソン・キッド | 107 |
| 7 | ルカ・ドンチッチ | 90 |
| 8 | ジェームズ・ハーデン | 82 |
| 9 | ウィルト・チェンバレン | 78 |
| 10 | ドマンタス・サボニス | 68 |
| 11 | ラリー・バード | 59 |
| 12 | ヤニス・アデトクンボ | 56 |
| 13 | ファット・リーバー | 43 |
| 14 | ボブ・クージー | 33 |
| 14 | ドレイモンド・グリーン | 33 |
| 14 | ベン・シモンズ | 33 |
| 17 | ラジョン・ロンド | 32 |
| 18 | ジョシュ・ギディー | 31 |
| 18 | ジョン・ハブリチェック | 31 |
| 20 | グラント・ヒル | 29 |
ウィルト・チェンバレンが9位というのが、まず面白いところです。得点とリバウンドは異次元でも、アシストが10に届く試合はそこまで多くなかったということですね。アシストの定義が今より厳しかった時代でもあります。
209で止まった記録。ウェストブルックは2026年8月に引退した
2026年8月、ウェストブルックが18シーズンの現役生活に区切りをつけました。最終年はサクラメント・キングスで64試合に出場し、平均15.2得点6.7アシスト。ラストシーズンまで普通に戦力だったのが、この人らしいです。
通算成績は27,176得点・10,351アシスト・9,025リバウンド。歴代通算得点では14位、アシストは歴代5位です。2017年にはシーズンMVPも受賞しています。
引退後もあっさり止まらないのがこの人で、引退からわずか数週間で新リーグの共同創設者として表に出てきました。記録は止まりましたが、本人は全然止まっていません。
ヨキッチはあと11本。しかも「達成率」が異常
2位のニコラ・ヨキッチは198回。残り11回で歴代1位です。31歳、まだ全盛期のど真ん中にいる選手が、この距離にいます。
もっと分かりやすいのが「1試合あたりどれくらいの確率でトリプルダブルを出しているか」です。通算試合数で割ってみました。
| 選手 | 回数 | 通算試合数 | 達成率 |
|---|---|---|---|
| ニコラ・ヨキッチ | 198 | 810 | 約24.4% |
| ルカ・ドンチッチ | 90 | 514 | 約17.5% |
| オスカー・ロバートソン | 181 | 1,040 | 約17.4% |
| ラッセル・ウェストブルック | 209 | 1,301 | 約16.1% |
| マジック・ジョンソン | 138 | 906 | 約15.2% |
| ジェイソン・キッド | 107 | 1,391 | 約7.7% |
| レブロン・ジェームズ | 125 | 1,622 | 約7.7% |
ヨキッチだけ4試合に1回のペースです。ウェストブルックの209は「1,301試合という圧倒的な母数」で積み上げた記録なのに対し、ヨキッチは半分強の試合数でほぼ並びかけている。性質がまったく違う209と198だと分かります。
ヨキッチの通算平均は22.2得点11.1リバウンド7.5アシスト。センターがこの数字を出すこと自体、本来ありえない話です。歴代通算リバウンドランキングと見比べると、彼のリバウンド能力がどのあたりに位置するのかも見えてきます。
シーズン平均トリプルダブルを達成したのは、歴代3人だけ
「1シーズンの平均が三部門とも二桁」という怪物じみた記録を残したのは、NBA史上3人しかいません。
| 選手 | 達成シーズン |
|---|---|
| オスカー・ロバートソン | 1961-62 |
| ラッセル・ウェストブルック | 2016-17/2017-18/2018-19/2020-21 |
| ニコラ・ヨキッチ | 2024-25 |
ヨキッチの2024-25シーズンは29.8得点12.8リバウンド10.3アシスト。オスカーから約60年、ウェストブルックから数年という間隔で、3人目がついに出ました。
ちなみにウェストブルックが2016-17に記録したシーズン42回が単季の最多記録で、これはMVPを獲った年でもあります。1シーズン82試合のうち半分近くでトリプルダブル、というのは今あらためて見ると意味が分かりません。
3位以降はどうなる?ドンチッチは119差
ヨキッチの次に現実的なのが7位のルカ・ドンチッチです。27歳で90回。ただ、ここに来て伸びが落ちています。ダラス時代はシーズン13回前後を積んでいましたが、直近2シーズンは5回・8回にとどまりました。
理由ははっきりしていて、レイカーズではレブロンとボールを分け合う形になったからです。トリプルダブルは「チームでどれだけボールを持つか」に強く依存する記録なので、環境が変わると数字も素直に変わります。ドンチッチのレイカーズでの立ち位置は、記録面でもけっこう大きな話でした。
逆に言えば、トリプルダブルは「うまさ」だけでは積み上がりません。ボールを預けてもらえるチーム事情と、20年近く壊れない体。この2つが揃った選手だけが上位に来ています。最長キャリア記録の顔ぶれと重なるのは偶然ではないと思います。
まとめ
- 歴代1位はラッセル・ウェストブルックの209回。2026年8月の引退で確定した
- 2位はニコラ・ヨキッチの198回。残り11回で更新、達成は時間の問題
- 達成率ではヨキッチが約24.4%で突出。約4試合に1回という異常なペース
- シーズン平均トリプルダブルはオスカー、ウェストブルック、ヨキッチの3人だけ
- 単季最多はウェストブルックの42回(2016-17)
おそらく次のシーズン中に、この記事の1行目を書き換えることになります。歴代1位が入れ替わる瞬間をリアルタイムで見られるのは、けっこう贅沢な話です。
通算記録シリーズはほかにも書いています。歴代通算得点ランキング、歴代通算リバウンドランキング、歴代通算3ポイント成功数ランキングもあわせてどうぞ。

