NBAの試合オフィシャルになるには?審判以外のテーブルオフィシャルとスタッツクルーの仕事を調べてみた

NBAの試合オフィシャルになるには?審判以外のテーブルオフィシャルとスタッツクルーの仕事を調べてみた
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NBAの試合を見ていると、コートの横にずらっと人が並んでいる長いテーブルが目に入ります。あそこに座っている人たちはどうやってあの席にたどり着いたのか、自分もずっと気になっていました。そこで今回は、NBAの試合オフィシャルとして働く方法を調べてみました。

調べていくと、試合オフィシャルと一口に言っても大きく2つの道があることがわかりました。ひとつはコート上で笛を吹く審判です。もうひとつは、スコアラーズテーブルで記録や時計を担当するテーブルオフィシャルと、その周りで数字を入力するスタッツクルーです。この記事では、審判の道を簡単に整理したうえで、あまり知られていないテーブル側の仕事を中心に紹介します。

内容はNBA公式ルールブックと、NBAやGリーグの各チームが出していた求人票をもとにまとめています。求人の条件はシーズンごとに変わるので、応募を考える人は必ず最新の募集を確認してください。

NBAの試合オフィシャルは誰のこと?ルールブックの定義

まずは言葉の整理からです。NBA公式ルールブックのルール2は、試合のオフィシャルとその役割を定めた章です。ここではコート上のクルーチーフとレフェリーとアンパイアに加えて、リプレイセンターのオフィシャルが試合の役員として挙げられています。リプレイの最終判定はリプレイセンター側が出す仕組みです。

さらにルール2には、審判を手伝う役割として公式スコアラー1人と訓練を受けたタイマー2人、そしてコートサイドの管理担当1人が置かれると書かれています。つまりNBAの1試合は、コート上の審判だけでなく、テーブルに座るスタッフがいて初めて成り立っているわけです。

ルールブックで定められている主な役割を表にまとめました。

役割 人数 主な担当
クルーチーフ レフェリー アンパイア 各1人 コート上で笛を吹く審判。責任者はクルーチーフ
リプレイセンターのオフィシャル 1人 リプレイ映像の最終判定
公式スコアラー 1人 得点 ファウル タイムアウト 交代の記録
タイマー 2人 1人がゲームクロック、もう1人がショットクロック
コートサイドの管理担当 1人 テーブルに座って連絡を中継する

こうして並べると、いわゆる試合オフィシャルの仕事は審判だけではないことがよくわかります。ここから先は、それぞれの道を順番に見ていきます。

コートに立つ審判の道はGリーグ経由の狭き門

NBAの審判になる道については、このブログで何度か詳しく取り上げています。人数や年俸の話はNBAの審判は何人いる?3人制クルーと年俸の記事に、キャリアの積み上げ方はNBA審判の年収と狭き門への道のりの記事にまとめました。

ざっくり言うと、NBAの審判はリーグに雇われるごく少数の専門職です。下部リーグのGリーグなどで経験を積み、評価を受けながら少しずつ上を目指す流れになります。一般の人がいきなりNBAの笛を吹くことはまずありません。

日本で審判を始めたい人は、まずJBAの審判ライセンスを取るところからです。こちらはバスケの審判資格の取り方の記事で、E級からS級までの流れを紹介しています。NBAを目指すかどうかは別にして、笛を吹く経験はルールの理解を深めるうえで大きな財産になると思います。

一方で、テーブルオフィシャルやスタッツクルーはまったく違う入口から入ります。こちらはリーグではなく、各チームが試合ごとのスタッフとして募集しているのが特徴です。

スコアラーズテーブルの仕事内容 スコアラーとタイマー

ルールブックでは、公式スコアラーの仕事がかなり細かく決められています。フィールドゴールやフリースローの成功と失敗、累計の得点を記録します。各選手のパーソナルファウルとテクニカルファウルも記録し、6つ目のファウルが吹かれたらすぐに審判へ知らせる決まりです。

タイムアウトの記録もスコアラーの担当です。チームが最後のタイムアウトを取ったときはそのチームとコーチに伝え、規定を超えるタイムアウトが取られたら近くの審判に知らせます。スターティングメンバーと交代の記録や、チームファウルを5つまでスコアボードに反映する作業も含まれます。

タイマーは2人体制です。1人がゲームクロックを、もう1人がショットクロックを動かします。ゲームクロック担当は、前半と後半が始まる5分前にクルーチーフと両チームのコーチに知らせるなど、時間まわりの連絡も受け持ちます。ショットクロック担当は、選手がボールを保持した瞬間に24秒を動かし始めます。どちらも時計が故障したときのために、デジタルのストップウォッチを予備として持つ決まりになっています。

ちなみに今のNBAでは、ゲームクロックの停止はかなり自動化されています。審判は腰にベルトパックという送信機をつけていて、笛の音を拾うと自動で時計が止まる仕組みです。AP通信の報道では、テーブルの手動操作は予備として残されているそうです。それでもショットクロックのリセットは人の判断で、ボールがリングに当たったか、ポゼッションが替わったかを一瞬で見極める必要があります。

派手さはありませんが、1秒のずれが勝敗を左右する仕事です。テーブルに座っている人たちの集中力を想像すると、試合の見え方が少し変わってきます。

テーブルオフィシャルはチームが雇うパートタイムの仕事

では、テーブルの人たちはどうやって採用されているのでしょうか。調べた範囲では、ホームチームの運営会社が試合ごとのパートタイムとして募集しているケースがほとんどでした。

たとえばフェニックス サンズの運営会社は、スコアラーズテーブルのスタッフとして公式スコアラーとスコアボード担当、ゲームクロックとショットクロックの担当を募集していました。対象はサンズと女子プロのマーキュリーのホームゲームです。条件にはNBAの公式スコアラー向けマニュアルを深く理解していること、公平であること、身元調査に通ることが並んでいました。

ワシントン ウィザーズを運営するモニュメンタル スポーツ アンド エンターテインメントも、ゲームナイトのスコアラーを時給制のパートタイムで募集していました。担当はウィザーズとGリーグのキャピタルシティ ゴーゴー、WNBAのミスティックスのホームゲームです。仕事は公式記録や時計の操作、スタッツの入力などです。テーブルでの経験があると望ましく、18歳以上という条件でした。

2つの求人で共通していたのは、夜間や週末や祝日に働けることです。試合はほとんど夜に行われるので当然と言えば当然ですが、本業を別に持ちながら試合の日だけテーブルに座るという働き方が基本になります。

求人を出していた組織 担当する試合 主な条件
サンズの運営会社 サンズとマーキュリーのホームゲーム 公式スコアラー向けマニュアルの理解 身元調査
モニュメンタル スポーツ アンド エンターテインメント ウィザーズ ゴーゴー ミスティックスのホームゲーム テーブル経験が望ましい 18歳以上

スタッツクルーとリーグオフィスのデータ担当という入口

テーブルのすぐ近くには、試合の数字をリアルタイムで入力するスタッツクルーもいます。ここもチームごとの募集で、とくにGリーグのチームが毎シーズン人を集めていました。

シャーロット ホーネッツ傘下のグリーンズボロ スウォームの募集では、シーズン前にNBAの統計システムの研修を受けることが必須とされていました。試合中は入力とコール、バックアップ、公式の記録係といった役割をローテーションで担当します。ゴールデンステート ウォリアーズ傘下のサンタクルーズ ウォリアーズの求人でも、NBAの統計研修に参加できることが条件に入っていました。

スーフォールズ スカイフォースの募集では、ゲームオペレーションやボールクルーと並んでスタッツクルーが挙げられていました。統計システムの使い方を学びながら、いくつかの役割を経験できると紹介されています。条件は18歳以上でホームゲームに来られることなど、かなり間口の広い内容でした。

リーグオフィス側にもデータの仕事があります。ニュージャージー州セコーカスのNBAオフィスでは、試合中の数字の正確さを毎晩チェックするスタッツ監査担当の求人がありました。ハッスルスタッツをタグ付けするトレーニー職も、同じく最長10か月の期間限定ポジションとして掲載されていました。どちらも人材プール向けの掲載で、常に募集しているわけではない点には注意が必要です。リーグオフィス全体の働き方についてはNBAのリーグオフィスで働く方法の記事も参考にしてください。

日本からNBAの試合オフィシャルを目指すなら

ここまで見てきた求人は、どれもアメリカ現地での勤務が前提です。試合の日に会場まで通える人を対象にしているので、日本に住みながら応募するのは現実的ではありません。仮に挑戦するなら、アメリカで働ける資格を持ったうえで、現地のチームの募集を地道に探すことになります。

そのうえで、多くの求人に共通していたのはNBAのルールと記録の知識です。公式スコアラーのマニュアルや統計システムの研修が条件に入っていることからも、ルールをどこまで正確に理解しているかが一番の武器になるとわかります。大学や高校の試合で記録や時計を担当した経験が歓迎される求人もありました。

日本でできる準備としては、まずBリーグや学生の大会でテーブルオフィシャルの経験を積むことが考えられます。日本でもスコアラーやタイマーは試合に欠かせない役割なので、地域の大会や部活動の試合で担当してみるのが第一歩になると思います。審判ライセンスと同じように、テーブルの仕事も現場での経験がものを言う世界です。

個人的には、NBAの試合オフィシャルは審判だけではないと知れたことが一番の収穫でした。コートの横の長いテーブルにも、ルールを知り尽くしたプロたちが座っているんですね。

まとめ

NBAの試合オフィシャルには、コート上の審判とスコアラーズテーブルのスタッフという2つの道があります。審判はリーグが雇うごく少数の専門職で、Gリーグなどで経験を積む長い道のりが必要です。

一方の公式スコアラーやタイマー、スタッツクルーは、各チームの運営会社が試合ごとのパートタイムとして募集しています。夜や週末に働けること、NBAのルールと記録の知識があること、統計システムの研修を受けられることがよく見かける条件でした。

現地での勤務が前提なので日本からはハードルが高いものの、ルールと記録の知識はどこにいても磨けます。次にNBAの試合を見るときは、ぜひテーブルに座っている人たちにも注目してみてください。

 

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