デビン・カーターと聞いて、個人的に真っ先に思い出すのが現地観戦した2025年のサマーリーグです。
キングス対ブルズ。河村勇輝がブルズで出ていた試合で、カーターがめちゃくちゃ目立っていました。
サイズがあって、フィジカルも強い。守備でも圧をかけられるし、トランジションでは一気に前へ出られる。あのとき見ながら、この選手いずれNBAで普通に活躍するだろうなと思った記憶があります。
実際、その日のカーターは30得点、8リバウンド、3アシスト、3スティール。FG10/13、3P5/7というかなり派手な数字を残していました。
だから今回のニュースを見たとき、正直ちょっと驚きました。
2024年ドラフト全体13位。
まだ24歳。
それなのに今はボストン・セルティックスとExhibit 10契約を結び、トレーニングキャンプで最後のロスター枠やTwo-Way契約を争う立場になっています。
2年前のロッタリー指名が、もうキャンプ生き残り戦。
NBA、やっぱり怖すぎます。
デビン・カーターは2024年のロッタリー指名
カーターは2024年のNBAドラフトで、サクラメント・キングスから全体13位指名を受けました。
188cm、88kgのガードで、プロビデンス大学時代には2023-24シーズンに平均19.7得点、8.7リバウンド、3.6アシストを記録。Big East Player of the Yearにも選ばれています。
サイズだけを見ると大型ガードというほどではありません。
でもカーターの魅力は、数字以上にフィジカルの強さと守備のインパクトでした。
相手ガードへのボールプレッシャー。
ルーズボールへの反応。
ガードなのにリバウンドへ絡める強さ。
トランジションでそのまま押し込める推進力。
大学時代の数字を見ても分かる通り、単なるスコアラーではなく、試合のあちこちに顔を出すタイプです。
だからドラフト時にも評価が高く、ロッタリーで指名されました。
ルーキーイヤーは出遅れた
ただ、NBAキャリアのスタートは順調ではありませんでした。
ルーキーシーズンとなった2024-25は36試合出場、平均11.0分で3.8得点、2.1リバウンド、1.1アシスト。シュート成功率は37.0%、3Pは29.5%でした。
もともと即戦力として期待された選手ではありましたが、NBAではやっぱり簡単ではありません。
特にガードは競争が激しい。
ある程度守れる。
ある程度ハンドリングできる。
ある程度点も取れる。
それだけでは安定した出場時間をもらえません。
カーターも、守備や運動能力は評価されながら、オフェンスでの安定感を作るまでには時間がかかりました。
それでも2年目は数字を伸ばした
ただ、2年目の2025-26シーズンは明確に前進しています。
キングスで38試合に出場し、うち12試合に先発。
平均18.4分で8.9得点、3.3リバウンド、2.7アシスト。FG41.4%まで上げました。
1年目と比べればかなり伸びています。
しかも単純な得点だけではなく、アシストも増えている。
ボールを持たせたときに、自分で行くだけではなく周りを使う場面も増えてきました。
それでも3Pは26.3%。
ここが一番大きな課題です。
今のNBAで188cmのガードが外を決められないと、どうしても使い方が難しくなります。
2025年サマーリーグでは河村とマッチアップ
そして個人的にやっぱり印象深いのが、2025年のラスベガス・サマーリーグです。
カーターはキングスのサマーリーグロスターに入り、ブルズには河村勇輝がいました。
あの試合でカーターは30得点。
しかも13本打って10本成功。
3Pは7本中5本。
かなり効率よく点を取っていました。
一方の河村は、そのサマーリーグ全体で平均10.2得点、6.2アシスト、2.2スティール。後にブルズとTwo-Way契約を勝ち取っています。
あのときのカーターは、完全にNBAローテーション候補に見えました。
フィジカルが強くて、守れて、運べて、点も取れる。
正直、僕もあの試合を見ながら、この選手はそのうち普通にNBAで出るだろうなと思っていました。
それが今、セルティックスでキャンプ契約。ほんとNBAは展開が早いです。キングスからホークスへ、そしてウェイブ。カーターは今夏、キングスからホークスへトレードされました。
6月末、キングスはカーターと2033年のドラフト指名権をホークスへ送り、見返りとしてアルファ・カバの権利を獲得しています。
この時点で、かなりサラリーダンプ色の強いトレードでした。
元ロッタリー指名を出す。
しかも指名権までつける。
これは普通の若手交換ではありません。
キングス側がロスターとサラリーを整理したい意図がかなり見えます。
そしてカーターはホークスへ行ったものの、そこでも定着できませんでした。
9月11日、ホークスはカーターをウェイブ。
2年前のドラフト13位が、もうウェイブ。
ここだけ切り取るとかなり厳しいです。
でもセルティックスが拾った
そのカーターを拾ったのがボストン・セルティックスでした。
報道によると、カーターはセルティックスとExhibit 10契約を結び、トレーニングキャンプで最後の本契約枠、あるいはTwo-Way契約を争います。
Exhibit 10契約は、保証されたNBAロスター契約とは違います。
キャンプに参加し、そこで評価されればTwo-Wayや本契約に切り替わる可能性がある。
一方でウェイブされる可能性も普通にあります。
つまりカーターは今、本当に生き残り競争の中にいます。
ドラフト13位だったことは、もうほとんど関係ありません。
NBAに入った後は、今何ができるかで評価されます。
セルティックスとは意外と相性がいい
ただ、行き先としてはかなり面白いと思います。
セルティックスはここ数年、守備力のあるガードをうまく使ってきました。
デリック・ホワイト。
ジュルー・ホリデー。
ペイトン・プリチャード。
全員タイプは違いますが、ボールを持っていない時間でも仕事ができるガードです。
カーターがNBAに残るなら、まずここを目指すべきだと思います。
毎試合15本シュートを打って20点取る必要はありません。
相手ガードを守る。
リバウンドを取る。
速攻を出す。
空いた3Pを決める。
これができれば使われます。
むしろセルティックスでは、スコアラーになるよりこういう役割の方が価値があります。
ただし3Pは絶対に必要
やっぱり最大のポイントはここです。
昨季の3P成功率は26.3%。
キャリアでも27.4%。
かなり厳しい数字です。
どれだけ守備が良くても、相手に完全に放置されるとプレーオフでは狙われます。
セルティックスのようにスペーシングを重視するチームならなおさらです。
逆に言えば、3Pが33%くらいまで上がるだけでも見え方はかなり変わる。
守備。
フィジカル。
リバウンド。
ドライブ。
ここは元々あります。
最後のピースがシュート。
そんな選手に見えます。
ロッタリー指名でも普通に消える世界
カーターの今の状況を見ると、改めてNBAの厳しさを感じます。
2024年ドラフト13位。
ロッタリー指名。
まだ24歳。
2年目には平均8.9得点。
それでも安泰ではありません。
むしろNBAでは毎年30人の1巡目指名選手が入ってきます。
その翌年にはまた30人。
さらにドラフト外、Gリーグ、海外リーグからも選手が入ってくる。
2年前の肩書きなんて、あっという間に古くなります。
これ、ほんと怖いです。
それでもまだ全然終わっていない
ただ、カーターにとって今回のセルティックス入りは悪い話ではありません。
まだ24歳。
サイズとフィジカルはある。
大学時代の実績もある。
NBAでも2年目に数字を伸ばしています。
そしてセルティックスは、カーターのような守備型ガードを評価しやすいチームです。
キャンプでシュートが入れば、一気にロスター争いで前に出る可能性もあります。
Exhibit 10だから終わりではありません。
むしろここからです。
あのサマーリーグの印象はまだ消えていない
個人的には、やっぱり2025年の河村との試合が頭に残っています。
あのときのカーターは、NBAで生き残る選手に見えました。
30点取ったからだけではありません。
身体の強さ。
スピード。
守備。
ガードとしての圧。
サマーリーグで目立って、そのままNBAで伸びていく選手の雰囲気がありました。
だから今回、Exhibit 10契約まで落ちてきたのは少し意外です。
でも逆に言えば、あの頃に見えたポテンシャルが本物なら、まだここから戻せるはずです。
セルティックスでの再挑戦はかなり面白い
2年前のロッタリー指名。
2025年サマーリーグでは30得点。
河村勇輝ともマッチアップ。
キングスで2年。
ホークスへトレード。
その後ウェイブ。
そして今度はセルティックス。
短期間でかなり濃いキャリアを歩んでいます。
NBAではドラフト順位が高かったから守ってもらえる期間は本当に短い。
だからこそ、ここからカーターがどう残るかはかなり見たいです。
あのサマーリーグを見て、いずれNBAで活躍すると思った自分の目が間違ってなかったことを証明してほしい。笑
セルティックスのキャンプで、もう一回チャンスを掴めるか。
普通に楽しみです


