ヴィクター ウェンバンヤマの活躍を見ていると、改めて「バスケって結局は身長ゲーだよな」と思わされます。でも自分みたいな175cmくらいの小柄な人間が、それでもバスケを続けていられるのはなぜなんだろう。今回はウェンバンヤマの「身長ゲー」を象徴するエピソードと、小柄でもNBAで活躍した選手たちの実例を両方調べてみました。
ウェンバンヤマが改めて示した「身長ゲー」
ウェンバンヤマの公式身長は現在NBA.comの選手プロフィールで7フィート4インチ(約2.24m)とされています(2023年のドラフト時にスパーズが発表した数値は7フィート3.5インチで、若干の差があります)。この規格外のサイズは、2025-26シーズンに強烈な形で証明されました。史上初となる満票(100票中100票)でNBAディフェンシブ プレーヤー オブ ザ イヤーを受賞し、22歳という史上最年少受賞記録も打ち立てています。3シーズン連続でブロック王という実績も、身長とウィングスパンという physical な資質がいかにディフェンスで支配的な武器になるかを物語っています。
さらに象徴的なのが、2026年5月5日のプレーオフ セカンドラウンド第1戦(対ティンバーウルブズ)での記録です。試合には102-104で敗れたものの、ウェンバンヤマは12ブロックを記録。これはプレー バイ プレー記録が残る1973-74シーズン以降、NBAプレーオフ史上最多の単独試合ブロック数です。従来の最多記録は10ブロックで、マーク イートン、ハキーム オラジュワン、アンドリュー バイナムが並んで保持していました。身長、ウィングスパンという生まれ持った資質が、最高レベルの舞台で歴史的な結果に直結した瞬間だと思います。
それでも小柄な選手たちはNBAで結果を残してきた
一方で、NBAの歴史には身長のハンデを跳ね返して活躍した選手も数多くいます。
マグジー ボーグスは身長5フィート3インチ(約160cm)、NBA史上最も身長が低い選手とされています。それでも1987年のドラフトで1巡目12位指名を受け、14シーズンにわたってプレー。通算アシスト6,726本(引退時点でNBA史上12位)を記録し、シャーロット ホーネッツの球団史上アシスト スティールともに歴代最多という実績を残しました。
アイザイア トーマス(殿堂入りの同名選手とは別人)は身長5フィート9インチ(約175cm)ながら、2015〜2017年にボストン セルティックスで2年連続オールスターに選出。5フィート9インチ以下でオールスター入りしたのは史上2人目という快挙でした。2017年のプレーオフでは1試合53得点を記録していて、これは2003年のアレン アイバーソン以来のプレーオフ最多得点だったそうです。
ネイト ロビンソン(身長5フィート9インチ)とスパッド ウェブ(身長5フィート7インチ、約170cm)は、どちらもスラムダンクコンテストで自分より遥かに身長の高い選手たちを相手に優勝しています。ロビンソンは2006年、2009年、2010年と史上初の3回優勝、ウェブは1986年、当時のディフェンディングチャンピオンだった6フィート8インチのドミニク ウィルキンスを決勝で破っています。跳躍力という別の武器で、身長差を完全に無効化してしまう瞬間があるというのは、見ていて痛快です。
比較的大柄な部類ですが、クリス ポール(身長6フィート、約183cm)も現代のポイントガードとしては小柄な部類に入ります。2026年に21シーズンのキャリアを経て現役引退を発表しましたが、通算アシスト12,552本(NBA史上2位)、通算スティール2,728本(NBA史上2位、ジェイソン キッドを抜いての記録)という圧倒的な実績を積み上げました。
河村勇輝の挑戦も、この文脈で見ると面白い
日本人選手では、河村勇輝選手(Bリーグ公式プロフィールで身長172cm)のNBA挑戦もこの「小柄な選手の奮闘」という文脈で見ると興味深いです。2025-26シーズンはシカゴ ブルズとツーウェイ契約を結んだものの、プレシーズン中に右下腿部の血栓(深部静脈血栓症)が判明して一度契約解除。治療を経て2026年1月に再びツーウェイ契約で復帰し、NBA本体で18試合、Gリーグで11試合に出場しました。2026年8月にはロサンゼルス クリッパーズとエキシビット10契約を結び、同時期に在籍していた八村塁選手と合わせて、日本人選手2人が同一NBAチームに所属する初めてのケースとなっています。172cmという、NBAの中では極端に小柄な部類に入る身長で挑戦を続けている姿は、ボーグスやトーマスたちの系譜に連なるものがあるように感じます。
まとめ
ウェンバンヤマの満票DPOY受賞やプレーオフ史上最多ブロックを見ると、バスケが身長というフィジカルの土台に大きく左右される競技であることは間違いないと思います。それでも、マグジー ボーグスやアイザイア トーマス、ネイト ロビンソン、スパッド ウェブのように、身長のハンデを技術、跳躍力、勝負強さで跳ね返してきた選手たちが確かに存在してきました。身長ゲーであることを認めつつ、それでも小柄な選手が輝ける瞬間があるからこそ、このスポーツは面白いんだと思います。175cmの自分がバスケを続けられている理由も、案外そのあたりにあるのかもしれません。
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