あなたがNBAを好きになった瞬間は?ジョーダン、スラムダンク、コービー、カリー、八村塁…時代ごとに振り返ってみた

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NBAファンに「NBAを好きになったきっかけは?」と聞くと、だいたい世代がバレます。笑

ジョーダンと答える人、スラムダンクと答える人、コービーと答える人、カリーと答える人、八村塁と答える人。どの答えにも、その人がバスケを好きになった時代の空気が詰まっていて、聞いているだけでかなり面白いんです。

8月にXで「近年のNBA三大見たかった世界線」を投稿したとき、40万回以上見てもらえて、リプライや引用でたくさんの思い出を教えてもらいました。そこで今回は、日本のNBAファンが「NBAを好きになった瞬間」を、時代ごとに振り返ってみます。最後に、みなさんのきっかけもぜひ教えてください。

まずは僕の好きになった瞬間

僕がバスケにハマった原点をたどると、小学生の頃に住んでいたサンフランシスコに行き着きます。

父親の仕事の関係で、僕は6歳から10歳までサンフランシスコで暮らしていました。今でこそウォリアーズといえばNBAを代表する人気チームですが、当時はまだ今のような「カリーのウォリアーズ」の時代ではありません。それでも、アメリカで生活しているとバスケットボールはすごく身近な存在でした。

日本に帰国して小学5年生で本格的にバスケを始めてからは、NBAを見ることもどんどん増えていきました。

そして僕がNBAに完全にのめり込むきっかけになった選手の一人が、コービー・ブライアントです。

難しい体勢からでも決め切るシュート、勝負どころでボールを要求する姿、そして何より「あの選手みたいになりたい」と思わせる圧倒的な格好良さ。当時はYouTubeも今ほど充実していなかったので、NBAの映像や雑誌、限られた試合中継を追いかけながら、海外のバスケに憧れていました。

気づけば自分自身も大学までアメリカでバスケを続け、社会人になった今も週末にはボールを追いかけています。そして今はこうして「Basketball Freak」というブログまで運営している。

振り返ってみると、サンフランシスコでバスケが身近にあった少年時代と、日本に帰って実際にバスケを始め、NBAのスターたちに夢中になった時間。その両方が、今の僕につながっているんだと思います。

人によってきっかけは本当にバラバラです。ここからは、時代ごとの「好きになる入口」を見ていきます。

1990年代:ジョーダンとスラムダンクの時代

日本で一番大きなNBAブームを作ったのは、間違いなく1990年代です。少年ジャンプで『SLAM DUNK』が連載されていたのが1990年から1996年。ちょうど同じ時期に、マイケル・ジョーダンのブルズが1991年から3連覇、1996年から再び3連覇を果たしています。

1992年のバルセロナ五輪では、ジョーダン、マジック・ジョンソン、ラリー・バードらがそろった「ドリームチーム」が登場しました。漫画でバスケを好きになり、テレビでジョーダンを見て、エアジョーダンを欲しがる。この流れでNBAファンになった人は、今の40代〜50代に本当に多いと思います。

この世代の人と話すと、「ジョーダンこそ最強」という話になりがちなのも、ある意味自然なことです。最初に好きになった選手は、いつまでも特別ですから。

2000年代:コービー、アイバーソン、そして田臥勇太

2000年代は、ジョーダン引退後の「次のスター」を探す時代でした。シャックとコービーのレイカーズが2000年から3連覇。身長183cmで大男たちに立ち向かうアレン・アイバーソンは、日本でもファッションごと真似されるほどの人気でした。

そして2004年、田臥勇太がフェニックス・サンズで日本人として初めてNBAのコートに立ちます。出場は4試合でしたが、「日本人でもNBAに行ける」と多くの人が初めて実感した出来事でした。2002年のドラフト全体1位で中国のヤオ・ミンがロケッツに入ったことも、アジアのファンにとって大きなニュースでした。

2006年1月には、コービーが1試合81得点を記録しています。この試合をきっかけにNBAにハマったという人も、かなり多い印象です。

2010年代:レブロンのビッグ3と、カリーの3ポイント革命

2010年代は、レブロンがヒートでウェイド、ボッシュと組んだ「ビッグ3」で始まります。好きでも嫌いでも、毎年ファイナルにレブロンがいる時代でした。2011年にはデリック・ローズが22歳で史上最年少MVPを受賞。ローズのドライブに憧れた人も多いはずです。

その後の主役は、ステフィン・カリーです。2015年に優勝、2015-16シーズンにはレギュラーシーズン73勝を記録し、史上初の満票MVPを受賞しました。ハーフラインを越えた瞬間から3ポイントを打つプレーは、NBAの戦い方そのものを変えました。日本の部活でも、カリーの真似をして遠くから3ポイントを打つ中高生が一気に増えた時代です。

2016年4月のコービーの引退試合、60得点で締めくくった夜を、リアルタイムで見ていた人も多いと思います。そして2018年には、渡邊雄太がグリズリーズと2ウェイ契約を結び、田臥勇太以来2人目の日本人NBA選手になりました。

2019年〜:八村塁から始まる「日本人がいるNBA」

2019年のドラフトで、八村塁がウィザーズから全体9位で指名されました。日本人として初めてのドラフト1巡目指名です。この日をきっかけに、NBAを見始めた人はかなり多いと思います。

それまで「NBAを見る」ことは、海外のスターを見ることでした。八村以降は、「日本人選手の試合をチェックする」という、まったく新しい見方が生まれました。2023年のワールドカップで日本代表がパリ五輪の出場権を勝ち取り、2024年には河村勇輝がグリズリーズでNBAデビュー。八村の今季の所属クリッパーズには、河村もキャンプから合流しています。

この世代のファンの特徴は、NBAとBリーグを行き来して見ていることかもしれません。日本代表やBリーグからバスケを好きになり、そこからNBAへ入ってくる人が増えているのは、10年前にはなかった流れです。

「どうやって見ていたか」も、時代でまったく違う

好きになったきっかけと同じくらい世代が出るのが、「NBAをどうやって見ていたか」です。

テレビ中継とビデオの時代

1990年代から2000年代にかけては、NHKのBS放送などで流れる中継が、NBAを見る数少ない手段でした。見られる試合は限られていて、好きなチームの試合が放送される日を楽しみに待つ。録画したビデオを何度も見返す。スーパープレー集のビデオやバスケ雑誌を、友達と回して見ていた人も多いと思います。

ハイライト動画とSNSの時代

2010年代に入ると、YouTubeでハイライトが見られるようになりました。試合をフルで見なくても、翌朝にはスーパープレーだけを数分で確認できる。カリーの3ポイントやウェストブルックのトリプルダブルが、日本でも一気に広がったのはこの影響が大きいと思います。

全試合を配信で見られる今

今は配信サービスを使えば、レギュラーシーズンのほぼ全試合を日本から見られます。時差はありますが、朝の通勤中にスマホで試合を見て、昼休みにXで感想を言い合う。八村や河村の試合をリアルタイムで追いかけられるのは、昔のファンからすると夢のような環境です(視聴方法はこちらの記事にまとめています)。

見られる試合が増えたぶん、「この1試合で好きになった」という強烈な体験は、むしろ昔より生まれにくくなっているのかもしれません。毎日たくさんの試合を見られる今だからこそ、自分にとっての特別な1試合を大事にしたいなと思います。

最初に好きになった「チーム」はどこ?

選手と同じくらい、最初に好きになったチームにも世代が出ます。90年代ならブルズ、2000年代ならレイカーズやスパーズ、2010年代ならヒートやウォリアーズ、そして今ならクリッパーズやグリズリーズ。日本人選手が所属したチームを応援し始めて、選手が移籍した後もそのまま応援し続けている、という人も多いはずです。

地元にチームがない日本のファンは、チームを「選ぶ」ことができる珍しい立場です。その選び方にこそ、その人の好きになった瞬間が一番よく表れている気がします。このあたりの話は地元チームがなくてもNBAファンになれる理由でも書いています。

「好きになった瞬間」に共通していること

時代ごとに並べてみると、NBAを好きになるきっかけには、いくつかの共通点がある気がします。

  1. 自分と重ねられる選手がいた:アイバーソンの身長、カリーの体の細さ、日本人選手の存在。「自分にもできるかも」と思わせてくれる選手は、強く記憶に残ります。
  2. 周りに一緒に見る人がいた:スラムダンクを回し読みした友達、部活の先輩、家族。NBAの記憶は、だいたい誰かと一緒に見た記憶でもあります。
  3. 一生忘れない「1試合」がある:コービーの81点、2016年の第7戦、八村のドラフト。好きになった瞬間を聞くと、多くの人が具体的な1試合を挙げます。

世代が違っても、同じ話で盛り上がれる

面白いのは、きっかけの世代が違っても、NBAファン同士は意外と話が通じることです。

ジョーダン世代の人とカリー世代の人が「どっちが上か」で言い合っていても、結局は「どっちもすごい」で落ち着いたりします。コービー世代の人は、今のドンチッチやエドワーズにコービーの面影を探したりします。最近NBAを見始めた人が、過去のハイライトを掘っていくうちに、ジョーダンやアイバーソンにハマることもあります。

NBAは80年近い歴史があって、毎年新しいスターが出てきます。どの時代から入っても、さかのぼって楽しめるものがたくさんある。それが、何年たってもNBAを見続けてしまう理由の一つだと思います。

逆に言えば、「NBAを好きになった瞬間」は、何歳からでも作れます。今季の開幕戦で、八村のシュートやウェンバンヤマのブロックを見て好きになる人も、きっといるはずです。その人にとっては、2026年10月がまさに「きっかけの時代」になります。

みなさんのきっかけを教えてください

ここまで書いてきましたが、本当に聞きたいのはみなさんの話です。

  • NBAを好きになったきっかけの選手、試合、出来事は?
  • それは何年ごろ、何歳のときでしたか?
  • 今の推しの選手は、最初に好きになった選手と同じですか?

Xで「#NBAを好きになった瞬間」をつけて投稿してもらえたら、全部読みます。集まった声は、また記事にまとめたいと思っています。時代ごとに並べたら、日本のNBAファンの歴史みたいなものが見えてくるはずです。

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