NBAのシーズンが始まると、こんな疑問を持ったことはありませんか。「このチームとは4回も当たるのに、あのチームとは2回しかないのはなぜ?」「そもそも82試合って、どうやって割り振られているんだろう?」
実はNBAの日程には、きちんとした計算式があります。しかも2023-24シーズンにNBAカップ(エミレーツNBAカップ)が始まってからは、「82試合のうち80試合だけ先に発表する」という少し変わった形に変わりました。この記事では、82試合の内訳から2026-27シーズンの実際の数字まで整理していきます。
82試合の内訳は「16+36+30」
まず結論から。NBAの82試合は、対戦相手との距離感によって3つのグループに分かれています。
| 対戦相手 | 相手の数 | 対戦回数 | 試合数 |
|---|---|---|---|
| 同じディビジョン(地区) | 4チーム | 4回ずつ | 16試合 |
| 同カンファレンスの別地区(その1) | 6チーム | 4回ずつ | 24試合 |
| 同カンファレンスの別地区(その2) | 4チーム | 3回ずつ | 12試合 |
| 反対カンファレンス | 15チーム | 2回ずつ | 30試合 |
| 合計 | 29チーム | – | 82試合 |
16+24+12+30で、ちょうど82になります。同じ地区のライバルとは必ず4回。反対カンファレンスのチームとは必ずホームとアウェイで1回ずつの計2回。ここまでは毎年固定です。
ちなみに82試合という数字は1967-68シーズンから定着したもので、もう60年近く変わっていません。例外はロックアウトで50試合になった1998-99シーズン、66試合だった2011-12シーズン、そして新型コロナの影響を受けた2019-20シーズンと72試合の2020-21シーズンくらいです。82試合は多すぎるのではという議論は毎年のように出てきますが、試合数そのものは驚くほど安定しています。
同じカンファレンスなのに「3回しか当たらない」相手がいる理由
上の表で引っかかるのが、同カンファレンスの別地区10チームのうち、6チームとは4回、残り4チームとは3回という部分だと思います。
これは単純な算数の問題です。同カンファレンスの別地区10チームと全部4回ずつ戦うと40試合になり、16+40+30で86試合になってしまう。かといって全部3回だと30試合で、16+30+30の76試合。82にちょうど収めるには、「4回が6チーム、3回が4チーム」しかないわけです。
そして3回対戦のときは、どちらかのホームが2試合、もう一方が1試合になります。この不公平が毎年同じチームに偏らないよう、どの相手が3回になるかはシーズンごとに入れ替わります。
2026-27シーズンで分かりやすいのが、スパーズとサンダーです。この2チームは今季レギュラーシーズンで3回しか対戦しません。ウェンバンヤマとSGAという現在のリーグを代表する2人の直接対決が、西カンファレンス同士なのに年3回。前のシーズンはプレーオフを含めて何度も顔を合わせた組み合わせだけに、少し寂しい割り当てです。
NBAカップのせいで「80試合+2試合」になった
ここからが、最近の日程を理解するうえで一番ややこしいところです。
NBAが夏に発表する日程は、82試合のうち80試合分しかありません。残り2試合は、NBAカップの結果が出てから決まります。
仕組みはこうです。NBAカップの試合は、決勝だけを除いてすべてレギュラーシーズンの成績にカウントされます。つまりグループステージも準々決勝も準決勝も、普通の1試合として勝敗に加算される。
| チームの状況 | 残り2試合の埋まり方 |
|---|---|
| グループステージ敗退(22チーム) | ノックアウト期間の空き日に通常の2試合が追加される |
| 準々決勝で敗退(4チーム) | 準々決勝+追加1試合 |
| 準決勝で敗退(2チーム) | 準々決勝+準決勝の2試合 |
| 決勝進出(2チーム) | 準々決勝+準決勝の2試合(決勝は82試合に含まれない) |
決勝に進んだ2チームだけは、82試合に加えて決勝という1試合を余計に戦うことになります。この決勝は勝敗記録にも個人スタッツにも入りません。2026-27シーズンの決勝は12月11日、インディアナポリスのヒンクル・フィールドハウスで行われます。
バックトゥバックは本当に減ったのか
日程の話で選手に一番影響するのが、2日連続で試合をするバックトゥバック(B2B)です。ここ10年あまりでNBAが最も力を入れてきた部分でもあります。
| シーズン | 1チームあたりのB2B平均 |
|---|---|
| 2014-15 | 19.3回 |
| 2018-19 | 13.3回 |
| 2019-20 | 12.4回 |
| 2026-27 | 14.2回 |
2014-15の19.3回から2019-20の12.4回まで、5年で約36%削減。これはNBAが開幕を1週間ほど前倒しして日程に余裕を作った成果でした。
ところが2026-27は14.2回と、底だった頃より増えています。理由はNBAカップです。12月上旬にノックアウトラウンドを押し込んだ分、どこかで日程が詰まる。それでもリーグは「NBAカップ導入以降で最少」と説明しており、カップを前提にした日程としては改善が続いているという見方になります。
さらに2026-27は、5日間で4試合という最も過酷なパターンがゼロ。12日間で8試合、30日間で18試合もゼロです。長距離移動(750マイル以上)を伴うB2Bも前シーズンの74回から59回に減りました。ロードマネジメントがファンの不満の種になり続けているなか、リーグ側は「休ませる必要がない日程」を作ることで応えようとしている、というのが近年の流れです。
2026-27シーズンの日程を数字で見る
| 項目 | 2026-27シーズン |
|---|---|
| 開幕 | 2026年10月20日(火) |
| レギュラーシーズン最終日 | 2027年4月11日(日) |
| 総試合数 | 1,230試合 |
| 全国放送の試合数 | 247試合 |
| B2B平均/最多 | 14.2回/16回 |
| NBAカップ決勝 | 2026年12月11日 |
| オールスター | 2027年2月19-21日(フェニックス) |
| プレーイン | 2027年4月13-16日 |
総試合数1,230は、82試合×30チーム÷2という計算です。注目は最終日で、30チーム全部が4月11日に試合をします。しかも順位に関わるカード同士が不公平にならないよう、開始時刻をずらす配慮まで入っています。ここで同じ勝率のチームが並んだ場合はタイブレーク規定で順位が決まります。クリスマスの好カードも含め、日程表そのものが一つのコンテンツとして作り込まれているのが今のNBAです。
なお1試合そのものの長さについては、48分の内訳とタイムアウトの仕組みの記事で整理しています。
まとめ
NBAの82試合は、同地区4回×4チームで16試合、同カンファレンス別地区が4回×6チームと3回×4チームで36試合、反対カンファレンスが2回×15チームで30試合。この「16+36+30」が基本の形です。
そしてNBAカップが始まってからは、夏に発表されるのは80試合分だけ。残り2試合はカップの勝ち上がり次第で決まり、決勝だけが82試合の外側に置かれています。バックトゥバックは2014-15の19.3回から大きく減った一方、カップの導入で14.2回まで揺り戻している、というのが2026-27シーズンの現在地です。
日程の作られ方が分かると、「このチームは4月に遠征が続くからキツいな」といった見方ができるようになります。シーズンを追いかけるときの小さな武器として、頭の片隅に置いておくと面白いと思います。

