ハリバートンが「100%、制限なし」と復帰宣言。19勝63敗を耐えたペイサーズの1年は報われるのか

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ペイサーズのタイリース・ハリバートンが、右アキレス腱断裂からの復帰を宣言しました。9月28日(現地時間)のメディアデーで、健康で100%、制限もないと話しています。一方でリック・カーライルHCは、ペースを見ながら進める考えです。この記事では、発言の中身と過去の復帰例、そしてペイサーズの1年を整理します。

メディアデーで本人が先に宣言

AP通信などによると、ハリバートンは質問される前に自分から口を開きました。内容は「健康だし、100%。制限は一切ない」というものです。一部で出ていた情報に対しては、情報源は自分自身だという趣旨の言葉も口にしています。さらに「この1年まるまる欠場した。誰よりもプレーしたい」とも話しました。

印象的だったのは、練習中に転んだときの話です。転んでも体育館の誰も息をのまなかったとき、初めて「普通に戻った」と感じたそうです(AP通信)。

カーライルHCはやや慎重

カーライルHCも、回復ぶりは高く評価しています。AP通信などによると、現時点では素晴らしい回復を遂げたように見えると話しました。そのうえで、大きな制限は想定していないが、適切なペースで進めるとしています。負荷については、トレーニングスタッフと本人と密に話し合って決めるそうです。

本人は「制限なし」、HCは「制限は大きくないが、ペースは管理する」という言い方です。両者のニュアンスには少し差がある、というのが正確なところです。なお地元メディアによると、チャド・ブキャナンGMも9月24日に「100%でフル参加になると思う」と話していました。休ませる日が必要かどうかは、メディカルスタッフに任せるという話です。

そもそもどんな怪我だったのか

ここで、怪我の経緯をおさらいします。負傷したのは2025年6月22日(現地時間)、NBAファイナル第7戦です。敵地でのサンダー戦で、ハリバートンは第1クォーター残り4分55秒で倒れました。それまで約7分の出場で9得点、3Pは4本中3本を決めていました。

ハリバートンは、試合前から右ふくらはぎを痛めた状態でプレーしていました。チームは前半を48-47でリードしましたが、最終的に91-103で敗れています。翌23日にMRIで右アキレス腱断裂が確定し、同日にニューヨークで手術を受けました。7分で9点という立ち上がりを思い出すと、今でも悔しい試合です。

アキレス腱は、ふくらはぎの筋肉とかかとの骨をつなぐ腱です。走る、跳ぶ、踏み切るといった動きのすべてに関わります。後で紹介するデュラントやトンプソンも、断裂した後は1シーズン以上コートを離れました。バスケ選手にとって、それだけ重い怪我です。

手術後、ハリバートンはSNSでファンにメッセージを出しました。アキレス腱が切れても後悔はしていない、この街のためなら何度でも同じことをする、という内容です。そして2025年7月7日、ケビン・プリチャード球団社長が2025-26シーズンの全休を明言しました。

過去の復帰例と比べると

では、復帰1年目はどれくらいを期待していいのか。アキレス腱断裂から戻った選手の例を3人見てみます。

ケビン・デュラントは、2019年6月10日のファイナル第5戦で断裂しました。翌2019-20シーズンは全休し、2020年12月22日にネッツで復帰しています。復帰戦は22得点でした。復帰1年目は35試合で平均26.9得点、FG53.7%、3P45.0%という数字です。

クレイ・トンプソンは少し事情が違います。2019年6月に左膝の前十字靭帯(ACL)を断裂しました。その後、2020年11月のワークアウト中に右アキレス腱も断裂しています。つまりACLからの連続負傷です。復帰は2022年1月9日で、2021-22シーズンは32試合で平均20.4得点、FG42.9%、3P38.5%でした。

ジェイソン・テイタムは、2025年5月12日のプレーオフで断裂しました。復帰は2026年3月6日のマーベリックス戦で、298日ぶりです。27分の出場で15得点・10リバウンド・7アシストを記録しました。

ハリバートンの場合、10月21日の開幕は負傷から約16か月後です。デュラントは約18か月、トンプソンのアキレス腱は約14か月で復帰しています。期間としては、前例と比べて急ぎすぎという印象はありません。

ただ、復帰した年の出場はデュラントが35試合、トンプソンが32試合でした。事情はそれぞれ違いますが、フル出場とはいきませんでした。数字が戻るかどうかより、まずはシーズンを通して健康でいられるかどうか。1年目の現実的な見どころは、そこになりそうです。

参考までに、怪我の前の2024-25シーズンは73試合に出場しています。平均18.6得点・9.2アシスト・3.5リバウンド、3P38.8%でした。オールNBA3rdチームには2023-24、2024-25と2年連続で選ばれています。

ペイサーズにとって長すぎた1年

ハリバートン不在の2025-26シーズン、ペイサーズは19勝63敗でした。球団史上ワーストで、20勝に届かなかったのは初めてです。リーグ全体でも2番目に悪い成績で、故障による欠場は延べ429試合にのぼりました。最終戦は4月12日、ホームでピストンズに121-133で敗れています。

シーズン中には大きなトレードもありました。2026年2月、クリッパーズからイビツァ・ズバッツとコービー・ブラウンを獲得しています。代わりに出したのは、ベネディクト・マサリン、アイザイア・ジャクソンと指名権3つです。内訳は2026年の1巡目、2029年の1巡目(保護なし)、2028年の2巡目でした。

ポイントは2026年の1巡目です。指名権の「保護(プロテクト)」とは、指定した順位に入れば譲らずに済む条件のことです。2026年の1巡目は、5〜9位に入った場合に譲渡される条件付きでした(NBA.comなどの報道。ESPNは「トップ4の外なら譲渡」と説明)。譲渡されなければ、2031年の1巡目(保護なし)に切り替わる取り決めでした。

5月10日のドラフト・ロッタリーで、ペイサーズの指名権は5位になりました。ロッタリーは、プレーオフを逃したチームの上位指名順を抽選で決める仕組みです。5位は譲渡の条件に当てはまる順位だったため、この指名権はクリッパーズへ渡りました。1位はウィザーズでした。ペイサーズは2026年ドラフトで、1巡目・2巡目とも指名権を持っていませんでした(AP通信、5月10日時点)。

プリチャード社長の謝罪

ロッタリー当日、プリチャード社長はXでファンに謝罪しました。ESPNが伝えた投稿の内容は、次のようなものです。

「ファンの皆さんに本当に申し訳ない。このリスクを取ったのは自分だ。こんな1年のあとで5位とは驚いた。運が向く番だと思っていた。ただ、来季強豪と戦うには先発センターが必要だったことは覚えておいてほしい。私たちは常に立ち直ってきた」(ESPN掲載の投稿を日本語訳)

さらに取材の場では、来季は最高レベルで戦う、タイが戻ってくると話しています(AP通信)。ハリバートン本人も、賭けに負けて指名権は得られなかったが、リーグ屈指のセンターのズバッツを得たと語っていました(SI)。

メディアデーでは、そのズバッツもハリバートンについて話しています。コートで一緒に過ごした時間は長くないが、その時間はとても自然に感じたそうです(AP通信)。

契約はまだ3年残っている

ハリバートンの契約も確認しておきます。2023年7月、ペイサーズと5年のルーキー・マックス延長を結びました。ルーキー・マックス延長は、新人契約が終わる選手と結ぶ最大額の延長契約です。期間は2024-25から2028-29までです。

当初はサラリーキャップの25%が基準で、5年約2億400万ドルでした。ただ、オールNBA選出などで30%に上がる条項が付いていました。2023-24にオールNBA3rdチームに選ばれたことで条項が発動し、総額は約2億4,500万ドルになっています。2026-27は契約の3年目で、今季を含めてまだ3シーズン残っています。

復帰後の日程

プレシーズン初戦は10月7日のティンバーウルブズ戦です。会場はアイオワ州エイムズのヒルトン・コロシアムで、ハリバートンの母校アイオワ州立大のホームです。ハリバートンが出場すれば、母校アイオワ州立大の本拠地での凱旋試合になります。

レギュラーシーズンの開幕は10月21日、敵地でのペリカンズ戦です。ホーム開幕は10月23日のマーベリックス戦になります。2025年ファイナルの相手サンダーとは、11月23日にホームで、2027年2月5日にアウェイで対戦します。

まとめ

ハリバートンは9月28日のメディアデーで、健康で100%、制限なしと復帰を宣言しました。カーライルHCも回復を評価しつつ、負荷はペースを見て管理する考えです。過去の例を見ると、復帰した年の出場はデュラントが35試合、トンプソンが32試合でした。まずはシーズンを通して健康でいられるかが、1年目の大きなポイントになります。

ペイサーズは19勝63敗に耐え、2026年の1巡目も手放しました。ズバッツ獲得という賭けが報われるかどうかも、ハリバートンの復帰次第です。チームとしては、10月7日のエイムズから新シーズンが動き出します。まずはケガなく、ハリバートンらしいパスを1本でも多く見せてほしいです。

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