NBA選手の出身大学と聞いて、どこを思い浮かべますか。自分はまずケンタッキー大やデューク大が出てきますが、実際の数字で見るとその差はかなりはっきりしていて、思っていた以上に上位校への集中が進んでいることが分かります。現役選手の人数と歴代の輩出数、両方のデータを並べて、NBA選手を生み出す大学バスケの勢力図を整理してみました。
現役NBA選手が多い大学トップ10
選手の契約データを扱う米スポートラック社の集計によると、2025から26シーズン時点で現役NBA選手が最も多い大学は次の通りです。
| 順位 | 大学 | 現役NBA選手数 |
|---|---|---|
| 1 | ケンタッキー大学 | 27人 |
| 2 | デューク大学 | 25人 |
| 3 | アリゾナ大学 | 14人 |
| 4 | UCLA | 13人 |
| 4 | ミシガン大学 | 13人 |
| 6 | ゴンザガ大学 | 12人 |
| 7 | カンザス大学 | 11人 |
| 8 | アーカンソー大学 | 10人 |
| 9 | ベイラー大学 | 9人 |
| 9 | コネチカット大学 | 9人 |
| 9 | 南カリフォルニア大学 | 9人 |
1位のケンタッキー大と2位のデューク大は、3位のアリゾナ大に10人以上の差をつけています。長年にわたって多くの選手をNBAへ送り込んできた2校が、代替わりを繰り返しながらも今も現役選手の数で突出しているのが分かります。上位の常連校がほぼ変わらないのは予想通りですが、意外だったのは6位のゴンザガ大です。西部の小規模校ながら12人もの現役選手を抱えていて、ドマンタス サボニスやシェット ホルムグレン、アンドリュー ネンバードといった名前が並びます。八村塁の出身校でもあり、日本のファンにとっては親近感のある結果ではないでしょうか。
歴代の輩出数で見ると勢力図はさらに固まる
では歴代の累計で見るとどうなるのでしょうか。NBA創設以来の輩出数をまとめたデータでは、次のような順位になっています。
| 順位 | 大学 | 歴代NBA選手数 |
|---|---|---|
| 1 | ケンタッキー大学 | 140人 |
| 2 | デューク大学 | 107人 |
| 3 | UCLA | 106人 |
| 4 | ノースカロライナ大学 | 102人 |
| 5 | カンザス大学 | 89人 |
| 6 | インディアナ大学 | 71人 |
| 6 | アリゾナ大学 | 71人 |
| 8 | ミシガン大学 | 70人 |
歴代で見ても1位はケンタッキー大で140人、2位のデューク大とは30人以上の差があります。現役ランキングでは12人だったゴンザガ大がここには顔を出していないことからも、2010年代以降に急激に力をつけてきた大学だということが読み取れます。長い歴史を持つ名門と、近年急成長してきた大学の両方が存在するのが、今のNCAAバスケットボールの面白さだと自分は思います。
ワンアンドダン時代と大学の勢力図
ケンタッキー大とデューク大が強いのは、毎年のようにドラフト全体1位級の選手を獲得し続けているからです。1年だけ大学でプレーしてNBA入りする、いわゆるワンアンドダンの選手を数多く受け入れてきた歴史が、この積み重ねにつながっています。2025年のドラフトで全体1位になったクーパー フラッグもデューク大の出身で、まさにこの流れを象徴する存在です。
一方で、NILの普及によって大学に長く残る選手も増えてきました。ワンアンドダンが減っているのかという議論もある中で、大学ごとの輩出数がどう変化していくのかは、今後数年で見えてくるテーマだと思います。USCのように、ブロニー ジェームズのような話題性の高い選手が1年だけ在籍して現役選手数を押し上げるケースもあり、ランキングの中身は年々入れ替わっています。
ランキングの中身を選手名で見ると、さらに面白さが増します。ケンタッキー大の現役組にはアンソニー デイビスやタイリース マキシーなど、すでにオールスター級の選手が何人も含まれています。デューク大もザイオン ウィリアムソンやパオロ バンケロなど、各世代を代表するスターを送り出し続けていて、単に人数が多いだけでなく質の高さも兼ね備えているのが分かります。
こうした大学は、優秀な高校生を毎年のように集められるリクルーティング力を持っています。有力選手にとっても、NBAスカウトの目に留まりやすい舞台で1年間プレーできることは大きな魅力です。結果として強い大学にさらに強い選手が集まる循環ができていて、この循環こそがランキング上位の固定化を生んでいるのだと思います。新興の強豪校がこの循環に割り込むには、一度でも大きな実績を出して注目を集める必要があります。
ワンアンドダン制度のおさらい
そもそもワンアンドダンという仕組みは、2006年のドラフトから導入されたルールが背景にあります。高校を卒業してすぐにドラフトへ参加することができず、最低でも1年間は大学や海外などでプレーしてからでなければNBA入りできないという決まりです。この結果、才能のある高校生がこぞって強豪大学へ進学し、1年だけプレーしてドラフトへ向かう流れが定着しました。ケンタッキー大やデューク大が現役選手数で強さを保っているのも、この制度をうまく利用してきた側面が大きいと言えます。
一方で、この制度には賛否もあります。本来であれば高校からすぐにプロ入りできる実力を持つ選手が、1年間だけ大学でプレーすることを義務付けられるのは不自然だという意見も根強くあります。大学側にとっては毎年トップクラスの才能を獲得できる仕組みでもあるため、制度の是非をめぐる議論は今も続いています。
日本の大学バスケとの違い
日本のBリーグでは、必ずしも特定の大学出身者が固まって活躍するという傾向は強くありません。ひとつの大学が毎年のようにプロ選手を量産する構造自体が、アメリカならではの仕組みだと言えます。奨学金制度や強力なリクルーティング網、そしてNBAへの近道としての知名度が組み合わさって、ケンタッキー大やデューク大のような存在が生まれているのだと思います。
日本の大学バスケにもリクルーティングはありますが、能力の高い高校生がひとつの大学に集中する度合いはアメリカほど極端ではありません。奨学金の規模や、進学先を選ぶ際にプロ入りだけを基準にしない文化の違いも背景にあると考えられます。どちらが良い悪いという話ではなく、育成の仕組みそのものが違うのだと捉えるのが自然だと思います。選手個人のキャリア形成としてどちらが向いているかは、本人の性格や目標によっても変わってくるはずです。
NBAではこうした議論を受けて、将来的にドラフト参加資格の年齢を見直す可能性も度々話題になっています。もし高校生のうちからドラフトに参加できる仕組みに戻った場合、大学バスケの勢力図も大きく変わるかもしれません。ケンタッキー大やデューク大がこれまで築いてきた優位性が、制度の変更によってどう動くのかも気になるところです。
現役ランキングと歴代ランキングという二つの切り口を比べてみると、長年変わらない常連校の強さと、時代ごとに顔を出す新興勢力の両方が見えてきます。ゴンザガ大のように決して伝統校とは言えない大学が、ここ15年ほどで一気に実力校へ駆け上がった例もあります。強豪校の固定化だけでは語れない、大学バスケならではのダイナミズムがここにはあると感じます。
応援している選手の出身大学を知っておくと、ドラフトのたびに同じ大学の後輩が指名される場面にも気づきやすくなります。先輩から受け継がれる指導やプレースタイルが、その大学らしさとしてコート上に表れることもあります。選手個人を追いかけるだけでなく、出身大学という切り口でNBAを見てみるのも、新しい楽しみ方のひとつだと思います。
今回紹介したランキングも、半年後にはまた少し違う顔ぶれになっているはずです。ドラフトやトレード、契約の動き次第で現役選手数はすぐに変わります。折に触れてこの手のデータを確認してみるのも、長くNBAを追いかけるうえでの楽しみ方の一つになるはずです。
まとめ
- 現役NBA選手数は1位ケンタッキー大27人、2位デューク大25人
- ゴンザガ大が12人で6位に入り、八村塁の出身校として存在感を見せている
- 歴代累計では1位ケンタッキー大140人、2位デューク大107人、3位UCLA106人
- ワンアンドダンの文化とNILの広がりが、大学ごとの輩出数を左右している
- 2006年導入のドラフト参加資格ルールが、強豪校への才能集中を後押ししてきた
同じ大学出身の選手同士がNBAで対戦する場面に気づくと、少し見方が変わって面白くなるかもしれません。次に試合を見るときは、選手の出身大学にも注目してみてください。
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