レブロン・ジェームズ、ステフィン・カリー、ケビン・デュラント。この3人の名前を聞いて、「NBAを代表する選手」と思わない人はほとんどいないでしょう。2010年代から長期間にわたってリーグの中心に立ち、MVP、優勝、得点王、Finals MVPなど数え切れないほどの実績を残してきました。
ところが、ESPNが発表した2026-27シーズン開幕前の「NBA Rank」で、ついに大きな変化が起きました。カリー12位、KD13位、レブロン18位。3人全員がTOP10から姿を消したのです。
もちろん、これは「3人がもう活躍できない」という意味ではありません。そもそもESPNのNBA Rankはキャリアの偉大さではなく、2026-27レギュラーシーズンでどれだけ貢献するかを予想したランキングです。それでも、この3人が一人もTOP10にいないランキングを見ると、さすがに思うことがあります。
ああ、本当にNBAの時代が変わったんだな、と。
カリー12位、KD13位、レブロン18位
今回の順位をもう一度見てみましょう。カリーが12位、KDが13位、レブロンが18位です。特に衝撃的なのがレブロンで、ESPNによるとNBA Rankが始まってから15年間で初めてTOP10から外れました。
ただ、別の見方をすればレブロンは数か月後に42歳です。それなのにまだ18位にいる。ESPN自身も「TOP10から外れたことより、42歳になる選手がTOP25にいることの方を評価すべき」と指摘しています。
普通のNBA選手ならとっくに引退している年齢です。それどころか、レブロンより10歳以上若くてもNBAから姿を消している選手はいくらでもいます。それなのにレブロンは「世界18位は低すぎるのでは?」という議論をされている。
冷静に考えたら、こっちの方がおかしいです。笑
レブロンがTOP10にいることが「普通」だった15年間
レブロンがNBA入りしたのは2003年です。まだiPhoneすら存在していませんでした。
そこからMVP4回、NBA優勝4回、Finals MVP4回。NBA史上最多得点記録も更新し、40歳を超えても現役を続けています。もはや「何年トップレベルだったのか」を数えること自体がおかしくなってきました。
そしてESPNのNBA Rankでも、ランキング開始以来ずっとTOP10にいました。それが2026年、初めて18位まで落ちました。
順位だけを見れば大幅ダウンです。しかし「41歳の選手が18位」という表現に変えると、一気に意味が変わります。レブロンの順位低下は衰えの証明であると同時に、ここまで衰えるのに時間がかかったこと自体が異常とも言えます。
カリーもついに12位へ
ステフィン・カリーは12位です。TOP10まであと一つなので、「圏外」といってもほぼ境界線にいます。
カリーについてESPNが懸念材料として挙げているのが耐久性です。2025年のプレーオフではハムストリングを痛め、その翌2025-26シーズンも右膝の問題などで欠場が増えました。ESPNによると昨季の出場試合数はキャリアで3番目に少なく、シーズン終盤にかけても長期間離脱しています。
つまり「カリーのシュートが入らなくなったから12位」という話ではありません。健康な状態なら今でも相手の守備を大きく変えられる一方で、38歳になったカリーが82試合を通してどれだけ高いパフォーマンスを維持できるのか。その不確実性まで含めた12位です。
それでも38歳でNBA12位。
これも普通に考えたら十分おかしいんですけどね。笑
KDは38歳でも13位。アキレス腱断裂後の数字がおかしい
ケビン・デュラントは13位でした。カリーのすぐ後ろです。
KDも2026年9月に38歳を迎えます。それでも昨季はAll-NBAに選出され、これで通算12回目。さらにESPNによると、2019年に右アキレス腱を断裂して以降のKDは、平均でおよそ27得点、6リバウンド、5アシスト、FG53%、3P41%、FT88%という数字を残しています。
アキレス腱断裂は、特に一昔前なら選手のキャリアそのものを変えてしまう大怪我でした。KDも約1年半公式戦から離れました。それなのに復帰後の長期間を切り取って27得点、53/41/88。
改めて数字を見ると意味が分かりません。
現在はロケッツで若いアメン・トンプソンやアルペレン・シェングンらとプレーしています。以前のように「KD一人で全部やってください」という環境ではありませんが、38歳になっても優勝を狙うチームの中心にいる時点で、十分異常なキャリアです。
3人が衰えたというより、下から来た選手がおかしい
ここで重要なのが、今回3人がTOP10から外れた理由です。
もちろん年齢による衰えはあります。レブロンは41歳、カリーとKDも38歳です。全盛期とまったく同じではありません。
しかし、それだけではありません。下の世代が一気に強くなりました。
前の記事で取り上げた通り、ESPNの最新ランキングではニコラ・ヨキッチが1位、ビクター・ウェンバンヤマが2位、シェイ・ギルジャス=アレクサンダーが3位。ヨキッチは3年連続1位で、22歳のウェンビーはすでに世界2位評価まで上がっています。
つまりレブロン、カリー、KDが落ちてきたのと同時に、次の世代が上から押し込んできた。
これが「世代交代」を強く感じる理由です。
少し前まで「NBAの顔」といえばこの3人だった
2010年代のNBAを振り返ると、この3人を避けて通ることはできません。
レブロンはヒート、キャバリアーズ、レイカーズで優勝。カリーはウォリアーズ王朝を作り、3ポイントを中心としたNBAの戦い方そのものを変えました。KDはMVPを獲得し、ウォリアーズではFinals MVPを2度受賞。その後アキレス腱断裂から復帰してもリーグ最高峰のスコアラーであり続けました。
もちろん、この時代にはカワイ・レナード、ジェームズ・ハーデン、ラッセル・ウェストブルック、クリス・ポールら多くのスターがいます。ただ、「NBAを知らない人でも名前を聞いたことがある」という領域まで考えると、レブロン、カリー、KDの存在感は別格でした。
だからこそ、3人が同時にTOP10から消えたランキングはインパクトがあります。
一人ずつなら「今年は怪我があったから」で済みます。
3人同時となると、さすがに時代です。
新しいNBAの中心はヨキッチ、ウェンビー、SGA
では、代わりにNBAの中心へ来たのは誰なのか。
象徴的なのがヨキッチ、ウェンビー、SGAでしょう。
ヨキッチはセルビア、ウェンビーはフランス、SGAはカナダ出身です。アメリカのリーグであるNBAの世界最高峰を、アメリカ国外出身の選手たちが占める時代になりました。
さらにルカ・ドンチッチ、ヤニス・アデトクンボらも長年トップクラスにいます。アンソニー・エドワーズ、ケイド・カニングハムなどアメリカの若手スターも成長しており、リーグの中心となる選手層そのものが完全に入れ替わり始めています。
レブロンたちが若かった頃とは、NBAの景色がかなり違います。
でも「TOP10圏外=終わった」ではない
ここは勘違いしたくないところです。
今回のランキングを見て「レブロン、カリー、KDの時代は完全に終わった」と言い切るのは早いと思います。


