2月のある木曜日、午後3時を回った瞬間からタイムラインが荒れ出す。あの数時間を一度でも味わうと、NBAのトレードデッドラインがどれだけ特別な日か分かりますよね。でも「結局、何時までに何ができなくなるの?」「期限を過ぎても補強してるチームがあるのはなぜ?」というあたりは、意外とあいまいなままにしている人が多い気がします。
この記事では2026-27シーズンのトレードデッドラインを、日付・時刻から「期限後にできること/できないこと」、そして過去40年ぶんの成立件数データまで整理しました。
2027年のトレードデッドラインは2月11日(木)午後3時
NBAが発表した2026-27シーズンのトレード期限は、2027年2月11日(木)午後3時(東部時間)です。日本時間に直すと2月12日(金)午前5時。金曜の朝に起きたらトレードが全部終わっている、というのが日本のファンにとってのデッドラインの体感です。
ちなみに2026年のデッドラインは2月6日でした。2027年は例年よりやや遅めの設定で、オールスターウィークエンド(2027年2月19〜21日・フェニックス開催)の直前の木曜日に当たります。2026-27シーズンの全日程と合わせて押さえておくと、シーズンの区切りが見えやすくなります。
なぜ「オールスター直前の木曜日」なのか
デッドラインがオールスターの直前に置かれているのは、リーグの事情というより実務上の都合です。オールスターブレイク(2027年は2月19〜24日)はシーズン中で唯一、ほぼ全チームが数日間試合を空ける期間。トレードされた選手が移動し、メディカルチェックを受け、新しいチームの練習に合流するための「のりしろ」が、ここにしかないわけです。
そしてもう一つ。レギュラーシーズンが終わるのは4月11日前後なので、デッドラインの時点で残り試合は約25〜30試合。獲得した選手を戦力として組み込むのに、ギリギリ間に合う線引きでもあります。
期限後にできること、できないこと
「トレード期限が過ぎた=ロスターが凍結される」と思われがちですが、これは誤解です。禁止されるのはトレードだけで、他の手段は全部生きています。
| やりたいこと | 2月11日午後3時以降 | 補足 |
|---|---|---|
| 選手のトレード | × | シーズン終了後(ドラフト前後)まで一切不可 |
| 選手のウェイブ(解雇) | ○ | いつでも可能 |
| FA選手との契約 | ○ | ロスター枠と資金があれば可 |
| 10日間契約 | ○ | 1月5日以降いつでも可 |
| ツーウェイ契約→本契約への転換 | ○ | 枠が空いていれば可 |
| バイアウトによる契約解除 | ○ | ただし下記の3月1日が実質的な締切 |
つまり期限後の補強は「トレード」から「ウェイブされた選手の拾い合い」に競技が切り替わる、というイメージです。セカンドエプロンを超えているチームはトレードそのものに強い制限がかかるので、むしろこの市場が主戦場になります。
本当の最終期限は3月1日
優勝争いをしているチームにとって、2月11日より大事かもしれない日付があります。3月1日の「プレーオフ出場資格ウェイバー期限」です。
ルールはシンプルで、3月1日までに元のチームからウェイブされた選手だけが、別のチームでプレーオフに出場できる。3月2日以降にウェイブされた選手は、新しいチームでレギュラーシーズンの試合には出られても、プレーオフのロスターには入れません。
だから毎年2月後半になると、プレーオフに届かないチームのベテランが次々にバイアウトで契約を解除され、優勝候補に流れていきます。「あのベテラン、なんで2月末に急に動いたの?」の答えは、ほぼこの日付です。
データで見ると、デッドラインは年々賑やかになっている
「昔のほうが大型トレードが多かった」という感覚を持っている人もいると思いますが、件数ベースで見ると答えは逆です。NBAが1987年以降に記録しているデッドライン当日の成立件数を並べると、増加傾向がはっきり出ます。
| 年 | デッドライン当日の成立件数 | 関与球団 | 移動した選手 |
|---|---|---|---|
| 2025 | 15件 | 21 | 47人 |
| 2024 | 15件 | 20 | 42人 |
| 2023 | 12件 | 24 | 49人 |
| 2022 | 10件 | 16 | 35人 |
| 2021 | 16件 | 23 | 48人 |
| 2020 | 11件 | 16 | 30人 |
| 2019 | 14件 | 19 | 34人 |
| 2018 | 12件 | 19 | 30人 |
| 2017 | 8件 | 12 | 19人 |
| 2016 | 9件 | 17 | 20人 |
当日の最多は2021年の16件。逆に2000年はたった1件、1995年・1992年・1991年・1987年も各1件しかありませんでした。90年代までは「デッドラインに何も起きない年」が普通にあったわけです。
そして2026年は、期限前1週間という範囲で28件のトレード・73選手の移動という史上最多記録をリーグが発表しました。30球団のうち27球団が最後の1週間で何かしら動いた計算です。スター選手の大型移籍という意味では静かな年と言われたのに、件数だけは過去最高。トレード例外(TPE)や指名権を絡めた小口のトレードが増えているのが、この数字の中身だと思います。
まとめ
- 2026-27シーズンのトレード期限は2027年2月11日(木)午後3時(ET)/日本時間2月12日(金)午前5時
- 期限後に禁止されるのはトレードだけ。ウェイブ・FA契約・10日間契約は引き続き可能
- 優勝候補にとっての実質的な最終期限は3月1日(ここまでにウェイブされた選手だけがプレーオフに出られる)
- デッドライン当日の成立件数は2021年の16件が最多。2026年は期限前1週間で28件73選手という史上最多を記録
なお、トレードされる側にも事情があります。球団の判断だけで動かせない選手についてはNBAのノートレード条項とは?のほうで、拒否権を持つ選手の一覧まで整理しました。
トレードの中身そのものがどう決まっていくのかはトレードの裏側、金額面の制約はサラリーキャップの仕組みのほうで整理しています。2月11日の朝、慌てずに見られるようになっていれば嬉しいです。

