ドラフト1年目の選手の中から、その年を代表する活躍を見せたルーキーを選ぶのがNBAのオールルーキーチームです。新人王とはまた違った角度で評価される制度で、毎年どの新人が選ばれるか地味に楽しみにしている人も多いと思います。シーズン終盤になると、新人王の話題と合わせてこのメンバーが取り上げられることも増えてきます。今回はこの制度の仕組みと歴史を振り返ってみます。
オールルーキーチームとは何か
オールルーキーチームは、そのシーズンで最も活躍したルーキーの中から選ばれるファーストチーム5人とセカンドチーム5人の合計10人で構成されます。この制度自体は1962-63シーズンから続いており、NBAの数ある表彰の中でもかなり歴史の長いものの一つです。
選出方法は時代によって変わってきました。1964-65シーズンから2012-13シーズンまではヘッドコーチの投票で決まっていましたが、2013-14シーズン以降はメディアパネルによる投票に切り替わっています。2025-26シーズンの発表では、世界各国のメディア関係者100人が投票したとされています。
新人がドラフトのどの順位で指名されたかは関係なく、あくまでそのシーズンの実際のプレー内容だけで評価されます。ツーウェイ契約からステップアップしてきた選手でも、十分な出場機会とパフォーマンスがあれば選出対象になります。
新人王はシーズンを通じて最も優れた一人の新人を選ぶ賞ですが、オールルーキーチームはチーム形式でその年の新人全体のレベルを示す表彰だという違いがあります。両方を見比べることで、その年のルーキー世代がどれくらい層が厚かったかが見えてきます。
オールルーキーチームに入ることは、本人のキャリアにとっても一つの実績になります。たとえコーチや球団の評価だけでなく、外部の目から見てもその年を代表する新人として認められたという意味を持つからです。
活躍が認められてオールルーキーチームに入ると、その後のルーキースケール契約の延長交渉でも一つの材料として扱われることがあります。もちろん決定的な要素ではありませんが、客観的な評価として交渉の後押しになる場合もあります。
選出方法、2点と1点で決まる順位
投票の仕組みはシンプルです。各投票者がファーストチームに選んだ選手には2点、セカンドチームに選んだ選手には1点が入り、その合計点で順位が決まります。
| 投票内容 | 獲得ポイント | 結果 |
|---|---|---|
| ファーストチーム票 | 2点 | 上位5人がファーストチーム |
| セカンドチーム票 | 1点 | 次の5人がセカンドチーム |
例えばある選手が10人の投票者からファーストチーム票を受け、残り5人の投票者からセカンドチーム票を受けたとすると、獲得ポイントは25点になります。この合計点がリーグ全体の新人の中で上位10人に入れば、オールルーキーチームの一員になれるという仕組みです。
集計はアーンスト アンド ヤングという会社が担当しており、第三者機関が点数をまとめる形になっています。
投票を外部の会社に任せているのは、球団やリーグ内部の意向が結果に影響しないようにするためだと考えられます。新人賞のようにファン投票が絡む表彰ではないため、あくまでメディアの評価だけで決まる仕組みになっています。
歴代の珍しい記録、3人タイと全員トップ5世代
2011-12シーズンには、ファーストチームの5番目の座をめぐって3人の選手が40点で並ぶという珍しい事態が起きました。もともと上位4人の指名は決まっていましたが、残り1枠を3人が同点で分け合う形になり、この年のファーストチームは異例の7人体制になりました。セカンドチームは通常どおり5人のままです。
| 選手 | 区分 |
|---|---|
| カイリー アービング | 本来の上位4人 |
| リッキー ルビオ | 本来の上位4人 |
| ケネス ファリード | 本来の上位4人 |
| クレイ トンプソン | 本来の上位4人 |
| イマン シャンプート | 同点で追加 |
| カワイ レナード | 同点で追加 |
| ブランドン ナイト | 同点で追加 |
もう一つ印象的なのが2018-19シーズンです。この年のファーストチームはルカ ドンチッチとトレイ ヤングが満票で選ばれたのに加えて、5人全員が同じ年のドラフトでトップ5指名された選手で構成されました。これは1984-85シーズン以来となる珍しい世代でした。ドラフト上位指名の当たり外れを考えるうえでも、この年の新人世代は象徴的な存在だと思います。
満票かつ全員トップ5指名という組み合わせは、その後のシーズンでもなかなか再現されていません。才能あるルーキーが生まれる年とそうでない年の差が、こうした記録にもはっきり表れていると思います。
ポイント投票である以上、こうした僅差の争いは今後も起こり得ます。1票の重みが順位を左右する場面があるからこそ、メディア投票という仕組みには毎年注目が集まります。
球団別の選出数、ブルズが歴代最多
どの球団の選手が多くオールルーキーチームに選ばれているかを見ると、シカゴ ブルズが歴代最多の26回選出というトップの座にいます。長年にわたって有望なルーキーを獲得し続けてきた結果とも言えそうです。
この制度の点数方式は、オールNBAチームの選出方法とよく似ています。どちらもメディア投票によるポイント制で、ファーストとセカンドに分けて表彰する形は共通しています。新人向けにはサードチームがない分、オールルーキーチームの方がシンプルな仕組みです。
2023-24シーズンまでの集計では、オールルーキーチームに選ばれた選手のうちすでに69人が名誉の殿堂に入っており、77人がアメリカ国籍以外の選手だったというデータも残っています。若手の頃から将来性を示していた選手が多いことがうかがえます。
ブルズが歴代最多というのも、長期的に見ればドラフト運だけでなく編成の継続性が影響している部分も大きいはずです。毎年のように有望なルーキーを獲得し続けるのは簡単なことではありません。選出歴の長さは必ずしも今の強さを示すものではありませんが、育成力の指標として参考になる数字だとは思います。
もちろん選出数が多い球団ばかりが常に新人を育てられているわけではありません。近年はリビルド中の球団にもチャンスが多く巡ってきており、毎年さまざまな球団から選手が顔を出しています。
2025-26シーズンの選出結果、フラッグらが選出
直近の2025-26シーズンは、ダラス マーベリックスのクーパー フラッグがファーストチームの中心的存在として選出されました。両チームの全メンバーは次のとおりです。
| チーム | 選手 | 所属球団 |
|---|---|---|
| ファースト | クーパー フラッグ | マーベリックス |
| ファースト | コン クネッペル | ホーネッツ |
| ファースト | VJ エジェコム | セブンティシクサーズ |
| ファースト | ディラン ハーパー | スパーズ |
| ファースト | セドリック コワード | グリズリーズ |
| セカンド | デリック クイーン | ペリカンズ |
| セカンド | マキシム レイノー | キングス |
| セカンド | ジェレマイア フィアーズ | ペリカンズ |
| セカンド | エース ベイリー | ジャズ |
| セカンド | コリン マレー ボイルズ | ラプターズ |
ペリカンズから2人選ばれているのも今シーズンの特徴です。再建期のチームほどルーキーに出場機会が多く回りやすく、数字を伸ばす土台になっていたのかもしれません。
今回選ばれたメンバーの所属球団を見ると、セブンティシクサーズやスパーズ、ホーネッツなど再建期に入っているチームが目立ちます。若手が出場機会を得やすい環境が、ルーキーの好成績にもつながっているのだと思います。
まとめ
- オールルーキーチームは1962-63シーズンから続く、新人の活躍を評価する表彰制度である。
- 2013-14シーズン以降はメディアパネルの投票で、2点と1点のポイント制により順位が決まる。
- 2011-12シーズンの3人タイや2018-19シーズンの全員トップ5指名世代など、歴史的に珍しい選出もあった。
- 2025-26シーズンはクーパー フラッグを中心としたメンバーが選ばれている。
新人王ほど目立たない表彰ですが、選ばれた顔ぶれを見比べると各シーズンのルーキー世代の層の厚さが伝わってきます。数年後にオールスターや主力に育っている選手も多く、今のうちから名前を覚えておくと後から振り返るのも楽しくなります。来シーズンどの新人がこのリストに名を連ねるのか、自分も楽しみに見ていきたいと思います。
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