オクラホマシティ サンダーは2024-25シーズンに68勝14敗の成績で優勝した、今のNBAを代表する強豪です。昨シーズンはウェスタンカンファレンスファイナルでスパーズに敗れていますが、今季の開幕からも好調を維持していて、普通に考えれば格上の相手です。ところが10月28日、ダラス マーベリックスはそのサンダーを120対96と、はっきりとした差をつけて下しました。10月もまだ終わらない時期とはいえ、有力チームにこれだけの点差をつけた一戦は見逃せません。
マブスにとってはこれで3勝2敗です。負傷から586日ぶりに復帰したカイリー アービングが合流してからの5試合は、黒星がついても接戦続きでした。チームの手応えは悪くなかったように見えます。そこに来てのこの快勝は、シーズン序盤としてはかなり上出来な結果だと自分は思います。有力チームに力の差を見せつけられるシーズン序盤のこうした一戦は、チーム内の雰囲気を大きく変えるきっかけになることがあります。今シーズンのマブスをどう評価するかは、この一勝を踏み台にできるかどうかにもかかっていると思います。
試合の流れ、サンダーは第3クオーターから失速
第1クオーターは33対30、第2クオーターも32対29とマブスがわずかにリードする展開でした。前半だけなら65対59、まだサンダーにも十分可能性が残るスコアです。試合が動いたのは後半でした。第3クオーターはマブスが29点に対してサンダーは22点、第4クオーターはマブスが26点に対してサンダーはわずか15点しか取れませんでした。なお、この試合はレギュラーシーズンの一戦で、来週開幕するNBAカップの対象試合ではありません。
| チーム | 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| サンダー | 30 | 29 | 22 | 15 | 96 |
| マブス | 33 | 32 | 29 | 26 | 120 |
後半だけで見ると55対37でした。守備が格段にしっかりしているはずの強豪が、後半にまさかの崩れ方を見せたことになります。前半はシュートの応酬でリードが何度も入れ替わっていましたが、後半に入るとマブスのディフェンスが足を止めずに動き続け、サンダーのオフェンスにリズムを作らせませんでした。この試合はダラスの本拠地アメリカン エアラインズ センターで行われました。
フラッグが26得点8アシスト、新人王の2年目が見えてきた
この試合で最も目立ったのはクーパー フラッグです。32分56秒の出場で26得点5リバウンド8アシスト、フィールドゴールは23本中10本でした。チームトップの得点とアシストを両方記録しています。味方にボールを集めながら自分のシュートも打つバランスは、簡単に真似できるものではありません。
昨シーズンは70試合に出場して1試合平均21得点6.7リバウンド4.5アシストを残し、新人王に選ばれています。2年目となる今シーズンはガード陣が薄いマブスでボールを持つ時間がさらに増えていて、この試合のアシスト8はその象徴だと自分は見ています。点を取るだけでなく、味方を生かす場面も増えてきました。18歳でリーグに入った選手が2年目でこれだけ視野の広いプレーを見せているのは、素直にすごいことだと思います。
フィールドゴール23本中10本という成功率自体は派手ではありませんが、23本という試投数の多さが光ります。チームの中心として攻撃を作る役割を背負いながらこれだけのシュートを打てているのは、新人王シーズンよりも明らかに自信を増した証拠だと自分は感じています。味方が苦しい時間帯でも自分で仕掛けられるという選択肢が増えたことは、チームにとって大きな意味を持つはずです。フラッグの2年目に向けた準備についてはこちらの記事でも詳しく触れています。
カイリー アービングの復帰は、やっぱり本物だった
アービングは26分58秒の出場で15得点2リバウンド4アシスト、3ポイントは8本中3本でした。プラスマイナスは出場した選手の中で最も高い25でした。得点そのものは控えめでも、コート上での存在感がチームの歯車をかみ合わせていたということだと思います。
アービングは昨シーズンをACL断裂のリハビリで全休していました。今季の開幕前にはマカオでのプレシーズンゲームで復帰を果たしています。そこから100%の状態を自分で証明し続けていて、この試合でもそれを裏付けた格好です。19ヵ月という長いブランクを経てもなお、要所でチームを落ち着かせるプレーができているのは、やはりこの選手の非凡さだと自分は思います。
サンダー側の誤算、ベンチ力の差が点差を広げた
サンダーはギルジアス=アレクサンダーが21得点6リバウンド2アシストを記録しましたが、フィールドゴールは19本中7本と効率は上がりませんでした。プラスマイナスはマイナス21です。2024-25シーズンにMVPとファイナルMVPの両方に輝いた選手だけに、この内容には驚いた人も多いはずです。マブスのディフェンスがダブルチームを早いタイミングで送り続け、得意の間合いでシュートを打たせなかったことが大きかったと自分は見ています。1人のスーパースターに頼り切った攻撃を続けていると、相手にうまく的を絞られてしまう日もどうしても出てきます。
別の試合でキャリアハイを記録したエイジャ ミッチェルはこの日もベンチから29得点と結果を出していますが、チーム全体としては後半の失速を止められませんでした。マブス側もザッカリー リサシェがフィールドゴール6本中5本で13得点と、効率の良い仕事をベンチからこなしています。スターター同士の対決では分が悪くなかったサンダーですが、控え選手の時間帯でまとめて点差を広げられてしまいました。長いシーズンを戦ううえで、主力が苦しい日にベンチがどれだけ踏みとどまれるかは、優勝を争うチームにとって無視できない要素です。この試合だけを見ればマブスのベンチにわずかに軍配が上がったと言えます。
チェット ホルムグレンはこの試合に出場していません。2年前に優勝した時の選手層の厚みはまだ十分に残っているはずです。編成面での悩みを抱えつつも、このまま簡単に失速するとは自分には思えません。ギルジアス=アレクサンダーのような選手は、こうした悪い試合をすぐに忘れて次の試合で修正してくるものです。次に対戦した時にどう変わっているかも楽しみです。
マブスの開幕5試合とこれからの日程
今シーズンのマブスはここまで浮き沈みの激しい立ち上がりでした。開幕戦は敵地でロケッツに110対128で大敗し、その2試合後にはペイサーズを121対105で下し、続くスパーズ戦では106対122で負けています。さらにヒート戦を113対109で勝ち切り、そしてこのサンダー戦につながっています。勝った試合はいずれも1桁差の接戦で、ここまでは地力の違いを点差で見せつけるような勝ち方はできていませんでした。
| 日付 | 対戦相手 | 結果 | スコア |
|---|---|---|---|
| 10月21日 | @ロケッツ | 敗 | 110対128 |
| 10月23日 | @ペイサーズ | 勝 | 121対105 |
| 10月24日 | スパーズ | 敗 | 106対122 |
| 10月26日 | @ヒート | 勝 | 113対109 |
| 10月28日 | サンダー | 勝 | 120対96 |
勝った試合と負けた試合が交互に並んでいるように見えますが、サンダー戦だけは点差がはっきりついています。チームとして一番まとまっていたのがこの試合だったと見てよさそうです。アービングとフラッグという二つの得点源がかみ合った状態を保てるかどうかが、この先のマブスを見るうえでの軸になると自分は思います。ガード陣の層が薄い中で、この二人のどちらかが欠場した時にどう戦うかも、シーズンを通して注目しておきたいポイントです。
まとめ
- マブスがサンダーに120対96で快勝し3勝2敗になった。
- クーパー フラッグが26得点8アシストでチームを牽引した。
- 復帰したカイリー アービングも15得点でプラスマイナスは25だった。
- サンダーは後半だけで37点に失速しエイジャ ミッチェルの29得点も届かなかった。
2024-25シーズンに優勝したチームから挙げた一勝は、シーズンがまだ序盤でも悪くない材料だと自分は思います。フラッグとアービングがこのまま噛み合っていくのか、そしてサンダーがこの一敗からどう立て直してくるのか、どちらも引き続き見ていきたいです。11月からの日程でさらに結果が積み重なれば、見方もはっきりしてくるはずです。
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