ポール・ジョージが会見で見せた『JTが主役』発言と、タイタムが語ったブラウンへの本音

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セルティックスがジェイレン・ブラウンを放出してポール・ジョージを迎え入れてから、もう2ヶ月半が経ちました。トレード自体は7月1日に発表・7月6日に正式成立していましたが、実際にジョージが記者の前に立ってセルティックスの一員として話すのは9月15日が初めてでした。場所はチームの練習施設、The Auerbach Center。個人的にはこの手の「加入後初会見」がどんな空気になるのか結構気になるタイプなので、内容を見て素直に驚きました。

会見にはマイク・コンリーも同席していたそうですが、ミッチェル・ロビンソンは個人的な理由で欠席したと報じられています。主役はやはりジョージで、テイタムについて聞かれた際の発言がとにかくはっきりしていました。

“We have a superstar, and that’s JT. I’m not here to steal the shine or reinvent who I am. I’m here to help JT. He’s the guy.”

「僕らにはスーパースターがいる、それがJTだ。輝きを奪いに来たわけでも、自分を再発明しに来たわけでもない。JTを助けに来たんだ。あいつが主役だよ」という趣旨です。36歳でNBA17年目に入るベテランが、ここまで迷いなく若い主役を立てる発言をするのは、正直かっこいいなと思いました。長年フランチャイズプレイヤーとしてやってきた選手が、移籍先で立ち位置をこれだけ潔く言い切れるのは簡単なことではないはずです。

さらにジョージはこんな発言も残しています。

“I played alongside another superstar wing, and we coexisted beautifully. And so I see that…with JT, being able to play off him, being able to help him, being able to be a mentor.”

「以前も別のスーパースター・ウィングと一緒にプレーして、うまく共存できた経験がある」という内容で、文脈的にはクリッパーズ時代を指しているとみられます。ただしこの発言の中で特定の選手名を本人が直接口にしたかどうかは記事によって書き方が割れていて、実際の引用そのものには固有名詞は出てきません。なので「ジョージが誰それを名指しした」というのは正確ではなく、あくまで「クリッパーズ時代を思わせる発言をした」くらいに留めておくのが正直なところです。健康状態についても「I feel amazing, and that’s all I can bank on. I haven’t felt like this in a very long time.」と、かなり前向きなコメントをしていました。長らく怪我に苦しんできた選手だけに、この発言がどこまで本当なのかはシーズンが始まってみないと分からない部分もありますが、少なくとも本人の言葉としては期待が持てる内容です。

そして2日後の9月17日、今度はテイタム本人がThe Dan Patrick Showに出演しました。話題の中心はアキレス腱からの復帰と、放出されたブラウンとの関係です。テイタムは2025年5月12日、プレーオフのニックス戦で右アキレス腱を断裂し、翌日には手術。そこから約10ヶ月、298日ぶりとなる2026年3月6日のマーベリックス戦でシーズンデビューを果たしています。この番組では当時の心境をかなり率直に語っていました。

“I was nervous…I was nervous every game that I played in this past season.”

復帰後もずっと緊張していた、という発言です。番組内では「80%の出来でも効果を出せることを証明したかった」という趣旨の発言もあったようで(こちらはBoston.com経由の引用で、Boston Globe側では未確認とのことですが趣旨自体は一致しています)、大怪我からの復帰選手が抱える不安をかなり素直に吐露していた印象です。アキレス腱断裂は選手生命に関わる大怪我で、復帰後すぐに以前と同じパフォーマンスを出せる選手の方が少ないくらいです。それを踏まえると、この「毎試合緊張していた」という発言はむしろ自然というか、逆にそう言えるくらいには一区切りついたということなのかもしれません。

もう一つの話題がブラウンとの関係です。実はこのオフ、タイタムとブラウンの間に不仲説があるという噂がメディアで取り沙汰されていました。匿名のNBA関係者のコメントを引用した報道や、タイタムの発言がブラウンへの当てこすりではないかと解釈する向きもあったようですが、これはあくまで噂の域を出ておらず、中身が裏付けられたわけではありません。今回のタイタムの発言は、そうした噂を意識した上でのものだったと見られています。

“For me, I love that guy.”
“You can’t talk about him without talking about me, and vice versa, right?”
“He’s a tremendous person and a player and have a respect [for him] and wish him the best.”

「あいつのことは大好きだよ」「あいつのことを語らずに僕のことは語れないし、その逆もそうだろ」という発言で、実績についても「カンファレンスファイナル5回、ファイナル進出2回、優勝1回」という数字を自ら挙げていました。ここまではっきり言い切られると、不仲説自体がどこまで実態のあるものだったのか怪しくなってきます。もちろん長年コンビを組んだ相方がある日突然いなくなるわけですから、複雑な感情がゼロだったとは思いませんが、少なくとも表立って語られる言葉としては、かなり誠実な内容だったと思います。「誰も永遠に一緒にプレーし続けるわけじゃない、でもそれは悲しんだり怒ったりするようなことじゃない」という発言も、ブラウンとのキャリアを振り返るタイタムなりの落とし所だったのかもしれません。

会見と番組出演、2つを合わせて見ると、セルティックスの新体制は思った以上にはっきりした方向性で動いているように見えます。ジョージはあくまでサポート役に徹する姿勢を示し、タイタムは怪我からの不安を認めつつも前を向き、ブラウンとの関係についても波風を立てないコメントに終始しました。ブラウンは今フィラデルフィアでタイリース・マクシーやジョエル・エンビードらと新しいチームを作っている最中で、セルティックス側もそれを見送った上で次のフェーズに進んでいる、という感じでしょうか。個人的には、ジョージの怪我からの状態がシーズンを通してどこまで保つのか、そしてタイタムが「80%」からどこまで本来の出力に戻ってくるのかが、今シーズンのセルティックスを占う一番のポイントだと思っています。

まとめ

不仲説だ再トレード観測だといろいろ言われがちなオフシーズンですが、本人たちの言葉を素直に読む限り、少なくとも表向きは落ち着いた形で新しいシーズンに向かっているように見えます。ジョージのベテランらしい立ち回りと、テイタムの正直な言葉、どちらも悪くない材料だと思うので、10月の開幕でどんなチームになっているのか楽しみに待ちたいと思います。

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