「73勝9敗」。これ、NBA史上どのチームよりも多く勝ったシーズンの成績です。ところがこのチーム、優勝していません。一方で、1勝少ない72勝10敗のチームはきっちり優勝しています。たった1勝の差なのに、結末はまるで逆。レギュラーシーズンで勝ちまくることは、優勝にどれくらい直結するのでしょうか。今回はNBA歴代のシーズン最多勝記録を整理しながら、この疑問を数字で確かめてみます。
NBA歴代シーズン最多勝ランキングTOP18
まずは66勝以上を挙げた18シーズンを、勝利数順に並べてみます。「優勝」の欄は、そのシーズンにファイナルを制したかどうかです。
| 順位 | チーム | シーズン | 成績 | 勝率 | 優勝 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ウォリアーズ | 2015-16 | 73勝9敗 | .890 | × |
| 2 | ブルズ | 1995-96 | 72勝10敗 | .878 | ○ |
| 3 | レイカーズ | 1971-72 | 69勝13敗 | .841 | ○ |
| 3 | ブルズ | 1996-97 | 69勝13敗 | .841 | ○ |
| 5 | 76ers | 1966-67 | 68勝13敗 | .840 | ○ |
| 6 | セルティックス | 1972-73 | 68勝14敗 | .829 | × |
| 6 | サンダー | 2024-25 | 68勝14敗 | .829 | ○ |
| 8 | セルティックス | 1985-86 | 67勝15敗 | .817 | ○ |
| 8 | ブルズ | 1991-92 | 67勝15敗 | .817 | ○ |
| 8 | レイカーズ | 1999-00 | 67勝15敗 | .817 | ○ |
| 8 | マーベリックス | 2006-07 | 67勝15敗 | .817 | × |
| 8 | ウォリアーズ | 2014-15 | 67勝15敗 | .817 | ○ |
| 8 | スパーズ | 2015-16 | 67勝15敗 | .817 | × |
| 8 | ウォリアーズ | 2016-17 | 67勝15敗 | .817 | ○ |
| 15 | バックス | 1970-71 | 66勝16敗 | .805 | ○ |
| 15 | セルティックス | 2007-08 | 66勝16敗 | .805 | ○ |
| 15 | キャバリアーズ | 2008-09 | 66勝16敗 | .805 | × |
| 15 | ヒート | 2012-13 | 66勝16敗 | .805 | ○ |
なお、リーグ創成期は1シーズンが60試合前後しかなく、1946-47年のワシントン キャピトルズ(49勝11敗)のように勝率だけなら上位に食い込むチームもあります。ただ試合数が違いすぎるので、ここでは82試合制が定着して以降の勝利数で並べています。
73勝のウォリアーズに起きたこと
2015-16シーズンのウォリアーズは、1995-96のブルズが持っていた72勝の記録を20年ぶりに更新しました。ステフィン カリーが満票でMVPを獲得したシーズンでもあります。
ところがファイナルでキャバリアーズに3勝1敗とリードしながら、そこから3連敗。史上最強の可能性があったチームが、優勝なしでシーズンを終えました。この1年前(2014-15)に67勝で優勝し、翌年(2016-17)も67勝で優勝しているので、73勝の年だけが空白になっているのが余計に目立ちます。詳しくはNBAチーム別優勝回数ランキングでも触れていますが、「一番勝ったチーム」と「優勝したチーム」は毎年一致するわけではありません。
66勝以上でも、優勝は18回中13回
上の表を数えてみると、66勝以上を挙げた18シーズンのうち、優勝までたどり着いたのは13回。率にすると約72%です。
ちなみに、その最強シーズンを率いたヘッドコーチたちの中には、選手としても優勝を経験している人が少なくありません。その顔ぶれは選手とヘッドコーチの両方でNBA優勝した14人にまとめました。
これは高いと見るべきか、低いと見るべきか。リーグに30チームある中で、圧倒的な成績を残しても4回に1回以上は指輪を逃している、と考えるとプレーオフの怖さが伝わってきます。優勝を逃した5チームは、ウォリアーズ(2015-16)、セルティックス(1972-73)、マーベリックス(2006-07)、スパーズ(2015-16)、キャバリアーズ(2008-09)です。
ちなみにシード順とファイナル制覇の関係については、NBA歴代レギュラーシーズン順位別優勝回数の分析で別途まとめています。
2017年以降、69勝以上が1度も出ていない
表をもう一度見てください。69勝以上を記録した5シーズンのうち、4つは1997年までのもの。もっとも新しいのが2015-16のウォリアーズの73勝です。
2016-17シーズン以降でいちばん多いのは、2024-25シーズンのサンダーの68勝14敗。このサンダーはそのまま優勝までたどり着きました。つまりこの10年、70勝台どころか69勝すら誰も届いていません。
理由をひとつに絞るのは難しいのですが、主力を休ませるロードマネジメントが定着したこと、そしてサラリーキャップのルールが厳しくなり、1チームに戦力を集中させにくくなったことは無関係ではなさそうです。連覇そのものが減っている流れはNBA連覇の歴史まとめでも取り上げました。
まとめ
- NBA歴代シーズン最多勝は2015-16ウォリアーズの73勝9敗。ただし優勝はしていない
- 66勝以上を挙げた18シーズンのうち、優勝は13回(約72%)
- 69勝以上は史上5回だけで、直近は2015-16のウォリアーズ
- 2016-17シーズン以降の最多は2024-25サンダーの68勝14敗
レギュラーシーズンの勝利数は、そのチームの強さをかなり正直に表す数字です。ただ、その数字が指輪を保証してくれるわけではない。73勝のウォリアーズが残したのは、記録そのものよりも「だから4月からが本番なんだ」という教訓のほうかもしれません。
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コメント
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