NBAの選手が1試合でどこまで得点できると思いますか?50点でも「とんでもない試合を見た」と語り継がれる世界ですが、歴史をさかのぼると、その倍を叩き出した選手がいます。しかもこのランキング、2026年3月に64年ぶりの大事件が起きて2位が入れ替わったばかりです。今回はNBA1試合最多得点ランキングTOP20を、最新データで整理してみます。
NBA1試合最多得点ランキングTOP20【2026年最新版】
まずは全体像から見ていきましょう。データはBasketball-Referenceの単一試合得点リーダーに準拠しています。
| 順位 | 得点 | 選手 | 達成日 |
|---|---|---|---|
| 1 | 100 | ウィルト・チェンバレン | 1962年3月2日 |
| 2 | 83 | バム・アデバヨ | 2026年3月10日 |
| 3 | 81 | コービー・ブライアント | 2006年1月22日 |
| 4 | 78 | ウィルト・チェンバレン | 1961年12月8日 |
| 5 | 73 | ウィルト・チェンバレン | 1962年1月13日 |
| 5 | 73 | ウィルト・チェンバレン | 1962年11月16日 |
| 5 | 73 | デビッド・トンプソン | 1978年4月9日 |
| 5 | 73 | ルカ・ドンチッチ | 2024年1月26日 |
| 9 | 72 | ウィルト・チェンバレン | 1962年11月3日 |
| 10 | 71 | エルジン・ベイラー | 1960年11月15日 |
| 10 | 71 | デビッド・ロビンソン | 1994年4月24日 |
| 10 | 71 | ドノバン・ミッチェル | 2023年1月2日 |
| 10 | 71 | デイミアン・リラード | 2023年2月26日 |
| 14 | 70 | ウィルト・チェンバレン | 1963年3月10日 |
| 14 | 70 | デビン・ブッカー | 2017年3月24日 |
| 14 | 70 | ジョエル・エンビード | 2024年1月22日 |
| 17 | 69 | マイケル・ジョーダン | 1990年3月28日 |
| 18 | 68 | ウィルト・チェンバレン | 1967年12月16日 |
| 18 | 68 | ピート・マラビッチ | 1977年2月25日 |
| 20 | 67 | ウィルト・チェンバレン(4試合) | 1961〜1963年 |
ひと目でわかる通り、TOP20の半分以上がウィルト・チェンバレン1人で占められています。67点の4試合を1行にまとめてこの状態なので、実質的には「ウィルトのランキング」と言ってもいいくらいです。NBA歴代通算得点ランキングでは現代の選手が上位を占めているのとは、まったく違う顔ぶれになります。
1位:ウィルト・チェンバレンの100点は、なぜ破られないのか
1962年3月2日、ウィルト・チェンバレンがニューヨーク・ニックス相手に記録した100得点。NBAを少しでも知っている人なら誰もが知っている数字ですが、実はこの試合の映像は残っていません。中継がなかったからです。
この記録が破られない理由は、単に「ウィルトがすごかったから」だけではありません。当時のNBAは1チームの平均得点が今よりはるかに多く、ポゼッション数そのものが違いました。攻撃回数が多ければ、1人に集中させたときの上限も跳ね上がります。現代のNBAでペースが落ちている以上、100点という数字は事実上の「構造的な壁」になっているわけです。なおウィルトはMVPを4回受賞しており、記録面では今も別格の存在です(歴代MVP最多受賞ランキング)。
2位:バム・アデバヨの83点、64年ぶりに動いた2位の座
2026年3月10日、マイアミ・ヒートのバム・アデバヨがワシントン・ウィザーズ戦で83得点を記録しました。試合はヒートが150対129で勝利。コービー・ブライアントの81点を抜き、NBA史上単独2位に躍り出た瞬間です。
フリースロー36本成功という異次元の内訳
この試合のスタッツがまた強烈でした。フィールドゴール20/43、3ポイント7/22、そしてフリースローが36/43。出場時間は42分、リバウンドは9本です。
注目すべきはフリースローで、成功36本・試投43本はいずれもNBAの1試合記録として新記録になりました。前半だけで43点、後半で40点。プレーバイプレーのデータが残る1996-97シーズン以降で、前後半ともに40点以上を記録した初の選手でもあります。
「あれはバスケじゃなかった」という批判も出た
ただしこの記録、手放しで称賛されたわけではありません。ヒートはこの試合、タイラー・ヒーロー、ノーマン・パウエル、アンドリュー・ウィギンズと得点源3人を欠いており、第4クォーターには毎回アデバヨにボールを集めて記録を狙いにいっていました。
ウィザーズのブライアン・キーフHCは「第4クォーターは本当のバスケットボールの試合ではなくなった」とコメント。元ヒートのジェイソン・ウィリアムズも「1シーズンで43本もフリースローを打ったことがあるかどうか」と皮肉を飛ばしました。
一方で擁護派もいます。ヤニス・アデトクンボは「結局みんなが覚えているのは81という数字、ウィルトの100という数字だ。やり方がどうであれ、彼は83点取った」と反論しました。実際、コービーの81点もウィルトの100点も、似たような文脈で生まれています。記録というのは、だいたいそういうものなのかもしれません。
3位:コービーの81点が守り続けた20年
2006年1月22日、コービー・ブライアントがトロント・ラプターズ相手に記録した81点。2026年3月にアデバヨに抜かれるまで、20年間この位置に居続けた記録です。ウィルトの記録が「見たことがない伝説」だとすれば、コービーの81点は多くのファンがリアルタイムで、あるいは映像で確認できる最初の怪物級スコアでした。
なぜ2020年代に大量得点が増えているのか
TOP20をもう一度見てください。ウィルト時代を除くと、2023年、2024年、2026年と、直近だけで4つも顔を出しています。ミッチェル71点、リラード71点、エンビード70点、ドンチッチ73点、そしてアデバヨ83点です。
理由はシンプルで、3ポイントの本数が増えたからです。同じ試投数でも、3ポイント中心なら得点の上限が1.5倍になります。NBAの3ポイント試投数の推移を見ると、この爆発がどこから始まったのかがよく分かります。アデバヨですら3ポイントを22本打っている時代なのです。
ちなみに1試合の「得点以外」の怪物記録に興味がある方は、NBA歴代クアドラプルダブルもあわせてどうぞ。史上4回しかない、得点とはまったく別方向の化け物記録です。ルーキーの単発爆発で言えば、2026年に10代で50点超えを果たした選手の話をNBA歴代新人王一覧にまとめています。
まとめ
- 1位はウィルト・チェンバレンの100点(1962年)。映像は残っていない
- 2位は2026年3月10日のバム・アデバヨ83点。64年ぶりに2位が入れ替わった
- アデバヨはフリースロー36/43でNBA新記録。一方で「記録狙い」との批判も出た
- 3位はコービーの81点。20年間2位を守り続けた
- TOP20の過半数はウィルト1人の記録
- 近年の大量得点増加は3ポイント革命の影響が大きい
100点という数字は、しばらく動かないと思います。ただ、20年動かなかった81点が2026年にあっさり更新されたことを考えると、「しばらく」がどれくらいなのかは誰にも分かりません。次に70点台が出たとき、僕らはまた同じ議論をしているはずです。

