「日本のバスケって、五輪の壁を破ったところで止まってたよな」——そう思っていた人にこそ届けたいニュースがあります。愛知・名古屋で行われたアジア競技大会2026で、男子バスケットボール日本代表が決勝まで勝ち上がり、韓国相手に57-67で敗れて銀メダルという結果を残しました。
この大会での決勝進出、実に64年ぶりだったそうです。男子日本代表はこれまでこの大会で金メダルを一度も獲得したことがなく、銀メダルもこれが3回目(過去の記録は銀2回・銅6回)という位置づけでした。結果だけ見れば「また準優勝か」で終わってしまいそうですが、そこに至るまでの戦いぶりを振り返ると、素直に評価していい内容だったと思います。
グループリーグから決勝まで、6試合の全結果
まず大会を通じての戦績を整理しておきます。
| ラウンド | 対戦相手 | スコア | 結果 |
|---|---|---|---|
| グループリーグ | インドネシア | 98-53 | 勝利 |
| グループリーグ | サウジアラビア | 86-80 | 勝利 |
| グループリーグ | 韓国 | 83-100 | 敗戦 |
| 準々決勝 | チャイニーズ・タイペイ | 85-78 | 勝利 |
| 準決勝 | 中国 | 97-77 | 勝利 |
| 決勝 | 韓国 | 57-67 | 敗戦(銀メダル) |
グループリーグで韓国に83-100と17点差の大敗を喫していたのに、決勝では10点差まで詰め寄っている点は見逃せません。準々決勝のチャイニーズ・タイペイ戦は、第3クォーターまで68-49まで持っていきながら最終クォーターで3-15のランを許すなど、終盤の踏ん張りに課題を見せる場面もありました。それでも準決勝では中国に97-77と20点差をつけて完勝しており、チームとしての得点力は大会を通じて安定していたと言っていいと思います。
決勝の韓国戦、57-67の中身
決勝の韓国戦は、韓国のディフェンスとイ・ヒョンジュン選手の出来に苦しめられたと報じられています。グループリーグの対戦から比べると点差は縮まったものの、57得点という数字は準決勝までの得点力(97、85、98、86)と比べると明らかに落ち込んでいて、守備の強さに攻撃を封じられた一戦だったことがうかがえます。金メダルまであと一歩、というより、韓国という相手の分厚さを再確認させられた決勝だった、というのが実態に近いのではないでしょうか。
八村塁・河村勇輝が合流した代表の顔ぶれ
今回の代表招集で注目したいのが、NBAでプレーする八村塁と河村勇輝の2人がロスター入りしたことです。NBAのプレシーズンやトレーニングキャンプと時期が重なる中での招集だったこともあり、合流自体が「全ての面でプラスになる」と現地でもポジティブに受け止められていたようです。河村勇輝がNBA契約を勝ち取るまでの道のりを追ってきた身としては、代表チームでも中心を担うガードに成長した姿は感慨深いものがあります。
招集メンバー12人の平均身長は195.2cm、平均年齢は25.1歳だったそうです。準々決勝では黒川虎徹選手がチーム最多23得点、小川敦也キャプテンが15得点、アレックス・カーク選手が12得点8リバウンドと、NBA組だけに頼らない得点源が複数いたことも、この結果につながった要因の一つだと思います。
渡邊雄太が招集から外れていたという現実
一方で、今大会のロースターには渡邊雄太の名前がありませんでした。負傷によるもので、本人は11月以降の強化試合に向けて復帰を目指すとコメントしていたようです。八村・河村の合流を歓迎しつつも、渡邊の欠場を惜しむ声がファンから多く上がっていたのも事実で、フル戦力での代表チームがどこまでやれるのかは、まだ見えていない部分が残っています。
まとめ
今回のアジア競技大会を振り返ると、ポイントは大きく3つあると思います。
- グループリーグでは17点差だった韓国との差を、決勝では10点差まで詰めたこと
- NBA組(八村・河村)と国内組(黒川・小川・カークら)がかみ合って準決勝の中国戦を完勝したこと
- 渡邊雄太という戦力を欠いたままでの銀メダルであり、フル戦力での伸びしろがまだ残っていること
金メダルには届きませんでしたが、64年ぶりの決勝進出という結果は、次の強化試合や本大会に向けた期待材料として素直に受け止めていいのではないでしょうか。11月の強化試合で渡邊雄太が合流してくる代表チームが、どんな形になるのか楽しみに待ちたいと思います。

