カワイ・レナード、ついにラプターズ復帰。2019年の英雄が7年ぶりにトロントへ帰ってくる

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2019年、わずか1シーズンでトロント・ラプターズを球団史上初のNBA王者へ導き、その夏にロサンゼルス・クリッパーズへ移籍したカワイ・レナード。

あれから7年。

まさか本当にトロントへ戻ってくることになりました。

ESPNによると、ラプターズとクリッパーズはカワイ・レナードをトロントへ送る大型トレードを完了させることで合意。もともと6月末に基本合意していた案件でしたが、クリッパーズとレナードを巡るサラリーキャップ迂回問題のNBA調査によって保留されていました。9月に入りリーグの調査と処分が一区切りしたことで、ついに止まっていたトレードが動き出した形です。

7年前、優勝させて即退団。

そして35歳で帰還。

こんなNBA人生ある?笑

今回はカワイ復帰のトレード内容、なぜここまで成立が遅れたのか、2019年のラプターズ時代、そして今のチームでどんな役割を担うことになるのかまで整理していきます。

トレード内容はかなり大型

まず今回のトレード内容を見てみます。

ラプターズが獲得するのはカワイ・レナード。

一方のクリッパーズはブランドン・イングラム、グレイディ・ディック、2031年と2033年の無保護1巡目指名権、2027年の1巡目スワップ権、さらに2030年と2033年の2巡目指名権を受け取ります。

普通にかなり重いです。

35歳のカワイに対して、即戦力のイングラム、まだ若いグレイディ・ディック、さらに無保護1巡目2本まで出す。これだけを見ると、ラプターズが相当本気で勝ちにいっていることが分かります。

特に無保護1巡目というのが大きいです。将来ラプターズが弱くなって、その指名権が上位に跳ねてもクリッパーズへ渡ります。

つまりトロント側は、単に懐かしいスターを呼び戻したわけではありません。

本気で今のチームを一段上へ押し上げるために、大きな代償を払っています。

実は6月にはほぼ決まっていた

このニュースを見て、急に決まったトレードだと思った人もいるかもしれません。

でも実際には、この話は6月30日の時点ですでに報じられていました。

NBA.comによると、ラプターズとクリッパーズは当時すでに基本合意に達しており、カワイがトロントへ戻る方向で話が進んでいました。ところが7月9日、クリッパーズとレナードを巡るサラリーキャップ迂回問題についてNBAが調査を進めていたため、トレードは保留されました。

ここからがかなり長かった。

NBAは9月2日、クリッパーズとレナードがCBAに定められたサラリーキャップ迂回規定に違反したと発表。クリッパーズには1巡目指名権5本剥奪を含む非常に重い処分が科されました。

Basketball Freakでもこの問題は何度か取り上げましたが、もともとはスポンサー契約などを通じてレナードへ追加の利益を与えていたのではないか、という疑惑が発端でした。

つまり、トロントへの復帰自体は夏から見えていた。

ただ、その途中にとんでもない問題が挟まってしまったわけです。

それでもトレード内容は変わらなかった

ここも地味に面白いところです。

クリッパーズがNBAから超大型処分を受けたことで、ラプターズ側がトレード条件の見直しを求めるのではないかという見方もありました。

実際、クリッパーズは2029年から2033年までの1巡目指名権を5本失っています。

普通に考えれば、将来のドラフト資産を大量に失ったチームは、少しでも多くの指名権を取り返したい。

一方のラプターズからすれば、相手が苦しい立場になったなら、こちらが出す条件を軽くできないかと考える余地もあります。

それでも最終的には、6月時点で報じられていたパッケージと同じ内容で成立することになりました。

これはラプターズがカワイをかなり高く評価している証拠だと思います。

2019年のカワイは本当に特別だった

カワイとラプターズの組み合わせを語るうえで、やっぱり2018-19シーズンは外せません。

カワイは2018年夏、スパーズからラプターズへトレードされました。

当時のトロントは毎年レギュラーシーズンでは強いものの、プレーオフになるとレブロン・ジェームズ率いるキャバリアーズに何度も阻まれていました。

そこでマサイ・ウジリが大きな決断をします。

長年チームの中心だったデマー・デローザンを放出し、カワイを獲得。

しかもカワイは翌夏にFAになる予定だったので、ラプターズに残る保証はほぼありませんでした。

つまり、ほぼ1年限定の勝負。

今振り返っても相当なギャンブルです。結果は言うまでもありません。ラプターズは2019年プレーオフを勝ち上がり、球団史上初のNBAファイナル進出。

そしてウォリアーズを破って初優勝。

カワイは自身2度目のFinals MVPを受賞しました。

伝説のThe Shot

2019年のカワイといえば、やっぱりあのシュートです。

イースタン・カンファレンス・セミファイナル第7戦、相手はフィラデルフィア・76ers。

残り数秒。

カワイが右サイドから放ったジャンパーはリングに何度も跳ね返り、最後に落ちました。

NBA史上でも最も有名なブザービーターの一つです。

あの瞬間にラプターズの優勝への道がつながった。

もし外れていたら、その後のNBA史は全然違っていた可能性があります。

あの1本だけでも、カワイはトロントのバスケ史に永遠に残る存在になりました。

それなのに1年で去った

そして一番すごいのは、あれだけのことをやって本当に1年で去ったことです。

優勝。Finals MVP。トロント中がカワイを英雄扱い。

普通ならそのまま長期契約を結びそうなところですが、2019年夏にカワイはクリッパーズへ移籍しました。

本人としては地元ロサンゼルスへ戻りたいという希望がありました。

もちろんラプターズファンとしては残ってほしかったでしょう。

それでも、優勝を置き土産にしたこともあって、他のスーパースターの退団とは少し違う空気がありました。

チームを捨てたというより、やること全部やって帰った。そんな感覚に近い。

だから今回の復帰も、単なる古巣復帰以上の意味があります。

7年後のラプターズはまったく違うチーム

当然ですが、2019年と今ではチームの顔ぶれはほぼ別物です。

現在の中心はスコッティ・バーンズ。

そこに若い選手たちが加わり、トロントは再び上位を狙えるチームへ戻りつつあります。

NBA.comによると、昨季のラプターズは2024-25シーズンから16勝増やし、100ポゼッションあたりの得失点差も過去6年で最高の水準まで改善しました。

特に強みだったのがディフェンス。

昨季は守備面でリーグ上位の数字を残しており、スコッティ・バーンズを中心にサイズと機動力のある選手が揃っています。

そこにカワイが入る。名前だけ見るとかなり怖いです。カワイとバーンズの守備は普通に楽しみ35歳になったカワイは、全盛期のように毎晩相手エースを40分守る選手ではありません。

それでも、サイズ、腕の長さ、身体の使い方、ボールへの反応は今でもトップクラスです。

昨季もクリッパーズで65試合に出場し、平均27.9得点、6.4リバウンド、3.6アシストを記録しました。

全然終わってない。

むしろ65試合出てこの数字なら、普通にまだオールNBA級です。そこにバーンズがいる。

相手によってカワイとバーンズがマッチアップを入れ替えられる。ウイングにサイズがあり、スイッチもしやすい。プレーオフで相手のエースを止めにいく構成としては、かなり面白いと思います。

本当に必要なのは終盤に点を取れる選手

今回の補強で最も大きいのは、実は守備よりオフェンスかもしれません。

若いチームがプレーオフで苦労しやすいのが、試合終盤に誰が点を取るのかという問題です。

レギュラーシーズンならボールを回して良いシュートを作れます。

でもプレーオフになると、相手も対策してきます。

残り2分。

同点。

セットプレーが崩れた。

誰か1人で点を取ってくれ。

ここで必要になるのが、カワイのような選手です。

彼はこれまで何度もプレーオフの終盤で難しいシュートを決めてきました。

ラプターズが今回大きな代償を払った理由も、最終的にはここだと思います。

イングラム放出はかなり大きな決断

一方で、ブランドン・イングラムを出すのは軽い話ではありません。

イングラムは昨季トロントで77試合に出場し、平均21.5得点、5.6リバウンドを記録しました。

普通にチームの主要スコアラーです。

年齢も28歳。

カワイより7歳若い。

単純に将来性だけを考えるなら、イングラムを残す方が安全だったかもしれません。

それでもラプターズはカワイを選びました。

これはチームが今勝ちにいくという意思表示です。

あと数年待って若手が完全に育つのを待つのではなく、今ある戦力にカワイを入れて一気に上を狙う。

かなり攻めた判断です。

グレイディ・ディックも失う

さらにグレイディ・ディックもクリッパーズへ移ります。

2023年ドラフト全体13位。

まだ若く、シューターとして期待されていた選手です。

NBA.comによると、NBA最初の3シーズンで平均9.2得点、2.5リバウンドを記録しています。

イングラムだけではなく、ディックまで出す。

さらに指名権。

これだけ見ると、ラプターズは相当賭けています。

一番のリスクはやっぱり健康面

カワイの評価を難しくしている最大の理由は、やっぱり怪我です。

実力についてはほぼ誰も疑っていません。

健康なら今でもNBAトップクラス。

問題は、その健康な状態をどれだけ維持できるのかです。

過去数年、プレーオフの重要な場面で離脱することもありました。

ラプターズがこれだけの資産を出した以上、プレーオフでカワイがプレーできなければ意味がありません。

35歳。

ここはどうしても大きなリスクになります。

でも昨季65試合出たのは大きい

ただし、悲観的な材料ばかりでもありません。

昨季は65試合に出場。

これは近年のカワイとしてはかなり良い数字です。

平均27.9得点も残しています。

ロードマネジメントを徹底しながら、レギュラーシーズンをある程度健康に乗り切れるのであれば、プレーオフで大きな武器になります。

トロント側も毎試合カワイに35分出てもらう必要はないでしょう。

若い選手を使いながら、勝負どころでカワイを最大限使う。

そういう運用になると思います。

クリッパーズ側も悪くない

今回のトレード、どうしてもカワイ復帰ばかり注目されますが、クリッパーズ側もかなり大きな資産を得ています。

イングラム。

ディック。

無保護1巡目2本。

1巡目スワップ。

2巡目2本。

さらにクリッパーズはNBAの処分で2029年から2033年までの1巡目指名権を5本失っています。

だからこそ、今回の2031年と2033年のラプターズ1巡目はめちゃくちゃ重要です。

自分たちの指名権を失っている期間に、他チームの1巡目を持てる。

これは再建を考えるうえでかなり大きい。

皮肉ですが、カワイ問題で失った指名権の一部を、カワイを放出することで補う形になりました。

NBAってほんとよくできてます。

クリッパーズ時代は成功だったのか

ここも難しいところです。

カワイは2019年にクリッパーズへ加入しました。

同時にポール・ジョージも加わり、一気に優勝候補になりました。

ただ、結局優勝には届きませんでした。

西カンファレンス決勝まで進んだシーズンはありましたが、カワイ自身の怪我もあり、最も期待された完全体の状態で長く戦えたとは言いにくいです。

それでも個人としては高いパフォーマンスを維持していました。

だからクリッパーズ時代を失敗と断定するのも違う。

でも2019年のトロントで1年で優勝したインパクトと比べると、どうしても物足りなく見えてしまいます。

そして最後はまたトロント

これが一番NBAっぽい。

2019年に優勝。

その夏に退団。

クリッパーズで7年間。

そして最後にまたトロント。

まだ引退が近いと決まったわけではありません。

でも年齢を考えると、キャリア終盤に入っているのは間違いない。

そんなタイミングで、自分が最も大きな成功を収めた場所へ戻る。

普通にストーリーとして良すぎます。

ラプターズは優勝候補になったのか

ここは少し冷静に考えたいです。

カワイが加入したからといって、すぐに優勝最有力になるわけではありません。

東にはニックス、セルティックスなど強豪がいます。

ラプターズもまだ若いチームです。

それでも、プレーオフで一番欲しいタイプの選手が加わったのは間違いありません。

守れて、終盤に点を取れて、優勝経験がある。

しかもFinals MVPを2回取っている。

こういう選手は普通に市場に出ません。

個人的にはかなり好きなトレード

リスクは大きいです。

35歳。

怪我。

無保護1巡目2本。

イングラム。

ディック。

普通に考えれば怖い。

でも、だからこそ面白い。

ラプターズは2018年にもデローザンを出してカワイを獲得するという大勝負をしました。

あのときもリスクだらけでした。

結果は優勝。

今回も同じように成功する保証はありません。

でも安全策だけを取っていたら、なかなかNBA優勝には届かない。

トロントは今回も勝負しました。

7年前の続きを始める

2019年、カワイ・レナードはトロントにやってきました。

1年間だけ。

そしてNBA王者になりました。

その夏に去りました。

普通なら、そこで物語は終わるはずでした。

でも7年後。

また戻ってきます。

35歳になったカワイと、若いスコッティ・バーンズ。

前回とは全く違うチーム。

同じなのは、トロントがまたカワイに大きな期待をかけていることです。

あの2019年をもう一度再現するのは簡単ではありません。

でも、もしこれでまたファイナルまで行ったら。

さすがに出来すぎです。笑

カワイ・レナード、7年ぶりのトロント帰還。

これは今季のNBAで一番楽しみなストーリーの一つになりそうです。

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